

「ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術」+『湿地』(東京都現代美術館)
東京都現代美術館。「ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術」。 宇宙や量子などのサイエンス領域とアートのコラボでの「世界の成り立ち」や「見えない世界」について考える企画展。 量子もつれ(量子エンタングルメント)は、2つ以上の粒子が、互いにどんなに離れていても「一蓮托生」のような特別な関係にあること。量子もつれ(量子エンタングルメント)は2022年のノーベル物理学賞を受賞。 人間関係や、「縁」というものを考える時に示唆に富む話。 常に誰かの行動が誰かへと影響しているとすれば。 2枚の「コイン」が量子もつれの状態にあるとき、1枚を自分の手元に置いて、もう1枚を海外の友人に送る。手元のコインを投げると、回っている間は「表でも裏でもある」状態だが、「表」だと確認した瞬間、海外に郵送された遠方のコインも同時に「裏」と確定する、ということらしい。どちらが表になるかはランダムだが、「一方が決まれば、もう一方が同時に決まる」というペアの関係が、距離に関係なく成立する。 量子もつれも、私たちが住む3次元空間では離れた2つに見えるけれど、もっと深い次元では一つ


角川武蔵野ミュージアム
本好きとしては立ち寄りたい、と思っていた角川武蔵野ミュージアムへ。隈研吾さんがデザイン監修。外壁の「石」は花崗岩約2万枚!を使用し、約1,200トンにもなるらしい。 外観の重厚な「岩」のイメージと対照的に、内部は迷宮のような空間だった。 編集工学者・松岡正剛氏の監修による、約2.5万冊の本には大興奮。 2010年頃、丸善丸の内本店で松岡正剛さんによる「松丸本舗」という実験的書店空間があって、何度も訪れた。今回はその巨大版という感じ。 本の迷宮を歩いているだけで、書影を見ているだけで、読書した気持ちになる。 角川武蔵野ミュージアムの原点ともなる角川春樹さんは、出版・映画界での功績もさることながら、神がかり的なエピソードが多くて好きな方。獄中での神秘体験のエピソードは流石という感じだった。 角川春樹のような規格外、常人ではない方の会社だからこそ、こうしたミュージアムもできたのかな、とも。 角川武蔵野ミュージアムでは色々なレア本も読みふけることができて楽しい時間だった。 三島由紀夫を被写体とした細江英公氏の写真集『薔薇刑』。 初版は1963年に杉浦康平


素粋居 石の神さま ミシャグジ 後戸の宿神 能楽
アクアイグニス別邸となる、湯の山温泉の「素粋居」という宿泊施設もご厚意で見せていただいた。 自然素材をテーマにした12棟の独立したヴィラがあり、8つの素材(木、石、土、鉄、漆喰、和紙、漆、硝子)がそれぞれテーマになっている。 1棟ごとに建築家やクリエイターが異なり、間取りやインテリア、アート作品に至るまで、ひとつとして同じ部屋はなく、さらに源泉かけ流し露天風呂まで作られていて、パラダイスそのもの! 陶芸家・内田鋼一さんのプロデュースのようですが、アンティークや現代のアートのバランスが素晴らしかった。 贅沢したいとき、家族連れでお子さんに気にせず室内の露天風呂で湯治したい方には、お薦め。 すぐ近くのアクアイグニス片岡温泉のお風呂への送迎もありです。(ルフロのミネラルミスト浴は別料金ですが) この写真は、石の部屋。 石の神様のように鎮座されている! 地元・三重県産の「菰野石(こものいし)」の巨石とのことで、菰野石は伊勢神宮の玉砂利にも使われている質の高い石。 石の神さまと言えば、コノハナノサクヤビメの姉である石長比売(イワナガヒメ)は強さや永遠を象


アクアイグニス@三重県菰野町
三重県菰野町にあるアクアイグニスへ。 前から行きたかった。やっと行けた! ここは、近くに奈良時代!(開湯1300年)に発見された「湯の山温泉」という歴史ある温泉地がある。奈良時代から温泉地として愛されていたが、織田信長の伊勢侵攻で最澄が建立した三嶽寺(さんがくじ)(数百人の僧兵がいたらしい)も焼き討ちにあい、温泉も一時的に衰退(廃泉)。「僧兵まつり」として、戦った僧兵を称えた祭りが今も続いていいるほど。 その後は、江戸期での湯治場、西南戦争での傷病兵の療養所などで復興し、文豪にも愛された歴史ある温泉地(志賀直哉の『暗夜行路』にも登場)。衰退と復興の歴史がある。 「湯の山」という名前自体が素敵だが、アクアイグニスは、この湯の山のすぐふもとにあり、片岡温泉という。 湯の山温泉の発見伝説に「傷ついた鹿が癒やしていた(鹿の湯)」という歴史があり(那須も含め、「鹿の湯」は色々な場所にある)、「アクアイグニス」のロゴマークやデザインには「鹿の角」がモチーフとして使われている。 ちなみに、「アクアイグニス」の施設名の由来は「AQUA(アクア)」=水(温泉)+「


藤子・F・不二雄先生からの宿題(100%ドラえもん&フレンズ in 東京)
子どものバイオリン関係(スズキメソード)で東京に出たとき、有明に出かけたら、ちょうど 東京ドリームパーク がオープンの日で、そこでは「 100%ドラえもん&フレンズ in 東京 」がやっていた。 ただ、行けばすぐ見れる、というものではなく、無料エリアと有料エリアが複雑に絡み合い、しかも有料エリアは時間ふくめて事前予約制で、何も見れなかった。最近、よくあるパターン。事前予約制が増えると、なんとなく・ぶらぶら、ではうまくいかない。右脳よりも「予定、立案、計画、実行、任務完了」みたいな左脳回路が求められる。 ただ。 無料エリアに置いてあるドラえもんフィギュアや、エスパー魔美やパーマンだけでも十分に満足できた。 機械と人間との関係性は、日本では昔から漫画やアニメなどで取り上げられ、時間をかけて考えるべきテーマになっていた。 『ドラえもん』は人間の欲望に関する物語でもある。 困ったとき、のび太がドラえもんに助けを求めると、便利な道具が準備される。 困り事は簡単に解決するが、物語はここからだ。 あれもできる、これもできると欲望は膨らみ、スネ夫やジャイアンへの


『婦人画報(2026年5月号)』:「追悼―ファトマ・ハッスーナ」 (稲葉俊郎)
4月1日発売の『婦人画報(2026年5月号)』に、「追悼―ファトマ・ハッスーナ」として、私も文章を寄せています。 ファトマ・ハッスーナは、パレスチナ・ガザ地区出身の写真家(フォトジャーナリスト)。 ガザ紛争下での日常を世界に発信し続け、彼女を追ったドキュメンタリー映画『手に魂を込め、歩いてみれば』(イラン出身のセピデ・ファルシ監督、2025年)がカンヌ映画祭の出品作品となり、その報告をした翌日に、彼女は現地の空爆で家族と共になくなってしまいました。 映画『手に魂を込め、歩いてみれば』も、そうした戦時下の1日1日が命がけの日常がとられていて、複雑な気持ちになる映画です。 映画が見れなかった方も、2026年4月18日~5月17日に開催される第14回「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」でもファトマ・ハッスーナの写真が展示されますので、ぜひご覧いただきたいです。 世界中で戦争が起きていますが、領土、資源、そして宗教戦争など・・・、色々な争いの種があります。 一度争いが起こり、怒りや恨みや復讐がはじまると、なかなか止めることができません。...


「芹沢銈介展」@Lagom
御代田町のLagomで「芹沢銈介展」が開催されています。(3/12 -3/31まで) 芹沢さんは染色工芸家であり、重要無形文化財「型絵染」の保持者(人間国宝)です。 芹沢さんの作品は明快で力強いデザイン、鮮やかで美しい色彩が特徴。 文字のようなグラフィックのような梵字(ぼんじ)のような。 今回の展示は、個人的なコレクションでもあり、友人に手渡すときのような作りこまれていない作品も多く、芹沢さんの人となりが伝わる優しい展示。 ぜひ見に行ってみてください! 仏画「微笑観音」も美しかったです。 MMoP(モップ) 〒389-0207 長野県北佐久郡御代田町馬瀬口1794-1 lagom(ラーゴム)営業時間: 10:00 ~ 17:00 定休日: 水曜日 https://mmop.jp/shop/118/ Lagomでの「芹沢銈介展」の裏側では、Konstの素敵な作品も多く陳列されています。軽井沢の障碍者の方々と、遊ぶように自由な気持ちで作られたデザイン性の高い作品群。購入もできて、収益の一部は福祉へと還元もされていきます。 福祉と芸術・デザインの新しい


『great journey 9th』近藤良平(コンドルズ)× 永積 崇(ハナレグミ)@赤レンガ倉庫
great journey 9th。 近藤良平(コンドルズ)さんと永積 崇(ハナレグミ)さんの不思議な舞台。 わたしは2年前の7thで共演させていただきました。 great jouneyは、いつでも横浜赤レンガ倉庫で行われる雲を掴むようなひととき。 基本的には、遊ぶ、ということ。プロが行う本気の遊び。 色々な発想の種を膨らましたり潰したり、思いつきと即興と愉快な空想にまきこまれる。ジャンルや分類を拒み続ける不可解な時間をともに過ごす。 わかったような気がすると、わからないところに連れて行かれ、迷子になると、ダンスと音楽で助けてくれる、というような。コンドルズの舞台と同じで類似物がない世界。 3/21と3/22のまだ2公演ありますので、ご興味あれば2人の芸達者ぶりを堪能下さい。 軽井沢から遥々この舞台見るために赤レンガまで行って大満足でした。 とにかく異次元が楽しい! ................... ダンス集団・コンドルズを主宰しダンスを柱に演劇、映画、テレビなど多角的に 活躍する近藤良平と、ハナレグミ名義で2002年からソロ活動をスタート


「島村洋二郎─無限の悲哀と無限の美」@梅野記念絵画館(長野県東御市)
長野県東御市にある梅野記念絵画館へ「島村洋二郎─無限の悲哀と無限の美」を見に行った。 情念が練り込まれるような凄まじいチラシの絵を見てから、実物を見に行きたいと思っていた。 島村洋二郎は1916年東京に生まれた。浦和高校に入学するも、画家を目指して退学。当時の画家は現金収入がほとんどない。極貧から抜け出せないことを承知の上で絵を描き続ける覚悟がある人間しか画家になっていなかった時代。 戦時中は従軍画家として戦場にも出るが、1945年に肺結核のため帰国。 当時は不治の病とされた結核を抱えながら日本中を転々としながら絵を描き続けた。 1953年に新宿の喫茶点でクレパス画展を開き、その最終日に大喀血し亡くなった。享年37歳の若さだった。 島村洋二郎の作品は、肺結核による死を意識しながら、どの瞬間に絶命してもいいようなエネルギーが込められている。お金がないため、安いクレパス(オイルパステル)を極限まで厚く塗り重ねて描かれていて、強烈な情念が絵の厚みとなっている。 厚く塗りこまれた絵の中をのぞいていると、戦後の混乱期、美に人生を捧げながら必死で純粋に生き続


「痛み」のあるところにアートは生まれる
3月1日の「芸術と医療が交わるところ」@筑波大学。 とても刺激とエネルギーを受けた回でした。 開催前の午前中に、主催の岩田祐佳梨さんに筑波大学・大学病院で行われている医療と芸術の実践を見学させてもらった。 病院はとにかく規制が強く、だからこそ硬く緊張した空間になってしまう。そこに少しでも柔らかい風を呼び起こすために芸術の力を借りる。もちろん、そう容易くはない。ただ、だからこそ「医療と芸術」に橋を架けようとする実践者たちは、自身が強い軸を持っていないと壁を突破することはできない。 筑波大学は広大なキャンパスだった。つくばの広い土地と広い空が広い心の空間を生み出し、未知の力を引っ張り出すのかもしれない。芸術専門学群と医学の徒とが自然に交わりながら、お互いで素敵な空間を作ろうとチャレンジしている。その長い歴史に感動した。岩田さんは自身がつくばの学生だった頃から長くかかわっている! 筑波大学附属病院では「ファシリティドッグ」のクラウドファンディングもしていた。ファシリティドッグとは、病院に常勤し、医療従事者とペアで治療やリハビリを行う専門的な訓練を受けた