

辰口温泉「田んぼの湯」@石川県能美市
せっかく石川県にまで行ったので、石川県能美市にある辰口温泉へ。 今回訪れたのは、旅館「たがわ龍泉閣」の名物露天風呂、「田んぼの湯」。 「田んぼの湯」とは、比喩ではなく、本当に田んぼの中から湧き出した源泉を使った温泉でした。 南には白山。周囲には里山と田園。その中に六つの露天風呂が広がり、しかも男女混浴。入浴用の浴衣を着て入るので、家族や夫婦、仲間と一緒に温泉を楽しむことができます。 この日は広大な露天風呂に私ひとりでした。 温泉好きとして各地を巡っていますが、これはかなり稀有な体験でした。 そもそも日本の温泉は、山の中、渓谷、海辺など、「地球の裂け目」から湯が現れる場所が多い。 ところが、ここでは田んぼから温泉が湧いています。 米を育てる土地から、人を温める湯まで出てくる。 辰口温泉には約1400年の歴史があるとされ、養老年間には、傷ついた馬が湯で脚を癒やしたという伝承も残っています。その後、手取川の氾濫などで源泉が埋まり、江戸時代末期の1836年、灰屋源助が再び温泉を掘り当てたことが、現在の辰口温泉につながったとされています。...


湯治文化 温泉の楽園 松本@松本市立博物館
松本の街を歩いていると、ときどき不思議な感覚になる。 目の前には城下町の整然とした道があり、少し顔を上げれば、その向こうに北アルプスの山々が連なっている。人間がつくった街と、人間よりはるか以前からそこにある山。その二つが、同じ風景の中に静かに収まっている。 けれども、松本という土地を本当に理解するためには、目に見える風景だけでは足りない。その地下には、もう一つの松本がある。 火山があり、断層があり、複雑な地質がある。何万年、何十万年という時間をかけて、大地の内部を水がめぐり、熱を受け、岩石の成分を溶かし込み、再び地上へと戻ってくる。 それが、温泉である。 温泉とは、単なる「温かい水」ではない。地下深くに隠されていた土地の記憶が、液体となって地上へ現れたものだ。 松本市立博物館の常設展示も素晴らしかった。 松本市立博物館の展示を見ながら、松本はまさに「温泉の楽園」だったのだと知った。 明治時代につくられた温泉番付には、全国409か所もの温泉が並んでいる。その中には、浅間温泉、白糸の湯と呼ばれた現在の美ヶ原温泉、そして白骨温泉など、松本周辺の名湯が名


びえい白金温泉 白ひげの滝@北海道美瑛町
美瑛町にある白金温泉にも足を運んだ。 美瑛町は、北海道のほぼ中央(大雪山国立公園のふもと)で、「日本で最も美しい村」連合にも加盟している町。 白金温泉は標高約600メートルの山麓にあり、「杖忘れの湯」と称される名湯。 1950年に湧出した際、当時の美瑛町長が「泥の中から貴重なプラチナ(白金)を見つけた思いだ」と喜んだことからその名が付けられたらしい。実際にプラチナが出ているわけではないけれど、水の美しさはそのイメージをつたえている。 泉質: ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性中性高温泉) 溶存物質総量(ガス成分を除くミネラル濃度)も5,200mg/kg(5g/L)と非常に豊富な成分を含んでいる。 日本の温泉基準「溶存物質量1,000mg/kg以上」を大きく超えているけれど、体液の浸透圧(約8,800mg/kg)よりは低いので分類は「低張性中性高温泉」となる。 陰イオンの硫酸イオン(SO₄²⁻)が多いので、肌の脂分を洗い流してすべすべにする美肌効果や、血管拡張での血行促進効果が強い。 陽イオンのカルシウムやマグネシウムが


定山渓温泉@札幌
「豊平峡温泉」は札幌から車で1時間くらいだった。 帰りに、豊平峡温泉より手前の「定山渓(じょうざんけい)温泉」に立ち寄った。札幌から40分ほどの距離だから、札幌から一番近い温泉街ではないのかな。 定山渓温泉の歴史は、一人の修験僧が私財と命をなげうって築いた湯治場から始まったらしい。 1856年には、北海道の命名者である松浦武四郎がこの地を訪れ、温泉が湧き出ている記録を残しているらしい。もちろん、ここは動物やアイヌの方々など、昔から北海道に住んでいた人たちは享受していたのだろう。記録に残っていないだけで。 1866年に、岡山出身の修験僧・美泉定山(みいずみ じょうざん)がアイヌの人々の案内でこちらの泉源と出会い(傷ついた鹿が湯浴みをしている光景を目撃したと)、病に苦しむ人々のための湯治場を開いたことが、温泉街の始まりになったとのことだ。 当時は道すらない原生林で、定山は独力で道を切り拓き橋を架け、正式に「定山渓」の名が誕生。定山自身も政府から「湯守(ゆもり)」に任命されている。 1874年には、開拓使の制度変更で湯守の職を解かれてしまい、1877年


ONSEN食堂@豊平峡温泉 藤井聡太 カレー
そして、豊平峡温泉に入ってさらに驚いたのは、ドアを入るとすでにカレーのスパイスに匂いがして、名物の本格インドカレーに大行列ができていたこと。 スタッフもすべてインドの方々、ではなくネパールの方々で、日本の温泉と思えない自然に溶け込んだ雰囲気。 豊平峡温泉の現オーナー(2代目社長)が、札幌・すすきので経営していたインドカレー店のスタッフと機材を、そのまま温泉へ移籍させたからしい。 「ONSEN食堂」では、本場のコック(主にネパール人スタッフ)たちが、数十種類のスパイスと大量の玉ねぎをベースにした絶品カレーと、特大の焼き立てナンを提供し続けている。 現在では「温泉に入るため」ではなく「カレーを食べるため」だけに訪れるリピーターも多いらしく、大行列ができていた。 とにかく、ナンが美味しかった。 2022年に札幌・定山渓温泉で開催された「王位戦七番勝負 第2局」にて、藤井聡太さんが2日目の昼食に選んだのが、豊平峡温泉(ONSEN食堂)の「エビカリー」。自分も将棋好きとしてエビカリーを注文して堪能。美味しかったです。 ちなみに、藤井さんはカレーが好物らしく


豊平峡温泉@札幌
北海道の旭川に、「One Health」のイベントでの講演のために上陸。 少し時間があったので、列車で札幌まで行き、札幌近くで一番お薦め、と言われた「豊平峡温泉」に。 豊平峡温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物泉(重曹泉)。 加水・加温・循環を一切行わない源泉100%かけ流し!の温泉。 貯湯タンクを使わず地中から直接浴槽へ注がれるため、温泉成分が一切酸化していない。 温泉への強い愛を感じる。 お湯に含まれる炭酸カルシウムや鉄分が結晶化し、床や浴槽の縁が鍾乳洞のように波打っているのがアート。 入ってすぐに飲泉ができる場所がある。 豊平峡温泉は、札幌市内の温泉で唯一「飲泉許可(保健所許可済み)」を得ているらしい。湧き出たばかりの新鮮な源泉を直接飲むことができるのは格別だ。ナトリウム(塩分)や炭酸水素塩を含んでいるため、口に含むとほのかな塩気と、重曹成分による独特のまろやかさを感じる。飲みすぎないように注意したが美味しかった。 源泉かけ流しの露天風呂も広々として最高だった。 源泉の泉温も51.0℃程度と記載があったので露天などは丁度


日光湯元温泉@中禅寺金谷ホテル
中禅寺金谷ホテルに宿泊。 名門「日光金谷ホテル」の伝統を受け継ぎながら、ログハウスの温もりある建築と洗練されたクラシカルな空間が美しい。 バルコニーまら見えるミズナラやカエデの原生林、その向こうに広がる中禅寺湖の景色が美しい。 日光湯元温泉から引いた、硫黄泉の露天風呂「空ぶろ(そらぶろ)」。 泉質名: 含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉(硫化水素型)(pH 6.4)。 泉質名に多様なものが含まれているマルチミネラル水。 源泉温度: 78.5℃~78.6℃と熱い 美肌効果が期待できる3つの主要成分がうまい具合にブレンドされている。 硫黄泉(メラニン分解)+硫酸塩泉(キズと保湿の湯)+炭酸水素塩泉(クレンジング)。 源泉地である奥日光・湯元(湯ノ平湿原)から中禅寺金谷ホテルまで、お湯を引いている距離は約12kmもあり、それだけですごい。 空気に触れて美しい乳白色だった。 夜は爆睡。。。zzz


大谷地鉱泉@御代田
軽井沢のお隣、長野県北佐久郡御代田町にある大谷地鉱泉(おおやちこうせん)。 江戸時代に開湯した200年以上の歴史を持つ日帰り入浴施設(公衆浴場)。 アトピーなどの皮膚病や胃腸病に効能がある名湯として、地元住民の人々に長く愛されている。 炭酸カルシウム泉(含メタケイ酸)。無色透明でさらりとした浴感だが、湯温が42度〜44度と熱めの温度設定なので、一気に汗が噴き出す。 4人ほどが入れるコンパクトな石造りの浴槽。 誰かの自宅のようなアットホームな空間。 アメニティもないので、さっとひとっぷろにちょうどいい。 銭湯(公衆浴場)扱いなので、金額も500円で安い。 ここは、川端康成とその妻・秀子夫人が、この鉱泉の優れた泉質を気に入って静養に訪れていたらしい。 茅葺屋根も、川端夫妻がぜひ残した方がいい、と助言したこともあり、なんとか残しているとのことだ。 御代田のTSURUYAのすぐ近くで、田園風景の中で突然現れる湯治場に、癒される。 大谷地鉱泉が「温泉」ではなく「鉱泉」を名乗るのは、地中から湧き出たときの温度が25℃未満(冷たい水)だから。...


湯河原 温泉 滝 則天去私
湯河原は、温泉の泉質もいいが、町の風情もいい。 町の風情や自然の景観は、人間がそう簡単に作れるものではなく。 湯治では温泉に何度も何度も入り、汗を出す。 特に、今の時期は冬の身体から夏の身体へと切り替わる時期で、発汗させて全身の毛穴を開き、身体自体を「閉じる」モードから「開く」モードに移行する必要があって、温泉は最適だ。 湯河原の主泉質である塩分と石膏成分は、肌の表面に微細な膜を作る。これが熱を逃がさず、体の「芯の芯」まで熱を届ける。表面だけが熱くなるお風呂と違い、骨から温まるため、全身の毛穴が根元からしっかりと開く。 弱アルカリ性のやさしいお湯が、冬〜春にかけて硬くなりがちだった皮膚の表面や毛穴の詰まりをマイルドに柔らかくしてくれる。汗腺の「蓋」が外れ、スムーズに発汗できる状態に導いてくれる。 「閉じる(交感神経・緊張)」から「開く(副交感神経・弛緩)」への切り替えには、長湯をしても体に負担の少ない、湯河原のような優しくまろやかな泉質がよい。 温泉で汗を書いたらしっかり水分を取り、万葉公園や不動の滝に散歩に行く。 露天風呂もそうだが、日本の空間


大塩温泉@丸子(まるこ)温泉郷
大塩(おおしお)温泉は、鹿教湯温泉から車でわずか5分ほどの場所にある、非常に静かで鄙びた温泉地。 鹿教湯温泉・霊泉寺(れいせんじ)温泉とともに「丸子温泉郷」を構成していて、3つ合わせt環境省の国民保養温泉地にも指定されている。 大塩温泉は、武田信玄の隠し湯ともされ、川中島の合戦で負傷した武田軍の将兵が傷を癒したという伝説が残る古湯。 ラジウムを多く含む弱アルカリ性の硫酸塩泉で、源泉温度が約35〜36度と体温に近いので、じっくりと長湯をするのに最適な「ぬる湯の名湯」。 かつては複数の温泉旅館があったが、現在は一般向けの宿泊宿としてはほぼ機能しておらず、日帰りで温泉に浸かれる共同浴場施設がひっそりと営業を続けている。 しかも、ここのすごいところは公民館の中にあるところ。 大塩温泉共同浴場 (大塩温泉館)。 無人で200円を入れるタイプ。浴槽が2つあり、小さな浴槽は36度前後の源泉そのままのぬる湯、大きな浴槽はボイラーで加温された適温の湯となっている。 極上のヌル湯は、日本の暑い夏ではどこまででも入れそう。 出た後も、半日は体の内部がポカポカして余韻の