

体を学ぶこと
定期的に、慶応大SDMと共同で「道の学校」というものをしています。 この会は、古来の体の使い方を、現代的な体の使い方と対比させながら学び、新しい身体観の統合や総合へと向かっていく営みです。 2020年に東京オリンピックが行われるので、その前段階として自分なりに考えてやって...


遥かなる親指
赤ちゃんを見ていると、ものをつかもうとするが、まだ親指がうまく使えないので、ちゃんと握ることはできない。 親指を曲げて、親指の指先だけを自由に動かす筋肉は、霊長類の中で人間だけが獲得した筋肉であって、赤ちゃんは霊長類の進化の最終段階をOJT(On-the-Job...


ことばの力
ことだまの力っていうのは本当にある。 だからこそ、言葉は大切に使わないといけない。 むかしのひとは、一音一音にかみさまがいるって感じてたことを、もっと真剣に考える必要があると思う。 井筒俊彦先生の著作にも『Language and...


失いかけ離れていこうとする古代の記憶
モロー反射という、赤ちゃんの原始反射がある。 頭を支えている手を緩めると、手を前に突っ張ってものを掴もうとする動作のこと。脳幹レベルで記憶が残っている反射の1つで、生後4ヶ月には消えるとされる。 お母さんから離れないように掴もうとする反射だとされるが、それだけだったら生後4...


野口晴哉『偶感集』より
野口整体の創始者 野口晴哉先生。 野口晴哉先生は1911年生まれで1976年に亡くなっているのでお会いしたこともない。整体協会に入っているわけではないので、正式な弟子でも何でもない。 ただ、 野口晴哉先生の文章を読んでいると、熱いものが流れ込んでくるのを実感する。 ...


人体という神殿
赤ちゃんは呼吸を頑張ってる。 肺での呼吸がメインだが、それでいて、魚のように全身で波打つように呼吸している。かかとまで、体がかすかに波うっている。 特に、横隔膜での呼吸法も頑張って練習しているみたいだ。 横隔膜は、2億5000万年くらい前の中生代(三畳紀)にほ乳類から獲得し...


動きの原初
赤ん坊の体の動きを見ていると、脳で指令を送っているわけではなく、体そのものが動きたい方向へ動いているから美しい。脳はまだわきまえを知っている。 舞踏のようで、歌舞伎の「見えを切る(見得を切る)」ようで、岡本太郎のポーズのようでもある。...


死を想う
人は生きている限り死から逃れることはできないし、それはやがて順番に訪れるもの。 自分の番がいつくるかは誰にもわからないし、誰が先か後かもわからない。 ただ、それは何かのつながりや関係性や全体性の中で起きている。 生まれて生きていることを与えられた以上、死は忘れていても誰に...


視点はそうして交叉する
自分は、2011.3.11の後、福島に医療ボランティアで何度も足を運んだ。 医療には即効的な力があり、だからこそ急性期には必要とされた。 ただ、だからこそ、やればやるほど、医療の限界も強く感じた。 できることが分かることは、できないことが分かることでもある。 ...


毛もの
赤ちゃんを見ていて、人間は「獣(けもの)=毛もの」として始まるのだな、と改めて思った。改めて驚いた。 敢えて「毛もの」として出てくるのは、産道(参道)を通りやすくするためか。母への愛ゆえか。 言葉は面白い。 獣(けもの)は、毛もの。 動物は、動くもの。 ...