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間(あいだ)・境界(ボーダー)

台風の中、大友良英さんとのトーク@銀座シックス、ツタヤ書店(『見えないものに、耳をすます』&『ぼくはこんな音楽を聴いて育った』W刊行記念トーク稲葉俊郎×大友良英 セッションだッ! )に来ていただいて本当にうれしかったです。

いざ外に出てみると、台風とは言っても風はあまりなく、単に雨が降っているだけ、という感じで、拍子抜けするほどでした。(まだ上陸前だったのでギリギリセーフだった。)

トークで話したことは、3.11での震災の話、システムと個人の話、祈りや鎮魂、音楽と教育、西洋と東洋、伝統と革新、型と型破り、混沌と秩序、こどもの世界、即興、、、、、 あらゆる領域にわたったので、自分もあまり覚えていません。 大友さんとの対話は、いつも音楽的で即興的なのです。

最後には二人で即興演奏をし、自分はパーカッショニスト?として登場させてもらい、大友さんという世界的なミュージシャンと肩を並べて演奏させてもらい光栄でした。 何かこうした場が、未来へのひな型として連鎖していけばいいなと思います。

2017年3月11日のスイッチインタビュー達人達で大友さんと共演したこと(→●March 12, 2017「原点」)もそうですし、10月15日のアンサンブルズ東京@東京タワーでのUAさんとのLive(→●October 16, 2017「東京タワーへの鎮魂として」)もそうですが、違うジャンルにいるからこそ、文脈を無視して根本に立ち返り、面白く本質的なことができたりもします。

医療業界の人が医療のことを語ると叩かれたりすることでも、ミュージシャンが言うとみんなが素直に耳を傾けたりすることもあります。

不思議なものですが、心にはドアや通路があり、誰が言うか、どこで言うか、、、状況に応じて適切な道筋をとりさえすれば、大切なことはちゃんと届くはずなのです。

線引きやジャンル分けというのは、内と外ができることで、いい面と悪い面も同時に生まれます。 そうした線引きされた違うジャンルの「間(あいだ)」や「境界(ボーダー)」に立つ人間は、その間での葛藤に引き裂かれる思いをすることもありますが、別の見方をすれば、異なる領域をつなぎあわせ、結び合わせる役割もあると思っています。 分断させるのか、つなぎあわせるのか。

今後も、自分は未来の医療にかかわる人間として、医療とあらゆる領域の接点を巡り続けます。

接点では摩擦がありますが、だからこそ、色々な化学反応が起きます。

それこそが未来への創発につながると思います。

「おもしろき こともなき世を おもしろく」を心にとどめながら、未知なる世界、未知なる自分自身に出会うことをやり続けていきたい。

 

どんな人でも、誰にでも赤ちゃんの時があります。 この世に生まれてくる時、だれもが裸一貫で、何も持たず、命がけでこの世界に生まれてきました。その原初の勇気さえ思い出せば、なんだって乗り越えれるはずだと思うのです。

台風の中、来ていただいた方、本当に感謝です。 有難うございます!!! (写真は、自分が最も尊敬するお方でもある矢田部英正先生のFbよりお借りしました。ありがとうございます!)

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