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天然ラドン温泉 すずむし荘

  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

安曇野ちひろ美術館のすぐ横には、「すずむし荘」という、天然ラドン温泉(馬羅尾天狗岩温泉)を楽しめる宿泊・日帰り入浴施設があった。


野生のスズムシは「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されているが、ここ長野県松川村は鈴虫が自生(野生化)しているらしい。それはホタル生息地と同じで、水がよく、環境がよい証拠とも言える。


泉質: 単純弱放射能温泉(弱アルカリ性低拡張性泉)



天然ラドン温泉が楽しめる施設はそう多くない。


しかも、10分連続で入ったら、4時間くらいは全身がポカポカ(特に頭)となり、帰りも夢見心地だった。



ラドンはガスなので、露天より室内でしっかり蒸気(ガス)を吸入した方が効果が高いです。


浴室内に充満する湯気(ラドンガス)を肺から吸収する。体内のラドンの約90%は呼気から取り込まれると言われている。



ラドン温泉は、温泉水に含まれる微量の放射性ガス(ラドン)が全身の細胞を刺激することで、自然治癒力を高める「ホルミシス効果」が期待できる。


「ホルミシス」とは、大きな刺激は害になるが、ごく微量の刺激は生体を活性化させるという現象のこと。



地下深層の岩石(特に花崗岩)には、微量のウランが含まれている。ウランが長い年月をかけて放射性崩壊を繰り返すと「ラジウム」という元素に変わり、ラジウムがさらに崩壊する過程で「ラドン」というガス(気体)が生まれる。


ラドンは不活性ガスなので、他の物質と化学反応を起こしにくく、水に非常に溶けやすい。岩石の隙間にある地下水が、周囲の岩石から放出されたラドンガスを取り込みながら、地上へと湧出する。


ラドンは地上に出て空気に触れると徐々に放散していく。



ラドンの半減期は約3.8日と短いので、新鮮なお湯ほどラドン濃度が高い。


天然ラドン温泉は、こうした地球の活動で生まれた貴重な成分を直接利用している。



いわゆる「人工ラドン泉」は、天然鉱石(ラジウム鉱石)を浴槽に入れて、鉱石に含まれるラジウムからラドンが溶け出すことを期待したり、人工装置(ラドン発生器)でラドンガスを発生させるお風呂もある。



学術論文では、低線量放射線での「ホルミシス効果」に関しては、抗酸化作用(活性酸素を抑制するSOD酵素活性の上昇)、免疫系の活性化(CD4/CD8陽性細胞の増加)、DNA修復とアポトーシスの誘導、などの報告がある。



日本では三朝(みささ)温泉(鳥取県)が岡山大学との疫学調査が世界的に有名。


1952年から1988年までの37年間にわたって、三朝温泉地区(高ラドン地域)の住民と、近隣の対照地域(低ラドン地域)の住民の全がん死亡率を調べたところ、男性で0.54、女性で0.46という極めて低い数値を示した(日本全体の平均を1.0とした場合)。特に、肺がん、胃がん、大腸がんなどの死亡率が有意に低く、放射線ホルミシスを裏付ける重要な根拠の一つとなった。


Jpn J Cancer Res. 1992 Jan;83(1):1-5.

Cancer mortality survey in a spa area (Misasa, Japan) with a high radon background

M Mifune 1, T Sobue, H Arimoto, Y Komoto, S Kondo, H Tanooka



岡山大学のその後の追加研究でも、抗酸化酵素(SOD、GPx、カタラーゼ)の活性化、免疫の活性化(ヘルパーT細胞)の報告もある。


もちろん、温泉地の住民は生活習慣(食生活や運動量)が都市部と異なるため、放射線だけが要因とは限らないという反論があるものの、37年間も追跡したのは只ならぬ学者の情熱を感じるし、温泉で体だけではなく、心もご機嫌(well-being)になることも、温泉効果であるとは思う。



ちなみに、日本の三大ラジウム温泉は、増富温泉(山梨県)、三朝温泉(鳥取県)、村杉温泉(新潟県)(or玉川温泉(秋田県))と言われているので、ぜひ地球の息吹を感じる湯治旅もお薦めです。


すずむし荘の日帰り温泉は大人600円と破格の値段で、最高でした。

芸術と温泉で、身も心もトロトロになってください。



すずむし荘

長野県松川村北安曇郡399-8501



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