村上春樹ライブラリーと「いのちを呼びさますもの」の通路
村上春樹ライブラリー(早稲田大学 国際文学館)に行った友人から(自分も行きたい!)、村上春樹関連本として、かなり目立つところに稲葉の赤本(「いのちを呼びさますもの」(アノニマ・スタジオ))が置いてあったよ!びっくり!と、連絡来ました。
3度の飯より村上春樹世界を愛する自分としては光栄!なんだかうれしい~!!!(春樹さんが読んでくれていると、嬉しいなぁ・・)
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1丁目6 4号館
「いのちを呼びさますもの」が、「ノルウェイの森(上巻)」を想起させる、からではなく、おそらく、赤本内に、かなりマニアっくな春樹引用を暗号のように散りばめているから、マニアの心に響いた結果かと思います。
たとえば。
第1章での引用では、 『踊る小人』や『飛行機―あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか』などの春樹作品から引用してます。ここから引っ張って来た人、世界中で自分だけじゃないかなぁ~。
でも、実際に本を書いている時、ここの一節がパンと脳内に浮かんだんですよね。不思議な無意識の通路を介して。
村上春樹ライブラリーに、行く理由できました。
ちなみに、伝説の舞台『ねじまき鳥クロニクル』(池袋芸術劇場、2020年)のパンフレットにも、私の名前を刻印して頂いたのも、春樹ファンとしては数少ない栄光!笑
大友良英さんも生バンドで出てたし、インバル・ピントの演出、アミール・クリガーや藤田さん(マームとジプシー)の演出など、ほんとうに腰ぬけるほどすごい舞台だったんですYO!
→参考ブログ
●February 27, 2020
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『踊る小人』(『螢・納屋を焼く・その他の短編』(1984年)より)
「小人の踊りは他の誰の踊りとも違っていた。ひとことで言えば小人の踊りは観客の心の中にある普段使われていなくて、そんなものがあることを本人さえ気づかなかったような感情を白日のもとに―まるで魚のはらわたを抜くみたいに―ひっぱり出すことができたのだ。」
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『飛行機―あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか』 (「TVピープル」(1990年)より)
「人の心というのは、深い井戸みたいなものじゃないかって思うの。何が底にあるのかは誰にもわからない。ときどきそこから浮かびあがってくるものの形から想像するしかないのよ」
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『ねじまき鳥クロニクル』(1994年)
「そんなことをあれこれと考えているうちに僕はひどく眠くなってきた。それも普通の眠さではない。それは暴力的と言ってもいいくらい激しい眠気だった。
誰かが無抵抗な人間からその着衣を剥ぎ取るみたいに、眠りが僕から覚めた意識を剥ぎ取ろうとしているのだ。」
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『騎士団長殺し』(2017年)
「それは言ってみれば、深い海底で起きる地震のようなものです。目には見えない世界で、日の光の届かない世界で、つまり内なる無意識の領域で大きな変動が起こります。それが地上に伝わって連鎖反応を起こし、結果我々の目に見える形をとります。私は芸術家ではありませんが、そのようなプロセスの原理はおおよそ理解できます。ビジネス上の優れたアイデアも、大体それと似たような段階を経て生まれてくるからです。卓越したアイデアとは多くの場合、暗闇の中から根拠もなく現れてくる思念のことです。」
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