『「たま」という船に乗っていた』(さよなら人類編+らんちう編)双葉社 (2022) 石川浩司+原田高夕己
- inaba

- 11月3日
- 読了時間: 4分
本屋で見つけたら買おう、と思っていたら、直後に訪れた松本の『本・中川』で発見した(さすがの選書!)。

こちら、たまの石川浩司さんの本の原田高夕己さんによる漫画化なのですが、とっても味わい深く、とっても面白いのです。
私はこの漫画を読みながら、私が一番大切にしている哲学『自由』というものを再確認しました。
私は、道に迷ったとき、損得や利益ではなく、『自由』を基準に道を選びます。
『自由』なんて、そのあたりに転がっている、と感じるかもしれませんが、ところがどっこい、そうではありません。
ヒタヒタと無自覚なまま『自由』が奪われようとしている時代の流れを感じています。
『自由』とは、意識的に獲得し続ける決意がないと、一見平和に見える社会でも容易に奪われてしまうものなのです。
もちろん、法律や制度のような外的なものに影響される自由もありますが、それ以上に、わたしたちは精神の自由を保つことが、本当に難しいと思います。内的な自由。それは子供の心と呼んでもいいでしょう。
わたしは、『たま』というスーパーバンドが今でも大好きです。
ちなみに、たまの活動期間は1984年 - 2003年で、誰もが知ってる「さよなら人類」は1990年に起きた大事件でした。

●さよなら人類 Tama「Sayonara Jinrui (Goodbye Humanity)」(official music video)
学生時代、あの4人に見ていたのは「自由」のすばらしさでした。
たまの4人は自由を体現して生きる人たちでした。
1990年の時代に、人間にとって最も根源的な価値を、社会に対して突き付けたのです。
定期的に「さよなら人類」「オゾンのダンス」「夕暮れ時のさびしさに」・・・を聞きかえしていた自分にとって、それは岡本太郎や横尾忠則やDaliの芸術を見返すように、「自由」という価値観を再確認する「常備薬(くすり)」でもあります。
『「たま」という船に乗っていた』は、さよなら人類編+らんちう編二つセットで読んでいただきたいです。
「自由」を噛みしめながら読む本。自由を生きる人たちのかっこよさ。
出会いたかった本と【本・中川】で出会えたことも、また素晴らしき出会いでした。
やはり、旅とは出会いです。
出会いは、人でもあり、本でもあり、風景でもあり、コトバでもあり。出会いにより、運命とはいい方向にも悪い方向にも変わるものですから。
ちなみに、我が家では「たまブーム」再燃のため、知久寿焼さん、石川浩司さん、滝本晃司さん、柳原幼一郎さん(現在:柳原 陽一郎さん)の全員を同時におっかけています。
我が子は、なんと学校で「さよなら人類プロジェクト」というものもはじめてしまいました。年末までにバンド?楽団?が組めるのか、あたたかく見守ります。

柳原さんは軽井沢の発地にも畑・野菜作りで来られているらしく、いつか偶然にお会いできそうな気さえしています。心がつながっていますから。
柳原さんの詩の世界は本当に素晴らしく、生きる吟遊詩人です。
知久さんとは、EGO-WRAPPIN'の20周年日本武道館Liveでお会いしました。私が好きなEGO-WRAPPIN'も、ハンバートハンバートも、「さよなら人類」カバーしてるというのが流石!
●Sayonarajinrui EGO-WRAPPIN'
●さよなら人類 humbertchannel
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ちなみに、さよなら人類(1990年)の歌詞の中で
『武器をかついだ兵隊さん 南にゆこうとしてるけど
サーベルの音はチャラチャラと 街の空気を汚してる』
という一説があり、単純な平和論・反戦論、ではなく、違う次元に昇華させた歌詞世界に、当時も今も、小2の子供でさえも、しびれています。
ことばって、単なる情報、というだけではなくて、もっと深いレベルに作用するものなんですよね。
ことば と たましい とは、関係が深いものだと、切に思います。
私は著作にそうしたものを込めていて、たまのみんななら、きっとわかってくれるだろう、とも。
●たま イカ天初出演
●#さよなら人類#イカ天 2週目フルバージョン・感奏版!#いかすバンド天国
●たま オゾンのダンス イカ天3週目
●たま 4週目 ロシヤのパン (トークたっぷり・イカ天)
●たま 5週目 まちあわせ
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