

「この世のすべての問題を解く鍵は 愛です」(美輪明宏)
敬愛する美輪明宏さんが逝去された。 美輪明宏公式サイトで公開された直筆メッセージ(遺言となる言葉)は、美輪さんらしい言葉だった。 ------------------- こんな世の中を 生き抜く武器は 愛の言葉しかありません この世のすべての問題を 解く鍵は 愛です 愛があれば 戦争なんか起こりません 美輪明宏 ------------------- 美輪さんは、「ヨイトマケの唄」を歌い、きれいごとだらけの現代社会を壊し、厳しい現実を見ながら誇りを持って生きる人間の真実を高らかに歌い上げた。 ●ヨイトマケの唄 「愛」を唄いあげながら、生々しいリアルな現実を生きる覚悟を語った人だった。 どんな環境でも美意識や品格を失うな、と。 現実から逃げず、生きていく覚悟としての深い愛を語り続けた方だった。 美輪さんの著作からは大きな影響を受けた。 横尾忠則さんと共に、生き方含めて尊敬する方だった。 ちなみに、横尾さんのアトリエには、若き日の美輪さんと横尾さんを篠山紀信さんが撮影した写真が今も飾ってある。(美輪明宏さんが横尾さんのメイク(紅筆で唇を塗る)を手ほど


石川竜一 個展「よ」@MIYASHITA PARK South 3F
渋谷の宮下パークの「SAI」(SOUTH:3F)にて、石川竜一写真展「よ」が開催されています。 石川竜一さんは、一本ネジが外れた?天才のような人で、この世界を見ているレンズが一般の人と少し違います。 ただ、だからこそ、対象そのものを見ている人とも言えるし、対象そのものを写真で映し出そうとしている写真家でもあり、私は「対象そのもの」を実際に映し出せている人でもあると思います。 石川竜一さんは沖縄の方ですが、ポートレートは沖縄の方々だけではなく、彼が出会ってピンと来た人たちが大勢撮られています。クオリア(質感)に焦点があてられた写真たち。 また、現地の展示会場が面白いんです。 まるでそれぞれの人の雑然とした自宅に迷い込んだような、それぞれのペルソナ(仮面)を外した実像を見よ、と言われているかのような不思議な展示空間に、彼の天性のセンスを感じました。奥では小さなピラミッドがあり、そこから石川さんが採取した自然音が醸し出されていますが、そのピラミッドは人間のすべての属性を外した魂のような存在なのでしょうか。 色々と思いを馳せながら、意外に広い展示空間を見


HIMARIさん+NHK交響楽団@NHKホール
HIMARIさん、というバイオリニストがいます。 2011年生まれ(14歳)。3歳からヴァイオリンを始め、4歳から出場した国内外42のコンクールですべて1位(グランプリ)を獲得。 自分は6年くらい前?にネットで演奏を見て、あまりの次元の違いに驚愕して、その後、ずっとHIMARIさんの成長を見守り続けています。 HIMARIさんが音楽の究極の次元に向かって、絶え間なく進歩前進している姿に、いつも感動をおすそ分けしてもらっています。 HIMARIさんは、2022年(11歳)で、アメリカ・フィラデルフィアにあるカーティス音楽院に史上最年少で入学して、今も研さんを続けています。2025年(13歳)にはベルリン・フィルとも共演。しかも、ヴィエニャフスキ:『ヴァイオリン協奏曲第1番 嬰ヘ短調 op.14』という難曲を。すさまじい演奏でした。 今年のGWには、NHK総合で『NHKスペシャル バイオリニストHIMARI 〜14歳、その響きの先に〜』も放映されて、大ファンの私たち家族はもちろん見たわけです。 TVでは、カーティス音楽院でのアイダ・カヴァフィアン(I


軽井沢書店さん ありがとう
軽井沢書店さん。本店は軽井沢駅の近くに元々あったところで(デリシアの横)、中軽井沢店はKaruizawa Commongrounds内の素敵な場所にある。軽井沢の文化度を支えるありがたい存在。 本店に立ち寄ったら、『肯定からあなたの物語は始まる』(講談社)も含めて、著作をたくさん置いてくれていてうれしかった。本屋さん用のPOP(ポップ)も大切に置いてくれていて光栄。 ネット販売だけでなく、ぜひ本屋さんでもお買い求めください~。


コンドルズ『ALL YOU NEED IS LOVE』@彩の国さいたま芸術劇場
コンドルズ『ALL YOU NEED IS LOVE』@彩の国さいたま芸術劇場を見た。 結成30周年!のコンドルズは、やっぱりすごかった。抱腹絶倒、七転八倒だった。ダンスという概念を超えて、異世界と異次元を体感する時空の旅にいつも驚かされる。 良平さんの創作は、日々の中で出会う「面白いもの」「ひっかかるもの」を、でたらめにシャッフルしながら、一つのプロットで鮮やかにつなぎ合わせている白魔術のような気がする。 スケールのサイズの違いはあれども、大小さまざまな気になることには心の琴線に触れる「何か」があって、その「何か」をおむすびのように球体にニギニギして数珠のようにつなぎあわせてナミアミダー、と言っているかのように。色んな次元が錯綜している。 コンドルズがいつも学ラン(学生服)であることも、学生時代にくだらないことに笑い転げていた時代、「箸が転んでもおかしい時代にタイムスリップさせてくれる装置のようだ。 コンドルズのメンバーは本当に多彩で才能ある個性ある人々の集団で、その個性ある人たちが「面白いこと」をする一点、熊楠の言う「萃点(すいてん)」(万物


「いのちのリズム、魂のリズム」『CONTE MAGAZINE VOL.3 SUMMER 2026 』
2021年以来、5年ぶり!の発売となる「CONTE MAGAZINE」の3号目は、320ページの読み応えあり!!の1冊。 特集は「息づくリズム。」。 色々なリズム(暮らし、自然、音楽、土地、街、言葉、身体、祭り・・・)を中心に、素敵な写真と文章でしっかりと読み心地十分です。こんなにずっしりくる雑誌は久方ぶり。 沖縄から発行される本なので、特に「沖縄」という土地にも焦点をあてています。 辺戸名直子さん×Coccoさん、大友良英さん、赤阪友昭さんなども寄稿されていますが、 ●稲葉俊郎「いのちのリズム、魂のリズム」 私も渾身のテキストを書きました。 特定の書店さんやOnline販売がメインですので、ぜひお手に取ってお読みいただきたいです! 作り手のみなさんの、手作り感と熱い思いを感じてください! ●【Magazine】2026/6/9:『CONTE MAGAZINE VOL.3 SUMMER 2026 』:稲葉俊郎「いのちのリズム、魂のリズム」 ◆CONTE MAGAZINE Web https://contemagazine.com/ ◆online


南方熊楠記念館 子産石・燕石考 可思議・不可思議
白浜の南方熊楠記念館にも立ち寄る。 岬がある番所山(ばんしょやま)公園の山の上に位置していて、植物力旺盛の森のような中にある記念館は、熊楠らしかった。 熊楠の緻密な文章とメモ書きは狂気を感じさせる力が溢れ、呪術とも言える不思議なパワーを放っていた。 「子産石(こうみいし)」や「燕石(えんせき)」の実物があったことにも感動。 熊楠は、石が子供を産む・石が成長するという世界各地の「生石伝説(いきいしでんせつ)」に強い関心を持っていた。 熊楠は科学雑誌『Nature』へ「真珠が子を産むこと」に関する論文を投稿するも掲載はならなかった(ただ、彼はNatureに51篇もの膨大な論文を掲載している)。 その後、熊楠は生涯をかけた大論文『燕石考(英文原題:The Origin of the Swallow-Stone Myth)』に取り組む。その中にも世界中の「石が石を産む」伝承や、石の内部に別の石が含まれている現象を博物学・民俗学の両面から網羅的に考察している。 (ちなみに、『燕石考』は和歌山・那智隠棲時代に完成させた大論文だが、当時は未刊に終わっている。)


札幌南一条病院の広報誌 『肯定からあなたの物語は始まる』
札幌南一条病院の広報誌(電車通り通信)にて、呼吸器内科医長の眞木 賀奈子(まき かなこ)先生が、『肯定からあなたの物語は始まる』(講談社)(2025年)をご紹介いただいています。とてもうれしいです。ありがとうございます。 眞木先生は、西洋医学に加え、日本東洋医学会漢方専門医でもあり現場で漢方診療も積極的に取り入れている素敵な先生です。 子どもが突然はしりだす感覚のことに関する文章を引用してくださっています。 ぜひ単著も含め、お読みいただければ。 ●稲葉俊郎『肯定からあなたの物語は始まる』(講談社)(2025年11月17日) ============== (以下、『肯定からあなたの物語は始まる』から引用) 子どもと歩いていると、突然走り出すことがある。 頭で考えているわけではない。先の場所に何かがあるから走っているわけでもない。何かから逃げようとして走っているわけでもない。 ただ、走りたいから走る。 体が勝手に走ろうとしているのだ。 頭で合理化する必要もない。子どもの体は、そうした目的のない行為に満ちている。 子どもが突然走り出す光景を見ていて、目


「永福寺」@鉄輪温泉 一遍上人の転生
大分県別府市の鉄輪(かんなわ)温泉にある「永福寺」の和尚さんは、一度歌い出すとなかなか止まらない、歌い踊る和尚さん。鉄輪温泉の歴史や魅力を伝えるオリジナルの替え歌などを披露してくれます。 鉄輪温泉を開いた鎌倉時代の僧侶・一遍上人が建てた、歴史あるお寺。 一遍上人は、「南無阿弥陀仏」と言いながら、太鼓や鉢(はち)を叩いて踊りながら念仏を唱える。仏様を信じる喜びが、勝手に体から溢れて踊り出すという教えで、誰もが輪になって一緒に踊ることが盆踊りの基になったとも言われている。 わたしたちも、和尚さんと一緒に輪になっておどった。 一遍上人の遊行は、ふるさとの伊予(愛媛県)を出発し、南は九州から北は東北まで、15年近くかけて日本全国をぐるりと巡った。 大阪の四天王寺で初めて念仏の札を配り、和歌山の熊野権現で啓示を受けた。大分県の鉄輪温泉を訪れて温泉を開き、長野県の善光寺などを訪れ、佐久で初めて踊念仏を行ったともいわれているので、なんだか縁がある。京都に戻って踊念仏の大ブームを起こした後、最後は神戸の観音堂にて、51歳で亡くなった。 「永福寺」の和尚さんも、一


アンドリュー・ワイエス展@東京都美術館
アンドリュー・ワイエス展@東京都美術館を見に行く。 アンドリュー・ワイエスは、20世紀アメリカの画家。 抽象画が流行った時代に、独自の「具象(写実)絵画」を貫いた人。 ワイエスは、アメリカ北東部のニューイングランド(メイン州など)を舞台に選んだ。 ニューイングランド地方は、南部と北部でガラリと雰囲気が変わる。 ボストンを中心とする南部は、ハーバード大学などの有名な大学が集まる学問の街で、ITやバイオテクノロジーなどの最先端の仕事が多く、富裕層が集まっています。 北部(メイン州、バーモント州など)は、一気に人口が少なく田舎になる。昔ながらの自然が豊かな一方で、大きな産業が育たず、最先端の経済から切り離されたような印象を与える場所とのことだ。 北部ニューイングランド(メイン州)にある古い家屋や乾いた草原は、近代化の時代に取り残されたものに見えるが、彼は風化していく古い建物に潜む生命力を細部まで緻密に描き出した。そこには、時を経たものへの深い愛が込められている。 微細な変化と光をもとめて彼はテンペラや水彩を使い、草の一本、窓枠の傷まで細かく表現している