

鳥の巣
自宅に鳥の巣箱を置いていたら、いつのまにか鳥が巣をつくっていた。 毎朝、鳥と目が合い、適切な距離感を保ちながら、コミュニケーションを図る。 鳥の巣は、ブリコラージュ(bricolage)の芸術作品だ。 親鳥は卵を必死に守っている。 だから、「私は敵ではないよ、味方だよ、あなたのことを大好きだよ」というメッセージを言語でも非言語でも毎日送り続ける。 こうしたことは、子どもや家族に接するときと同じ。 言葉だけではなく、視覚でも聴覚でも、すべての情報が一致して調和していることが大事で、それは相手の問題ではなく、あくまでも自分自身の問題なのだから。 心理学で、「メラビアンの法則」というものがある。 ことば、見た目、音、この3つの情報に「矛盾」があると、人は言葉が信用できないので、視覚情報(Visual:55%)、聴覚情報(Vocal:38%)、言語情報(Verbal:7%)くらいの割合で仕分けして、相手の本音を理解しようとする、ということ。 言葉・態度(視覚)・声(聴覚)がバラバラなとき、人は視覚と聴覚(非言語情報)を優先する。 だからこそ、当たり前す


「横尾忠則 はじめての90歳! 90のポスター展」@ほぼ日曜日(渋谷PARCO 8階)
6月27日(土)は横尾忠則さんの90歳のお誕生日だった。 渋谷PARCO8階にあるギャラリースペース「ほぼ日曜日」にて、「横尾忠則 はじめての90歳! 90のポスター展」が6月27日から7月20日まで開催されている。 さっそく、渋谷パルコの展示を見てきた。 横尾さんはポスターだけでも1000点以上つくられていて、その計り知れない創造力は宇宙的なものを感じるが、その1000点の中で厳選された90点。 自分が学生時代からなけなしのお金で少しずつ買いためていた同じポスターも数点飾られていたのが嬉しかった。 ここにも、美輪さんとの作品や、三島由紀夫、土方巽、など、あらゆる表現者との魂の感応がポスター化されている。 三島由紀夫による横尾忠則評の「ポップコーンの心霊術――横尾忠則論」では、 「日本的恥部とアメリカ的恥部との、厚顔無恥な結合」と表現し、 「人の一番心の奥底から奥底への陰湿な通路を通った、交霊術的交流(心霊術)」 であると語った。 三島氏は横尾芸術を「無礼な芸術」と呼びつつも、日常生活においては徹底して「礼儀礼節」を重んじていた。...


「生と死を往還 自由の旗を振った」(美輪明宏を悼む)横尾忠則評
7月1日の朝日新聞でも、横尾忠則さん評による「美輪明宏を悼む」テキストが。 簡潔にして本質を突いた美輪さん評。 美輪さんも横尾さんも、現実と非現実、合理と非合理、真実と虚偽、この世とあの世、美と醜・・・・あらゆる対立物を常に一つ上の次元から見つめている眼差しがある。 その天界まで通じる眼差しをもって、圧倒的な美意識と技術で「表現」として顕在化させることができる方。言語でも非言語でも同等のレベルで。 そうした生きざまには、常に畏怖や敬意を感じると共に、同時代に生きるものとして学ばさせてもらうことが多い。お二人とも心の師である。 ============== ・彼の純粋で素朴、無垢な生き方に僕は共鳴、共感、示唆され続けることになっていった。 ・次々と偶然を必然に変えていった。まるで生きながら死者の領域を自由自在に往還しているように見えた。 ・自らの霊的能力をメディアを通して社会化していった。 ・美輪さんはまるでこの世をあの世のシュミレーションのように考えているのか、それとも自分自身も死者であるかのように振るまい、一方現実では核を否定しながら美の伝導


「この世のすべての問題を解く鍵は 愛です」(美輪明宏)
敬愛する美輪明宏さんが逝去された。 美輪明宏公式サイトで公開された直筆メッセージ(遺言となる言葉)は、美輪さんらしい言葉だった。 ------------------- こんな世の中を 生き抜く武器は 愛の言葉しかありません この世のすべての問題を 解く鍵は 愛です 愛があれば 戦争なんか起こりません 美輪明宏 ------------------- 美輪さんは、「ヨイトマケの唄」を歌い、きれいごとだらけの現代社会を壊し、厳しい現実を見ながら誇りを持って生きる人間の真実を高らかに歌い上げた。 ●ヨイトマケの唄 「愛」を唄いあげながら、生々しいリアルな現実を生きる覚悟を語った人だった。 どんな環境でも美意識や品格を失うな、と。 現実から逃げず、生きていく覚悟としての深い愛を語り続けた方だった。 美輪さんの著作からは大きな影響を受けた。 横尾忠則さんと共に、生き方含めて尊敬する方だった。 ちなみに、横尾さんのアトリエには、若き日の美輪さんと横尾さんを篠山紀信さんが撮影した写真が今も飾ってある。(美輪明宏さんが横尾さんのメイク(紅筆で唇を塗る)を手ほど


石川竜一 個展「よ」@MIYASHITA PARK South 3F
渋谷の宮下パークの「SAI」(SOUTH:3F)にて、石川竜一写真展「よ」が開催されています。 石川竜一さんは、一本ネジが外れた?天才のような人で、この世界を見ているレンズが一般の人と少し違います。 ただ、だからこそ、対象そのものを見ている人とも言えるし、対象そのものを写真で映し出そうとしている写真家でもあり、私は「対象そのもの」を実際に映し出せている人でもあると思います。 石川竜一さんは沖縄の方ですが、ポートレートは沖縄の方々だけではなく、彼が出会ってピンと来た人たちが大勢撮られています。クオリア(質感)に焦点があてられた写真たち。 また、現地の展示会場が面白いんです。 まるでそれぞれの人の雑然とした自宅に迷い込んだような、それぞれのペルソナ(仮面)を外した実像を見よ、と言われているかのような不思議な展示空間に、彼の天性のセンスを感じました。奥では小さなピラミッドがあり、そこから石川さんが採取した自然音が醸し出されていますが、そのピラミッドは人間のすべての属性を外した魂のような存在なのでしょうか。 色々と思いを馳せながら、意外に広い展示空間を見


HIMARIさん+NHK交響楽団@NHKホール
HIMARIさん、というバイオリニストがいます。 2011年生まれ(14歳)。3歳からヴァイオリンを始め、4歳から出場した国内外42のコンクールですべて1位(グランプリ)を獲得。 自分は6年くらい前?にネットで演奏を見て、あまりの次元の違いに驚愕して、その後、ずっとHIMARIさんの成長を見守り続けています。 HIMARIさんが音楽の究極の次元に向かって、絶え間なく進歩前進している姿に、いつも感動をおすそ分けしてもらっています。 HIMARIさんは、2022年(11歳)で、アメリカ・フィラデルフィアにあるカーティス音楽院に史上最年少で入学して、今も研さんを続けています。2025年(13歳)にはベルリン・フィルとも共演。しかも、ヴィエニャフスキ:『ヴァイオリン協奏曲第1番 嬰ヘ短調 op.14』という難曲を。すさまじい演奏でした。 今年のGWには、NHK総合で『NHKスペシャル バイオリニストHIMARI 〜14歳、その響きの先に〜』も放映されて、大ファンの私たち家族はもちろん見たわけです。 TVでは、カーティス音楽院でのアイダ・カヴァフィアン(I


桑の実 桑椹 お蚕さま
桑の実(マルベリー)は、庭に勝手に生えているけれど、高い栄養価と上品な甘みがある。漢方や薬膳でも「桑椹(そうじん)」と呼ばれて、長寿や滋養の生薬として重宝されてきた。体に潤いと栄養を与える「補血」と、エネルギーを補う「補腎(ほじん)」の生薬。 アントシアニンは眼精疲労に効く、と言われているので、スマホやPCで疲れている現代人には必要かも。小さいのに鉄分とビタミンCが豊富なのも不思議だ。自然界で桑の葉にしか含まれない成分「DNJ(1-デオキシノジリマイシン)」は、小腸での糖質の吸収をブロックし、血糖値上昇を抑える効果もある。 手が届くものは手でとるけれど、高い場所にあるものは木をゆする。枝をゆらす。 ぼたぼたと名もなき虫と共に桑の実が落ちてくる。 クワガタとかをとるときと同じ。 洗ってそのまま食べても美味しい。 ドライフルーツにしてヨーグルトのトッピングで食べるのが一番簡単で美味しい。ジャムにも挑戦したい。 桑の実はこうして人間が食べれるけど、もともと、桑の葉はお蚕さまが食べるので、養蚕業が盛んだった長野では桑を育てていた。だから、こうして自然に生


軽井沢書店さん ありがとう
軽井沢書店さん。本店は軽井沢駅の近くに元々あったところで(デリシアの横)、中軽井沢店はKaruizawa Commongrounds内の素敵な場所にある。軽井沢の文化度を支えるありがたい存在。 本店に立ち寄ったら、『肯定からあなたの物語は始まる』(講談社)も含めて、著作をたくさん置いてくれていてうれしかった。本屋さん用のPOP(ポップ)も大切に置いてくれていて光栄。 ネット販売だけでなく、ぜひ本屋さんでもお買い求めください~。


コンドルズ『ALL YOU NEED IS LOVE』@彩の国さいたま芸術劇場
コンドルズ『ALL YOU NEED IS LOVE』@彩の国さいたま芸術劇場を見た。 結成30周年!のコンドルズは、やっぱりすごかった。抱腹絶倒、七転八倒だった。ダンスという概念を超えて、異世界と異次元を体感する時空の旅にいつも驚かされる。 良平さんの創作は、日々の中で出会う「面白いもの」「ひっかかるもの」を、でたらめにシャッフルしながら、一つのプロットで鮮やかにつなぎ合わせている白魔術のような気がする。 スケールのサイズの違いはあれども、大小さまざまな気になることには心の琴線に触れる「何か」があって、その「何か」をおむすびのように球体にニギニギして数珠のようにつなぎあわせてナミアミダー、と言っているかのように。色んな次元が錯綜している。 コンドルズがいつも学ラン(学生服)であることも、学生時代にくだらないことに笑い転げていた時代、「箸が転んでもおかしい時代にタイムスリップさせてくれる装置のようだ。 コンドルズのメンバーは本当に多彩で才能ある個性ある人々の集団で、その個性ある人たちが「面白いこと」をする一点、熊楠の言う「萃点(すいてん)」(万物


「いのちのリズム、魂のリズム」『CONTE MAGAZINE VOL.3 SUMMER 2026 』
2021年以来、5年ぶり!の発売となる「CONTE MAGAZINE」の3号目は、320ページの読み応えあり!!の1冊。 特集は「息づくリズム。」。 色々なリズム(暮らし、自然、音楽、土地、街、言葉、身体、祭り・・・)を中心に、素敵な写真と文章でしっかりと読み心地十分です。こんなにずっしりくる雑誌は久方ぶり。 沖縄から発行される本なので、特に「沖縄」という土地にも焦点をあてています。 辺戸名直子さん×Coccoさん、大友良英さん、赤阪友昭さんなども寄稿されていますが、 ●稲葉俊郎「いのちのリズム、魂のリズム」 私も渾身のテキストを書きました。 特定の書店さんやOnline販売がメインですので、ぜひお手に取ってお読みいただきたいです! 作り手のみなさんの、手作り感と熱い思いを感じてください! ●【Magazine】2026/6/9:『CONTE MAGAZINE VOL.3 SUMMER 2026 』:稲葉俊郎「いのちのリズム、魂のリズム」 ◆CONTE MAGAZINE Web https://contemagazine.com/ ◆online