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鉄拳 素朴にして偉大な才能

鉄拳は、思春期のこととか、生や死のこと、本当に深く理解していて、そして大切にしている人だなぁ、と感動した。 鉄拳の作品は、涙なくして見れないものばかり。

「約束」を見終わった後、音楽が高木正勝さんだ!ということにも、さらに驚いた。

●鉄拳 「約束」

 

鉄拳はお笑い芸人として有名だが、元々は漫画家志望だった。

漫画家の夢を断念した後は、二番目の夢だったプロレスの世界に飛び込んだ。FMWに入団したつもりが、レフェリーとして採用だったことに気付きすぐに退団。その後、俳優の世界に挑戦するも滑舌が悪いためにすぐに退団した。

鉄拳は、漫画家になれず、プロレスラーになれず、活舌が悪くて役者になれなかった。 そうしたマイナス面をすべて逆転させて足し合わせ・掛け合わせ、

「滑舌の悪い+プロレスラーの格好(ロードウォリアーズのメイク)+漫画」の3つを統合する器として、お笑い芸人になった。 その後、お笑い芸人としての活動よりも、こうしたパラパラ漫画が高く評価を受けることになる。

そのきっかけも不思議な偶然だ。

深夜テレビの企画で、パラパラマンガをつくる企画があり、イギリスのロックバンドMUSE(ミューズ)の5thアルバム『The Resistance』(2009年)の中にある『Exogenesis: Symphony Part 3 (Redemption)』という曲をバックに『振り子』というパラパラ漫画をつくった。

すると、Youtubeでの大反響を介してMUSE本人にも届き、『Exogenesis: Symphony Part 3 (Redemption)』の公式プロモーションビデオに採用されてしまったのだ。その後、全世界に正式なルートで鉄拳のパラパラ漫画は配信されることになる。ちなみに、このアルバムは第53回グラミー賞を受賞しているのだ。

とにかく、この処女作である『振り子』には、鉄拳のあらゆる思いが込められているように思う。

泣いた。

〇Muse: Exogenesis Symphony Part III - HD - Redemption (video oficial)

その後、MUSEの7thアルバム『Drones』(2015年)の中にある『Aftermath』という曲にも、また鉄拳のパラパラ漫画が採用されている。(本アルバムも第58回グラミー賞で最優秀ロック・アルバム賞を受賞)

〇MUSE - Aftermath [Official Music Video]

無欲とは、本当に巨大な花を開花させるもので、本質を貫いた素晴らしいものは、「おのずから」の力でこの世に光を求めて発芽してくるのだろう。

こどものときの複数の「夢」を大切に抱き続けたからこそ、途方もない長い時間をかけてその卵は孵化したのだ。統合が難しければ難しいほど、時間はかかるものだ。

数の夢を持ち続けたから孵化したとも言えるけれど、孵化するまで抱き続けたことこそが大事だったのだろう。

「道(タオ)」の状態にある鉄拳は、そうした奇跡やシンクロニシティ―を含みながら、実家の長野県大町市にて、今日もコツコツとパラパラ漫画を描いている。白馬、立山、穂高・・・北アルプスの美しい山々から、鉄拳は日々エネルギーを受け取っているんだろうなぁ。登山で何度も行きましたが、本当に素晴らしい土地なのです。鉄拳の素朴な優しさが、その土地に行くとなんだか分かる気がします。

 

〇鉄拳「家族のはなし」

〇鉄拳「母のサポーター」

〇鉄拳「きらり輝く」

〇鉄拳「お父さんは愛の人」

〇鉄拳「振り子」

鉄拳の「振り子」は、映画化もされている。

■原作 鉄拳

■監督・脚本 竹永典弘

■出演 中村獅童 小西真奈美

石田卓也/清水富美加/板尾創路/笛木優子/松井珠理奈(SKE48/AKB48)/ 鈴木亮平/中尾明慶/研ナオコ/小松政夫/ダイアモンド☆ユカイ/ 武井 壮/黒田アーサー/中野公美子/サヘル・ローズ/ニコラス・ペタス/ 齊藤ジョニー(Goose house)/長原成樹/藤田彩華

山本耕史(友情出演)/ 武田鉄矢(特別出演)

■主題歌 あさ実

 

鉄拳 公式チャンネル 以外より。)

〇鉄拳パラパラマンガ「名もない毎日」 RAM WIRE ミュージックビデオ

〇鉄拳 パラパラ漫画 『母の辛抱と、幸せと。』

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