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『たいようのおなら』のら書店

クレヨンハウスで面白い詩集を買った。

『たいようのおなら』のら書店 (1995年再販:サンリード (1980年))

6歳前後のこどもたちの詩集。 灰谷健次郎さん編集、長新太さんが品の良い!イラストを添えている。

ことばを覚えたてての頃のまなざし。 最小限のことばで、この世界のおどろきや謎、そして発見・・・、なんとかことばにして伝えようとしていて、ほんとうにすばらしい。こどものときの感性、自分を支えている土台を思い出す。

ひとは、誰もが詩人なのだ。 常識とされるものを覚えたことで世渡りは上手になっても心は不自由となり、おとなが言葉を覚えれば覚えるほど、見える世界も常識に縛られて不自由になる、というのは皮肉な話だ。

大人の言葉は人を縛ることもあるが、こどものことばのように心をふっと解き放つ力もあり、ことばは本当に魔術だなぁと思う。

----------------------- たいようのおなら(7歳女性)

たいようがおならをしたので ちきゅうがふっとびました つきもふっとんだ 星もふっとんだ なにもかもふっとんだ でも うちゅうじんはいきていたので おそうしきをはじめた

----------------------- かげ(7歳男性)

ゆうがた おかあさんといちばへいった かげがふたつできた ぼくは おかあさんのかげだけ ふまないであるいた だって おかあさんがだいじだから かげまでふまないんだ

----------------------- ゆでたまご(6歳男性)

かわをむいた はじめに くも つぎは おひさまが でてきた

----------------------- てんのひるね(6歳男性)

てんのかみさまが そらで 水をだしたまんま ひるねをしている だから二日かんも あめがふりつづいている

----------------------- おとうさん(6歳女性)

おとうさんのかえりが おそかったので おかあさんはおこって いえじゅうのかぎを ぜんぶ しめてしまいました それやのに あさになったら おとうさんはねていました -----------------------

p.s.

矢野顕子さんの『ただいま。』(5th,1981年)というアルバムの中にも、「たいようのおなら」という、この絵本の詞にInspirationを受けて作られた曲があります。

●矢野顕子 - たいようのおなら

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