

湯河原「湯+河原」 熱海「熱い+海」
湯河原。 東京からすぐ近くに行ける名温泉。 湯河原(神奈川)と熱海(静岡)は、川を挟んですぐお隣。 湯河原は「湯+河原」だし、熱海は「熱い+海」だ。 いづれも、古代の人たちが、「湯の河原!」「熱の海!」という驚きがそのまま地名になっている気がするし、その驚きや感動は温泉に入るたびに古代人と心がつながる気がする。 神奈川県の企業の方で仕事でお疲れのみなさんのために、湯治プログラムを考えている。その舞台を湯河原にさせていただいた。 2泊3日。 会社の業務として温泉に入る湯治プログラム。休みには色々と別の用事が入るので、休みの日に温泉に行くのではなくて、仕事の一環が温泉で休養すること。 湯を愛でて、 川のほとりを散歩する。 心身ともに更新されて新しい気持ちで仕事に取り組めば、本人にも会社にもいいことだし、温泉地の方も喜んでくれる。 自然の力は偉大だ。 普段はしまわれている人間のいのちの力、自然治癒力というものが活性化される。 湯河原の万葉公園には滝もあり、ミニチュア地球のようにすべてが詰まっている。素晴らしい散歩コース。とにかく、現代の道は車優先で、人


アンドリュー・ワイエス展@東京都美術館
アンドリュー・ワイエス展@東京都美術館を見に行く。 アンドリュー・ワイエスは、20世紀アメリカの画家。 抽象画が流行った時代に、独自の「具象(写実)絵画」を貫いた人。 ワイエスは、アメリカ北東部のニューイングランド(メイン州など)を舞台に選んだ。 ニューイングランド地方は、南部と北部でガラリと雰囲気が変わる。 ボストンを中心とする南部は、ハーバード大学などの有名な大学が集まる学問の街で、ITやバイオテクノロジーなどの最先端の仕事が多く、富裕層が集まっています。 北部(メイン州、バーモント州など)は、一気に人口が少なく田舎になる。昔ながらの自然が豊かな一方で、大きな産業が育たず、最先端の経済から切り離されたような印象を与える場所とのことだ。 北部ニューイングランド(メイン州)にある古い家屋や乾いた草原は、近代化の時代に取り残されたものに見えるが、彼は風化していく古い建物に潜む生命力を細部まで緻密に描き出した。そこには、時を経たものへの深い愛が込められている。 微細な変化と光をもとめて彼はテンペラや水彩を使い、草の一本、窓枠の傷まで細かく表現している


NHK日曜美術館50年展@東京藝術大学大学美術館
NHK日曜美術館50年展@東京藝術大学大学美術館。 最近はTVを見る時間もめっきり減ったけど、学生のころからずっと見ている日曜美術館。自分にとって鎮静や瞑想の薬のような番組。社会情勢がどうあろうとも、静かに語りかけてくる美術品や工芸品を見ているだけで心が落ち着く。 もちろん、西洋美術のピカソやベーコンのように、落ち着くよりも心がざわめくものもある。それは東洋と西洋の薬の在り方の違いなのかもしれない。鎮静薬なのか劇薬なのか。 けれど、そのざわめきも、非言語で伝わってくるものだからこそ、結局は自分の中でざわめきや感情を言葉にしたり、形を与えたりしないといけない。あくまでも自分の問いとして突き付けてくるもの。 ピカソも、ゲルニカ映像の展示の中で、 「絵は見る人によって初めて生命を与えられる。 牛は牛 馬は馬だ。 鑑賞者は結局 見たいように見ればいいのだ」 と語る。 見る側の心の状況、心の深度によって見えてくるものが変わる。 ピカソのふかさまで自分が達していれば自分も同じ風景が見えるし、自分の心の場所に応じて、何を感じ、何を受け取るかが決まるのだろう。.


M for M Medicine(医療)とMusic(音楽)
5月21日のNHK「あさイチ」では、白血病により21歳で亡くなったチェリスト・山本栞路(やまもと かんち)さんの特集が組まれていた。 最新技術を使って彼の生前のチェロの演奏が再現されるまでのあらゆる人の愛が関わった軌跡は素晴らしいものだった。 5月17日、東大五月祭での講演のとき、鉄門ピアノの会の医学部の学生さんと対話をした。その中で「人間には誰でも一人になる時間が必要だ、そのことと音楽や芸術は関係があるのではないか」という話が出た。 私はそのときに、ふと山本栞路(かんち)さんとご両親の活動のことが頭に浮かんだ。 チェリストでもあった若き栞路さんは、病院での入院中に音楽を奏でることができなかった。音楽と生きることとが一つであった音楽家にとって、それは命の一翼をもぎとられるようなつらい日々だったことだろう。 「病室でも音を奏で、音楽を楽しめる場所が欲しい」という願いから「M for M」が設立された。「M for M」では山本栞路さんの遺志を継ぎ、長期入院患者のために病院へ防音室を寄付する活動を行っている。2つのMは、Medicine(医療)とMu


99回目を迎えた東大五月祭
東大五月祭。今年は99回! 現役の医学部生からご依頼いただいた講演があり、ひさしぶりに東大本郷キャンパスへ、東大医学部を訪れた。 初日は混乱があったからか、2日目の盛り上がりはすごく、正門に入るまでに、本郷3丁目交差点付近のスタバまで大行列になっていた(入場者の荷物検査をしていたため)。 なんとか中に入ると、万博依頼の人の渦と熱気。 学生たちが色々な出店をだしていて楽しそう。 医学部に入ると、医学部美術部である踏朱会の学生さんもわざわざ会いに来てくれて嬉しかった。 というのも、廃部になっていた医学部美術部を、自分が大学4年生の時に再興したからだ。もう20年近く前のこと。 今でも美術部が続いていて、素晴らしい油絵や水彩画の作品を出展していて感動だった。自分は学生時代、登山ばかりしていて医学部に貢献できていなかったけれど、美術部がこうして残り続けていることを考えると、人間のちょっとした善意や情熱や愛は、こうして時空を超えて当時見知らなかった人たちをつなげる。やはり、諦めずに未来への種をまいていくことは大事なことだと思った。種は20年くらいかけてゆっく


猿田彦神社 佐瑠女神社
おかげ横丁などをブラブラしながら、内宮ちかくの猿田彦(サルタヒコ)神社へ。 猿田彦神社は、今は亡き鎌田東二先生と聖地巡礼の旅を同行した時に、何度か連れてきてくれて熱く語られた思い出ふかい場所。 猿田彦は、日本神話における「みちひらき(道開き)の神」として、物事を正しい方向へ導く象徴。 鎌田先生は、猿田彦が「日本的霊性の深層を解き明かす鍵」として極めて重視していた。 「猿田彦大神フォーラム」の世話人代表を長年務めていて、『謎のサルタヒコ』でも独自の神格を多角的に論じていた。 ニニギノミコトが天孫降臨したときに天の八衢(やちまた)で出迎え、高千穂までの一行を案内した「みちひらき」が有名なエピソード。 そうした役割だけではなく、猿田彦を天孫族(天津神)と在来勢力(国つ神)の和解を成し遂げた平和的なシンボルとも語られていた。 そして、猿田彦は交差点(クロスロード)に立つ神さまでもあるため、生と死、日常と非日常、天津神と国つ神といった異世界を守りながら繋ぐ。猿田彦のマルチなネットワーク力・霊性は、鎌田先生にそっくりだった。 他にも、猿田彦は歴史の中で、道祖


伊勢神宮 内宮
伊勢神宮の内宮。 ここはいつ来ても気持ちがいい。 五十鈴川を行ったり来たりして渡るのがいい。 「橋(はし)」は空間や境界の「端(はし)」と「端(はし)」を結ぶ。 こちらの世界(現世)とあちらの世界(異界・神域)の境界をつなぐ場所でもある。 梯(はしご)は垂直方向をつなぐ。 柱(はしら)も天と地をつなぐ。 箸(はし)も、食物と口の間を橋渡しして、食べ物と自分をつなぐ。いのちといのちをつなぐ。


伊勢神宮 外宮
伊勢神宮の外宮。 ここは内宮に比べると、やや暗い。 ただ、暗いからこそ光を感じる空間でもある。 暗いからこそ聴覚が優位となり、森全体の音が異常に聞こえてきて驚いた。 先日見てきたアンドリュー・ワイエスの絵(東京都美術館)を思い出した。こちらの感想もまたいづれ。


お木曳(きひき)行事 式年遷宮@伊勢
「お木曳行事」で、伊勢にやってきた。 伊勢神宮の20年に1度の「式年遷宮」に向け、伊勢神宮の神域へヒノキを奉納するのが「お木曳行事」。 次回の式年遷宮は2033年(第63回神宮式年遷宮)。いまから7年後の未来に向けて、木を運ぶこと自体が神事となる。そのプロセスの一端に参加させてもらえる光栄(事前公募制です)。 私が参加する陸曳(おかびき)では、外宮へ木を納めるため奉曳車に巨木を載せ、「エンヤ、エンヤ」の掛け声で街中を練り歩く。 そのため、伊勢市駅前の日の出旅館に泊まっている。 創業約100年で木造3階建て。とてもレトロで渋くて素敵。 トイレやお風呂が廊下に出ないといけないので、現代風ではない。ただ、昔の湯治場でも見られるこの風情は時の重みでしか作られないもの。なんとかこの風情を残し続けてほしいです。 伊勢での「お木曳(おきひき)行事」は、20年に一度しか行われない伊勢神宮の「式年遷宮」のために木を運ぶ。 「式年遷宮」は内宮だけではなく外宮も。しかも建物だけではなくて、土も含めて空間全部をあたらしく入れ替えるらしい。 もし次に参加できるとしたら、も


【100.80.60.展】@ Ginza Sony Park
Ginza Sony Parkでの【100.80.60.展】。銀座100年、ソニー80年、ソニービル60年。の展示。 銀座一等地での贅沢な空間つかの展示。 2019年5月(令和に切り替わったとき)に、このGinza Sony Parkで高木正勝さん、大友良英さん、野村友里さんとイベント(eatrip voice & live)をやったのもよき思ひ出。 ■2019/5/1(Wed):eatrip voice & live「高木正勝 × 稲葉俊郎」:高木正勝(音楽家)/ 稲葉俊郎(医師・医学博士)/ 野村友里(聞き手)@PARK B2/地下2階(Ginza Sony Park) ■2019/5/8(Wed):eatrip voice「稲葉俊郎 × 大友良英」:稲葉俊郎(医師・医学博士)× 大友良英(音楽家)@PARK B2/地下2階(Ginza Sony Park)(→チラシPDF) 【100.80.60.展】、詩もよかったんですが、いちばんの感動は、往来のSONY商品の実物。 カセットデッキとかウォークマンとか、デザインもサイズ感も姿・形がすべて素