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俳優座「存在証明」@シアタートラム

  • 執筆者の写真: inaba
    inaba
  • 11月14日
  • 読了時間: 3分

俳優座の「存在証明」@シアタートラム、を観た。素晴らしい舞台!


絶対的な真理を追求する実在する数学者たちがモデル。

戦争という異常が日常に置き換わった時に、現実世界とどう折り合いをつけていくか。


数学的な真理を追求することを、わたしたちが真善美、理想、あるべきもの、に置き換えて考えてみると、誰にでも心当たりがある事柄だと思えた。


「ことば」というものも考えさせられた。

特殊なことばを扱う人は、状況次第ではあたまがおかしい、とされ、排除や隔離の対象になる。ただ、そのことばは、日常とは違う層では深い真実の響きを含んだもので、そのことばの深層の意味を発見できる人がいるかどうかで、ことばは違う意味を帯びる。

ことばは時に数学であり詩であり芸術であり、呪術でもあり。

ことば自体も出会うべき人を待っているのかもしれない、とも思った。


「存在証明」というタイトルが暗示するように、わたしはここにいる、という存在の地平は、より深い次元にある「いのち」のことばとの出会いを求めているようだ。それはルーツ、根、と言ってもよいかもしれない。


素晴らしい演劇体験。まさに魂の劇場とも言うべき、自分の魂の声が聞こえてくるような深い体験だった。


脚本も俳優さんもすべてが調和の音色を奏でていた。素晴らしい舞台ありがとうございます。

11/15まで!


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2025年11月公演「存在証明」

No.361 劇団俳優座創立80周年記念事業


公演案内

真理は、時代によって移り変わる。

しかし数学的真実は、

1000年前も1000年後も真実であり続ける。

たとえ明日死ぬとしても、

私はそれに手を伸ばす。


★あらすじ

第一次世界大戦、そして第二次世界大戦──

科学と信念が歴史のうねりに巻き込まれていった時代。

ケンブリッジ大学の数学者ハーディとリトルウッドは、「リーマン予想」の証明を志し、数式の中に普遍的な真理を見出そうとする。だが、その理想は国家や戦争、そして個人の信条によって引き裂かれていく。

1977年。かつてリトルウッドに顧みられることのなかった娘・アンは、精神病院で働いていた。ある日、患者である少女ベリルが繰り返す「4687961」という数字をきっかけに、父たちの過去へつながる記憶の断片が姿を現す。時空を超えて、「真理」に手を伸ばした者たちの軌跡と、その遺響をたどる物語。


<配役>

  志村史人・・・ハーディ

  野々山貴之・・リトルウッド

  山田貢央・・・ラマヌジャン

  森山智寛・・・アラン・チューリング

  宮川崇・・・・トーマス、他

  山田定世・・・ポール

  

  保亜美・・・・アン・ストリートファイルド

  清水直子・・・ジョーン・クラーク

  椎名慧都・・・ベリル

  釜木美緒・・・マーゴ、他

  河内浩・・・・ランバート、他

  安藤みどり・・グロリア、他

  松本征樹・・・ロジャー、他


会場

シアタートラム

〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4丁目1番地1号

           世田谷パブリックシアター


公演日程

2025年11月8日(土)~15日(土)


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