

横尾忠則現代美術館:大横尾辞苑
神戸に行ったら必ず寄るのが横尾忠則現代美術館。 いまは「大横尾辞苑」という展示が開かれている。 ひらがな45文字(あ~を)、アルファベット26文字(A~Z)に対応した横尾作品が展示されている。図録も面白くて思わず購入。 横尾さんの多様で広範で森羅万象を扱う作品群を見ていると、自分の中にある開かれていない扉が開かれ続けるようで、心が動き続ける。自分の心の中で起きている現象には名前をつけることができない。心が動く、としか形容できないもの。 展示の「あ」は「アストラル体」から始まる。どれだけの人が神智学やシュタイナーを読み、「アストラル体」のことを知っているだろうか、と思うと、美術館が霊学としても機能しているから面白い。 横尾さんとアトリエで話すときは、こうした話が随所に織り込まれるので、横尾ファンとしては基礎教養と言っていいものでもあるけれど。ただ、大事なものは名前ではなくて、名前が指し示す実態のほう。論語読みの論語知らず、にならないように。 「見えないものを見る」のが芸術である、と言うのは簡単だが、横尾さんはさらに「見えるものを見えなくする」芸術と


神戸の天然温泉 湊山温泉@兵庫県神戸市
お仕事で神戸に来たので、前から必ず行こうと思っていた湊山温泉へ。 ここは1889年創業の歴史ある温泉でありながら、人情溢れる銭湯のようでもある。 その昔、平清盛も湯治した温泉といわれているのが驚き!(実際、近くに碑がありました。平清盛が福原に構えた隠居用の別荘(雪見御所)が近くにあったようです)。 鉄分と炭酸を多く含む赤茶色の湯が特徴。100%源泉かけ流しで、樽風呂を入れると8個ほどの浴槽があったかと。しかも、温度が違うので楽しい! 自噴源泉は約27℃。この冷泉を源泉で浴びるために温冷浴が推奨されています。私もサウナの極端な負荷より、温泉での温冷浴を信条としている自分には、まさにパラダイス温浴空間でした。私は指がふやけて脳がふやけるほど、2時間は堪能してしまいました。お客さんも2-3巡はしてたかなぁ。 温冷浴とは、温水(38-42℃)と冷水(10-30℃前後)を交互に浴びる方法で、その温冷刺激での血管・自律神経・代謝への自然な反応を利用した健康法とも言えるものです。交代浴(contrast bath therapy)とも言われます。...


「ハレ(非日常)」と「ケ(日常)」の循環の環 「お風呂は人を幸せにする」「ケの日のハレ」
「おふろ部10年サミット」の依頼講演で神戸へ。 おふろ部は、給湯器で有名なノーリツ(NORITZ)さんが主宰している「お風呂」文化を愛する集まり。 1951年の創業時、戦後の復興期に従来の木製風呂よりも熱効率(能率)が良く、お湯が冷めにくいタイル製の風呂釜「能率風呂A型・B型」を開発。熱効率が良く「能率のいい風呂」を普及させたいという想いから「ノーリツ」という会社名になったとのこと。 創業者の太田敏郎さんの言葉 「お風呂は人を幸せにする」 には、しびれます。 入浴習慣=健康習慣と考えている私としては、ノーリツさんが戦後復興期に「お風呂に入れば幸せになる」と考えた理念は、まさに災害時などで思い知らされる事実です。熊本地震で長くお風呂に入れなかった時「お風呂に入れて本当にほっとした」と家族も言っていました。海外生活でも同じかもしれません。お風呂に入れるという日常は、それだけで既に幸福なのです。 自然治癒力の要である代謝酵素は、37-39度で体内でよく働きます。風邪をひいて熱が出るときも同じ理屈です。入浴や温泉は、「病気じゃないときに健康的に発熱する装


)「めくれる!しかけ図鑑絵本 にんげんのからだ」(アノニマ・スタジオ) *重版出来*
2025年9月に発売された、ジョエル・ジョリヴェ(翻訳:稲葉俊郎)「めくれる!しかけ図鑑絵本 にんげんのからだ」(アノニマ・スタジオ) ですが、ご好評いただき、第2刷となりました。うれしい! 子どもから体の違和感や疑問を聞かれたときには、しかけ絵本の図を見せながら説明しているので、私自身も重宝しています。 例えば、「ジュース飲むとなんでトイレが近くなるの?」とか聞かれると、前立腺とか尿道、筋肉の話をしながら、どうやって排尿されるのか説明したり、、、。 こうした仕掛け絵本は手作り本なので、値段がどうしても高くなるのですが、ぜひ教育用にお使いいただけれれば~。 ●【Translated Book】2025/9/1:ジョエル・ジョリヴェ(翻訳:稲葉俊郎)「めくれる!しかけ図鑑絵本 にんげんのからだ」アノニマ・スタジオ(2025/9/8)(原題:Joëlle Jolivet「Le Corps humain」(Les Grandes Personnes, 2021)( アノニマ・スタジオWeb 、 Amazon ) ◆稲葉俊郎コメント ----------


内観光:内なる光を観る 「水」=夢+数
飛行機から地球の巨大な水がめとしての海を眺める。 武満徹さんの音楽では、人の無意識に沈む夢、記憶を喚起する普遍的な象徴として水をテーマに音楽を多数制作されていた。 水は、意識の深い層にある「無意識」や「夢」にアクセスするためのメタファー(隠喩)。 武満さんの音楽は、数理的な構造(数)と、無意識的な感覚(夢)とが、「水」という要素の中で統合されたもの。 水は留まることなく形を変えるため、個人の過去や失われたものを呼び起こす無意識の象徴。 普段から瞑想や呼吸法を通じて、無意識へのアクセスを日常的にしている人間にとっては、海を見ているだけで、深い無意識のイメージが万華鏡のように展開してくる。 これからの観光は、内観光(内なる光を観る)の方にシフトしていくのではないだろうか。 普段から瞑想や呼吸法を通じて、無意識へのアクセスを日常的にしている人間にとっては、海を見ているだけで、深い無意識のイメージが多層に連なって万華鏡のように浮かんでくる。 ―――――――――― 武満徹「二つのもの‐作家の生活」 夢・数・水 現在(いま)私が書いている音楽について考えてみ


梅の里 梅の花 和歌山県 みなべ町 和歌の山
和歌山県のみなべ町は、「みなべ温泉」にもありますが、日本一の梅の生産量を誇る「南高梅」の誕生地です。 地域全体が梅の香りに包まれる「梅の里」。ちょうど私が行っているときに、梅の花が満開で、ここは天国なのか?という絶景でした。 梅農家の方々が収穫されている場所を訪れ、温浴・温泉浴に引き続き、「梅浴」を楽しみました。 梅干しは、クエン酸効果で、疲労回復、殺菌・抗菌作用(食中毒予防)に加え、血流改善、血糖値上昇の抑制など、高い健康効果が医学的に期待されている奇跡の伝統食です。 梅干しは「強アルカリ性食品」です。 酸性に傾いた血液(疲労時など)を中和し、健康な弱アルカリ性へ戻す効果があります。肉や加工食品の摂りすぎで酸性になりがちな血液・体液を、クエン酸が血液中でアルカリ性に変わり、心身の調和を保ちます。 ちなみに、5グラムの梅干し(アルカリ性)で、牛肉100グラム(酸性)を中和できると言われています。 梅干しはCaカルシウム・ミネラルの吸収促進で骨粗鬆症予防にもなりますし、強い殺菌力で食中毒(O157など)の予防にも効果的。 伝統の梅干し+白米の「日の


みなべ温泉 紀州路みなべ
和歌山湯トリートは鶴の湯温泉(みなべ(南部))が最後だと思っていましたが、最後の宿泊先である「紀州路みなべ(国民宿舎)」も「みなべ温泉」で、温泉でした。 1日最低3回の湯治旅を心がけていたので、4日で15くらいの温泉に入っていました。 自分が温泉に入っているのか、温泉が自分に入っているのか、主客がわからなくなるほどです。 みなべ温泉は、目の前に太平洋が見えます。 泉質はナトリウム塩炭酸水素塩泉で、重曹成分を含み、美肌効果や保温・保湿に優れています。 国民宿舎はリーズナブルで食事もおなかに優しくて、どこに行ってもお気に入りになるお宿ばかりなのも特徴。 紀州路みなべは太平洋と隣り合わせなので、1階からは海岸線にも行けて、軽井沢で山・森の生活をしている人間には、地球の巨大な水がめ?を見ているだけで浄化される気持ちになります。 夜寝ているときも、ザバーンザバーンと波の音が聞こえ続けているのも、深い無意識に誘うかのようで。


龍神温泉(田辺市龍神村)、鶴の湯温泉(みなべ町)
疲弊した心身を回復するために、龍神温泉元湯へ。 ここは、日本三美人の湯に数えられる、源泉かけ流しのナトリウム-炭酸水素塩泉(重曹泉)。 美肌効果のほかに慢性皮膚病や冷え性への効能も高い名湯。 ちなみに、日本三美人の湯(川中温泉、龍神温泉、湯の川温泉)は、1920年代に鉄道院が発行した温泉案内にて「肌を白くする・滑らかにする」と評価された温泉が由来。 龍神温泉は、奈良時代ころに役の行者によって発見されたとも、弘法大師が難陀龍王のお告げにより開湯したとも伝えられている。 徳川時代には紀州藩(徳川頼宣公)の保護を受け、藩主専用の浴場や別荘(上御殿)が設けられ、上流階級の湯治場としても栄えていた。 和歌山県では二つしかない国民保養温泉地の一つにも指定されていて、龍脈(風水で地中を流れるエネルギー(生気)の経路)を感じられる奥深い場所。 こんこんと泉が湧き、太古から人の心身のまろやかに包み込んで、受け入れ、解き放っている。 龍神温泉元湯 〒645-0525 和歌山県田辺市龍神村龍神37 お昼は近くにある、つぐみ食堂(道の駅 水の郷日高川 龍游)で下ごしらえ


Day4 final 熊野古道(中辺路)熊野本宮大社
和歌山湯トリートDay4の最終日は、熊野古道を歩く。 とは言っても、発心門王子から熊野本宮大社(中辺路)という2-3時間の距離だけ、ですが、歩くことで湯(斎)・湯庭(斎場)の有難さも効果もわかり、時代を超えて同じ風景を見た人たちの気持ちとシンクロもするから。 私自身も、学生時代にハードな山岳部生活を送っていて、その時に疲れを回復させるのは、すべて温泉地であり湯治場だった。その時から、人間の自然治癒力というものに関心がうつり、今は温泉・ミネラル・酵素の三位一体モデルが自然治癒力を生み出すのではないか、という仮説を持つにいたる。この辺りはいづれ本にまとめたいが、そこまでの力量と資格があるかどうか分からない。 「山のメディスン」という本にも書いたが、自然の中を歩くことは、頭優位の思考から離脱して、全身で感じ考える身体モードにシフトする作業なのだろうとも思う。 そうした意味でも、熊野古道は全身から毛穴からも、色々なものを感じる場所。それは今この瞬間に分からなくても、何年、何十年の期間をかけて発酵・熟成されて顕在化してくるもの。 熊野古道を歩いていると、突


Day3 山水館 川湯みどりや 自然とひとつに
Day3の最後は「山水館 川湯みどりや」に宿泊。 ここは去年来た時とまるで違ってリニューアルしてお洒落な空間になっていて驚きました。予想を超えてスタイリッシュです。 しかも、ここは南紀勝浦のホテル浦島グループなんですよ。浦島さんのはしごです。 ここは少し値段は張りますが、お風呂に入った後、備え付けの水着のような湯浴み着を着れば、川にある露天に出れます。川湯温泉というだけあって川からお湯が沸いているわけです。いわば水着を来て川に出るので、男女混合のプールみたいな状況です。 だからこそ、露天なのに仕切りもなく、だからこそ森、空、川、と一体化した気分になれる稀有な温泉。夜に星を見ながら入る温泉は格別でした。 これ、まさにマインド風呂ネスではないでしょうか。 女性の露天風呂は、のぞき見防止で柵ができますよね。それはもちろん大事ですが、だからこそ景色がよく見えなくなりますよね。視野も狭くなります。それなら、最初から湯浴み着で入れば柵も作らなくていいし、景色もよく見えていいのでは?というコロンブスの卵みたいな考え方とも言えます。 だからこそ、 部屋からも露天