

内藤愛「午時葵の子守唄 A Lullaby for Cistus」@ポーラギンザ
「束芋画 国宝」と同じポーラミュージアムアネックス1階では、美術作家・内藤愛さんによる作品展「午時葵の子守唄 A Lullaby for Cistus」が開催されています(6月2日〜8月3日)。 自然や生命でも、「静」の中には、ミクロ世界での「動」があり、静の中の動、動の中の静、静の中の動・・・ミクロにもマクロにも入れ子状になりながら生命は循環している。静と動は対立概念ではなくて相補概念。 生と死を含む自然界の循環や調和が、繭のような儚いSoft sculptureや、動く彫刻の中で、絶え間ない生命運動を感じさせる没入的な空間となっている。 銀座の喧騒の中、生命の息吹と、自己の身体感覚、自然とのつながりに静かに向き合える展示空間。 束芋さんの展示のあとに改めて見ると、ミクロの決死圏のように、生命体の中に入りこんだような気持になるから不思議だった。 内藤 愛 「午時葵の子守唄 A Lullaby for Cistus」 ポーラ ギンザ 2026年6月2日(火)~8月3日(月) https://www.pola.co.jp/about/news/2


「束芋画 国宝」@ポーラ ミュージアム アネックス
束芋さんの展覧会「束芋画 国宝」@ポーラ ミュージアム アネックス(東京・中央区銀座)。 束芋さんの緻密な絵。そして人間からあえて魂を抜いたような浄土のような世界観にしびれた。 話題になっている「国宝」は小説も映画もまだ見てないけれど、束芋さんの「国宝」は人形浄瑠璃のよう。 人間の魂とはなんぞや?と考えさせられる素晴らしい展示。 今は前期(7/17-8/9)で挿絵500点の半分。8/11-8/30から後期で残りが展示される。 展示形式も素敵だったし、何より束芋さんの肉筆のデッサンが和紙?巻物?の上に生々しく刻印されて、目と心を奪われた。 束芋さんは、「風呂」に関しても映像インスタレーション作品『にっぽんの湯屋(男湯)』もあり、コンテンポラリーダンス作品『FURO』(イスラエルのバットシェヴァ舞踊団)もあり、いつか風呂つながりで何か生まれるといいな。 「束芋画 国宝」 2026年7月17日(金)〜2026年8月30日(日) 入場料 無料 会場 ポーラ ミュージアム アネックス http://www.po-holdings.co.jp/m-annex


「ビート&アートたけし展」「蔦重FIRST SELECTION」@銀座 蔦屋書店
銀座 蔦屋書店にて、北野武(ビートたけし)さんの絵画展示「ビート&アートたけし展」が2026年7月20日(月)〜7月21日(火)の2日間だけ開催された。ちょうどその時に銀座にいたこともあり、事前応募した上で見てきた。 たけしさんの質感をともなった絵画は恐ろしく素敵なものばかりで驚いた。テーマも多彩で、漫才の風景、心象風景、龍、シュールなど、たけしさんの脳内を覗くような展示だった。 さらに驚いたのは、ほぼ原画そのもの?!と思えるような国宝や重要文化財のデジタル保存に使われる超高精細技術(最大180億画素)を現代アートに応用した展示だったこと。株式会社サビアの技術は驚くべきもの。原画は大切に保存し、展示や巡回展はサビアの画像技術を作った展示用作品をつくることで、世界中で同時に展覧会もできるようになるだろう。 これはまさに浮世絵の考え方と同じ。浮世絵の原画は厳重補完し、摺師の技術で正式な複製品が世にでていく。そのために、CCCさんは『株式会社蔦屋重三郎商店』という会社まで作っているし、この技術は世界を驚かせるだろう。油絵のタッチまでも再現されていて驚愕


「この世のすべての問題を解く鍵は 愛です」(美輪明宏)
敬愛する美輪明宏さんが逝去された。 美輪明宏公式サイトで公開された直筆メッセージ(遺言となる言葉)は、美輪さんらしい言葉だった。 ------------------- こんな世の中を 生き抜く武器は 愛の言葉しかありません この世のすべての問題を 解く鍵は 愛です 愛があれば 戦争なんか起こりません 美輪明宏 ------------------- 美輪さんは、「ヨイトマケの唄」を歌い、きれいごとだらけの現代社会を壊し、厳しい現実を見ながら誇りを持って生きる人間の真実を高らかに歌い上げた。 ●ヨイトマケの唄 「愛」を唄いあげながら、生々しいリアルな現実を生きる覚悟を語った人だった。 どんな環境でも美意識や品格を失うな、と。 現実から逃げず、生きていく覚悟としての深い愛を語り続けた方だった。 美輪さんの著作からは大きな影響を受けた。 横尾忠則さんと共に、生き方含めて尊敬する方だった。 ちなみに、横尾さんのアトリエには、若き日の美輪さんと横尾さんを篠山紀信さんが撮影した写真が今も飾ってある。(美輪明宏さんが横尾さんのメイク(紅筆で唇を塗る)を手ほど


石川竜一 個展「よ」@MIYASHITA PARK South 3F
渋谷の宮下パークの「SAI」(SOUTH:3F)にて、石川竜一写真展「よ」が開催されています。 石川竜一さんは、一本ネジが外れた?天才のような人で、この世界を見ているレンズが一般の人と少し違います。 ただ、だからこそ、対象そのものを見ている人とも言えるし、対象そのものを写真で映し出そうとしている写真家でもあり、私は「対象そのもの」を実際に映し出せている人でもあると思います。 石川竜一さんは沖縄の方ですが、ポートレートは沖縄の方々だけではなく、彼が出会ってピンと来た人たちが大勢撮られています。クオリア(質感)に焦点があてられた写真たち。 また、現地の展示会場が面白いんです。 まるでそれぞれの人の雑然とした自宅に迷い込んだような、それぞれのペルソナ(仮面)を外した実像を見よ、と言われているかのような不思議な展示空間に、彼の天性のセンスを感じました。奥では小さなピラミッドがあり、そこから石川さんが採取した自然音が醸し出されていますが、そのピラミッドは人間のすべての属性を外した魂のような存在なのでしょうか。 色々と思いを馳せながら、意外に広い展示空間を見


HIMARIさん+NHK交響楽団@NHKホール
HIMARIさん、というバイオリニストがいます。 2011年生まれ(14歳)。3歳からヴァイオリンを始め、4歳から出場した国内外42のコンクールですべて1位(グランプリ)を獲得。 自分は6年くらい前?にネットで演奏を見て、あまりの次元の違いに驚愕して、その後、ずっとHIMARIさんの成長を見守り続けています。 HIMARIさんが音楽の究極の次元に向かって、絶え間なく進歩前進している姿に、いつも感動をおすそ分けしてもらっています。 HIMARIさんは、2022年(11歳)で、アメリカ・フィラデルフィアにあるカーティス音楽院に史上最年少で入学して、今も研さんを続けています。2025年(13歳)にはベルリン・フィルとも共演。しかも、ヴィエニャフスキ:『ヴァイオリン協奏曲第1番 嬰ヘ短調 op.14』という難曲を。すさまじい演奏でした。 今年のGWには、NHK総合で『NHKスペシャル バイオリニストHIMARI 〜14歳、その響きの先に〜』も放映されて、大ファンの私たち家族はもちろん見たわけです。 TVでは、カーティス音楽院でのアイダ・カヴァフィアン(I


橋杭岩 空海と天邪鬼 未完成の美
本州の最南端は、和歌山県串本町にある「潮岬(しおのみさき)」。 東京の八丈島と緯度が近い。 東京(竹芝)から八丈島へのフェリーは、南下して片道11時間くらいかかる。その同じ緯度に陸路で行けると考えると不思議。 本州最南端の碑から、「橋杭岩」までは車で約10分ほど。 和歌山県串本町にある国の天然記念物「橋杭岩」には、弘法大師(空海)と天の邪鬼が「一夜で海に橋を架けられるか」を賭けたという伝説が残っている。 熊野を旅していた弘法大師空海は、紀伊大島へ渡る手段がなく困っている住民のため、海に橋を架けようと思い立った。 「天の邪鬼」と賭けをすることになり、協力して巨岩を海に並べ始めた。 手際の良い空海が橋の杭(岩)を並べ終えそうになり、負けを恐れた天の邪鬼は「コケコッコー」と鶏の鳴き真似をして朝が来たと見せかけた。 すると、空海は本当に朝が来たと思い込んで作業を諦め、その場を去ってしまったため、現在のように橋の「杭」に似た岩柱だけが海に一列に残された。 という、すごく面白い話。 河合隼雄先生だったら、ユング心理学や深層心理学の視点から読み解いてくれそうだ


アンドリュー・ワイエス展@東京都美術館
アンドリュー・ワイエス展@東京都美術館を見に行く。 アンドリュー・ワイエスは、20世紀アメリカの画家。 抽象画が流行った時代に、独自の「具象(写実)絵画」を貫いた人。 ワイエスは、アメリカ北東部のニューイングランド(メイン州など)を舞台に選んだ。 ニューイングランド地方は、南部と北部でガラリと雰囲気が変わる。 ボストンを中心とする南部は、ハーバード大学などの有名な大学が集まる学問の街で、ITやバイオテクノロジーなどの最先端の仕事が多く、富裕層が集まっています。 北部(メイン州、バーモント州など)は、一気に人口が少なく田舎になる。昔ながらの自然が豊かな一方で、大きな産業が育たず、最先端の経済から切り離されたような印象を与える場所とのことだ。 北部ニューイングランド(メイン州)にある古い家屋や乾いた草原は、近代化の時代に取り残されたものに見えるが、彼は風化していく古い建物に潜む生命力を細部まで緻密に描き出した。そこには、時を経たものへの深い愛が込められている。 微細な変化と光をもとめて彼はテンペラや水彩を使い、草の一本、窓枠の傷まで細かく表現している


NHK日曜美術館50年展@東京藝術大学大学美術館
NHK日曜美術館50年展@東京藝術大学大学美術館。 最近はTVを見る時間もめっきり減ったけど、学生のころからずっと見ている日曜美術館。自分にとって鎮静や瞑想の薬のような番組。社会情勢がどうあろうとも、静かに語りかけてくる美術品や工芸品を見ているだけで心が落ち着く。 もちろん、西洋美術のピカソやベーコンのように、落ち着くよりも心がざわめくものもある。それは東洋と西洋の薬の在り方の違いなのかもしれない。鎮静薬なのか劇薬なのか。 けれど、そのざわめきも、非言語で伝わってくるものだからこそ、結局は自分の中でざわめきや感情を言葉にしたり、形を与えたりしないといけない。あくまでも自分の問いとして突き付けてくるもの。 ピカソも、ゲルニカ映像の展示の中で、 「絵は見る人によって初めて生命を与えられる。 牛は牛 馬は馬だ。 鑑賞者は結局 見たいように見ればいいのだ」 と語る。 見る側の心の状況、心の深度によって見えてくるものが変わる。 ピカソのふかさまで自分が達していれば自分も同じ風景が見えるし、自分の心の場所に応じて、何を感じ、何を受け取るかが決まるのだろう。.


ひたすらに泡の不思議と遊ぶ 「おくすりてちょうを作ろう」WS
MMoP Garden Green Days 2026での「おくすりてちょうを作ろう」WS(講師:KONST 稲葉俊郎、須長檀)。 まだまだ軽井沢・御代田は朝や夕は冷える日々ですが、この日は晴天。野外で過ごしやすい一日でした。 家族連れもおおく訪れ、ほぼ子どもたちの保育所と化して大盛況でした。 都内から遊びに来ている人も多く、お洒落な外出着。水彩やアクリル絵の具がはじけて飛んで、洋服に色がつくのもよき思い出となるでしょうか。私も色がついた洋服ありますが、それぞれ思い出が刻まれてます。 シャボン玉に色をつけて偶然のパターンをつくる技法?遊び?。 どんどん加速していくと、どんな風に泡を重ねていけるのか、という別の遊びに発展させていく子供たちが多数。子どもはあそびの天才。大人が管理したり、邪魔したり、誘導したりしない限り、子どもたちはどんどん遊びを発明して、今この瞬間に生きている。汚れて気にするのは大人だけ。手の触感が気持ちいい。楽しい。気持ちよさと楽しさをご機嫌に追求しつづける。大人側も学ぶことはたくさんある。童心にもどれば、たいていのことはOKと思