

稲葉俊郎『肯定からあなたの物語は始まる』(講談社)(2025年11月17日)
やっと新刊の書影が出てお見せできます。(AmazonはKindle版をクリックすると見れます) 11/17月曜日に、稲葉俊郎『肯定からあなたの物語は始まる』(講談社)という新しい単著が出ます。 私がコロナ禍で必死に診療をしていたとき、否定の言葉の渦があらゆる領域に押し寄せていました。その渦に飲み込まれ心身の傷を負っている人を多数見ました。「ことばのくすり」という本を2023年に大和書房から出したものも、懸命に私なりの抵抗を見せた本でした。今回、コロナが明けた時代の中で、今回の本を書いています。 2024年は、あまりの診療の過酷さからバランスを崩して医療現場から一歩引いた時期でした。 ただ、ちょうどその時に象徴的な死から再生や「蘇り」とも言えることがたくさんありました。それは神仏の力であり、地球(自然や温泉)の力でした。 同じ2023年ころに、「山のメディスン―弱さをゆるし、生きる力をつむぐ―」(ライフサイエンス出版)を書きあげたとき、私は人間を師とするのではなく、自然そのものを師と仰ぎ、師である自然との関係性の中で登山や夏山の山岳医療にも明け暮れ


富士山(不死山)
太郎(or太陽の塔)からの禅の公案として、700万年後の未来の人類をイメージしていたとき、新幹線から富士山(不死山)が顔を見せた。不思議な雲と共に。 人間は、いづれ雲や山のような存在物に溶け込んでいく、有機物と無機物との区別は一時的なもの、この世がそもそも仮の宿(「常世(とこよ)」に対する「現世(うつしよ)」)、と考えていたのは、ほんの100年前くらいのコモンセンス(共通感覚)。 雲には水として、山には菌が分解した養分として、霊は山に帰り祖先として。死者は、土に還り、天に昇り、循環の環そのものとなる。 人間は山や水、自然へと変化することで、過去・現在・未来という「とき」を結び、生類や自然という「いのち」も結び、壮大な円環を結ぶ。しめ縄のように、しっかりと。 そんな時代の記憶は、今でも神話や物語が、コトバという乗り物で遠い太鼓のように語りかけていること。 悠久の過去への眼差しと、未来へのヴィジョンこそが、【現在】を変容させる。 「芸術は呪術だ」 太郎の祈りは、次世代に託された。


禅の公案 太陽の塔から
軽井沢から大阪に来ると景色はがらっと変わる。 ここまで都市を作り上げるには多くの人の汗があり、一本一本の鉄骨や鉄柱含め、関わったすべての人に人生のドラマがあると思うと、ぐっとくる。 10年前、100年前、1000年前、1万年前、、と比較して、動物が見ても昆虫が見ても、人間が作り上げた都市の精密さや緻密さは、きっと驚異的に見えているのだろうと思う。 大阪に行ったときに、 万博記念公園に太陽の塔を見に行った。 岡本太郎は、人類は進歩も調和もしていない、と、宣言し、太陽の塔という神像を据えた。1970年のこと。 太陽の塔は過去・現在・未来の象徴。悠久の過去と遥かなる未来とが衝突して現在という時空が立ち上がる。 現在は過去と未来が衝突した火花のようなエネルギー構造物。 太郎と太陽の塔からの、禅の公案のようなものだと受け取ってみる。 約700万年前、類人猿から分岐した「猿人」と呼ばれる初期の人類が誕生した(サヘラントロプス・チャデンシス:現在のところ最古の人類化石)。 700万年かけて、いまここにやってきた。農耕や産業・情報革命を経ながら。...


紅葉の 軽井沢 雲場池
軽井沢で散歩。旧軽井沢から裏道を通っての雲場池。 道をただ歩く。ただそれだけで楽しい時期。 ものすごく暑く散歩の気分ではなかった夏。そして、雪や凍結含め、ものすごく寒くなる冬。 その間の、思わず散歩したくなる一瞬のひと時。 雲場池。紅葉が美しく、多くの方が訪れている。 軽井沢に住んでいると観光地にはあえて行かなくなる。だからこそ、あえて行ってみる。 結果、やはり自然が醸す圧倒的な美しさに、息をのむ。 自然の色が刻々と変化しているように、きっと人間の体の中もこうして日々入れ替わり、変化し続けているのだろう。 時に吹く風で、水の形が変化する。 そうした二度と訪れない自然の変化の層との出会い。 水は本当に不思議なすがた、かたち。 作家、正宗白鳥(1879〜1962)の文学碑も、雲場池のほとりで見守っていて、ここにも静謐な時間が流れていた。


『「たま」という船に乗っていた』(さよなら人類編+らんちう編)双葉社 (2022) 石川浩司+原田高夕己
本屋で見つけたら買おう、と思っていたら、直後に訪れた松本の『本・中川』で発見した(さすがの選書!)。 『「たま」という船に乗っていた さよなら人類編 + らんちう編 』!双葉社 (2022) こちら、たまの石川浩司さんの本の原田高夕己さんによる漫画化なのですが、とっても味わい深く、とっても面白いのです。 私はこの漫画を読みながら、私が一番大切にしている哲学『自由』というものを再確認しました。 私は、道に迷ったとき、損得や利益ではなく、『自由』を基準に道を選びます。 『自由』なんて、そのあたりに転がっている、と感じるかもしれませんが、ところがどっこい、そうではありません。 ヒタヒタと無自覚なまま『自由』が奪われようとしている時代の流れを感じています。 『自由』とは、意識的に獲得し続ける決意がないと、一見平和に見える社会でも容易に奪われてしまうものなのです。 もちろん、法律や制度のような外的なものに影響される自由もありますが、それ以上に、わたしたちは精神の自由を保つことが、本当に難しいと思います。内的な自由。それは子供の心と呼んでもいいでしょう。.


本・中川@松本
とても素敵で思い出深かった場所。 長野県松本市にある【本・中川】。 本特集でよく出てくる本屋さんなので、いつか行ってみたいな、と。 【本・中川】には、普通の本屋では見たこともない美しい独立系の本が立ち並び、ベストセラーという巨大な社会の流れとは全く違う時間が流れていて、美しい秘湯を流れる岩清水と清流のような作品群が。 中にはギャラリーも併設されていて、本と美術との合わせ技が素晴らしく。 【本・中川】にも多数あった【 ナナロク社 】は面白く素敵な作品をたくさん作っている出版社だなぁ、と。詩集が多い【 左右社 】も装丁が素晴らしく美しくて。 本好きたちによる本好きが集まる場。 とってもInspirationを受ける場だった。 私は、素敵な神社仏閣に行くと、色々な霊感(Inspiration)を受け取るのですが、【本・中川】も同じ場。本を見ているだけで無意識が動き、イメージの世界に包まれてゆく。 定期的に訪れたい場。 ちなみに、店主の中川さんは、暮らしの手帖で連載もされていて、素敵な方でした。 吟味して本もたくさん買いました。 とても小さいスペースなの


11/8(Sat)AM:マインドフルネスin竹芝@ウォーターズ竹芝
色々と書きたいことがたまってますが、時間が追い付いてません。 もう来週!の11/8土曜ですが、東京の竹芝(ほぼ浜松町)の海辺で、海辺を見ながら(水!)、焚火を囲みながら(火!)、「マインドフルネス体験」を行います。 11月8日(土)の11:30~と12:00~の2回で、しかも無料です。 会場は、ウォーターズ竹芝 プラザ(芝生広場)。 エリアが広いので早めに来て探して下さい。海が見える船(都知事の船も)とかが置いてあるゾーンです。 なかなか素敵な場所なので、穴場のデートスポットとしても今後ご活用いただけるかと! ●【Event】2025/11/8(Sat)11:30-+12:00-「マインドフルネスin竹芝」稲葉俊郎(医師)@ウォーターズ竹芝 プラザ(芝生広場)(東京都港区海岸1-10-30)( 申し込み )( 詳細Web:「竹芝からはじまる未来社会共創」 ) もともと、「親子でできるマインドフルネス」で考えていたので、お子さんが参加しているようなら、子供向けマインドフルネスを大人もできるようアレンジしますし、大人だけの参加者の場合は、一般的なマイ