身体性から、自分の「根」を見つめる。——10月17日、伊那へ
10月17日(土)、長野県伊那市の inadani sees で、半日の講座を開催します。
テーマは、「身体性から自分の根を見つめる」です。

私たちは日々、たくさんのことを「頭」で考えています。自分とは何者なのか。
けれども、自分という存在の「根」は、頭だけで探しても、なかなか見つからないものなのかもしれません。
植物が、目に見えない土の中へ根を伸ばしているように、人間にもまた、思考より深いところに自分を支えている場所があります。それが、身体です。
呼吸、鼓動、姿勢、歩くこと、触れること。疲れや心地よさ、言葉になる前の小さな違和感。
身体は、私たちが「分かる」よりもずっと前から、世界を感じています。
今回は、「身体について知る」というよりも、身体を通して、自分自身へ帰っていく時間にしたいと思っています。
そして、このテーマを考える場所として、伊那はとてもふさわしい場所です。
会場となる inadani sees は、森を中心に、人と自然、地域、文化、仕事、学びをつなぎ直す活動を続けている素晴らしい方々がつくっている場所です。
彼らがつくる 『sees magazine』創刊号には、私も登場させていただきました。

今回、「自分の根」という言葉から、私は森の根を思います。
一本の木は、一本だけで生きているわけではありません。
地上からは見えない土の下で、根を伸ばし、菌類や微生物と出会い、水や栄養を交換しながら、大きな生命の網の目の中で生きています。
人間も同じかもしれません。
身体(BODY)は、世界から切り離された「私」の容器ではありません。水を飲み、空気を吸い、食べものをいただき、光を浴び、他の生命と絶えず交換しながら生きています。その身体を深くたどっていくと、やがて土地(GROUND)に触れます。
山、森、都市。場所が変われば、呼吸も、歩幅も、眼差しも変わる。
身体は、土地が一時的に「私」という形をとって現れているものなのかもしれません。
そして土地(GROUND)のさらに奥には、根(ROOT)があります。
根は見えませんが、私たちを支えています。
家族、祖先、記憶、文化、土地、出会ってきた人々。私たちの根は、自分の内側だけではなく、さまざまな生命へと伸びています。
だから、自分の根を見つめるとは、
「自分とは何者か」という答えを見つけることではなく、自分が何につながって生きているのかを、身体で思い出すこと。なのだと思います。
BODYから、GROUNDへ。GROUNDから、ROOTへ。
根を深く張ることは、自分の内側へ閉じていくことではありません。
深く根を張るほど、世界とつながっていく。
伊那まで足を運ぶ機会は、なかなかない方も多いと思います。
だからこそ、講座に参加するだけではなく、ぜひ「伊那へ行く」という小さな旅そのものを楽しんでください。
秋の伊那の森で、身体の速度を少し落とし、自分の奥にある声に耳を澄ませる。
それぞれの身体から、それぞれの土地へ。そして、その奥にある根へ。
10月の伊那で、皆さんとご一緒できることを楽しみにしています。
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身体性から自分の根を見つめる
講師|稲葉俊郎(医師/医学博士/作家)
日時|2026年10月17日(土)12:30〜17:00
会場|inadani sees長野県伊那市西箕輪7200-27
詳細・お申し込みは inadani sees のウェブサイトから。
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