就実の丘 五大に皆響きあり
- 7月23日
- 読了時間: 3分
就実の丘(しゅうじつのおか)。
旭川市西神楽地区にある360度の大パノラマと美しい一本道が魅力の場所。
旭川から美瑛町に向かう途中に立ち寄る。
雨ですべては見えなかったが、大雪山の主峰・旭岳や十勝岳連峰のすべてを同時に見渡せる、数少ない貴重な展望スポットらしい。
北海道は、でっかいどう!を全身で体感できる場所にかんどう!
(北海道の面積は日本の国土の約22%(約5分の1))






旭川ではエバレット・ケネディ・ブラウン (Everett Kennedy Brown)さんとも旅をご一緒させていただいた。
エバレット・ブラウンさんは世界的な写真家でありながら、同時に山伏修行の実践をされていて、頭や理屈ではなく、全身で真理を体得されている真の実践者だ。まず佇まいが美しい。
すべて身体知として本質的な深い理解をされているため、その眼差しと洞察はとても深い。
ほら貝を旭川の山間で何度も聞かせていただいた。
眼をつぶって、音の反響を聞く。

山の中に複雑に響くほら貝の音を聞いているだけで、山の地形が脳の中にありありと浮かび上がってくる。物理的な地形というよりも、聴覚的な地球の形。
そして、10秒くらいは可聴音として響き、音の奥、奥の音をじっと聞いていると、自分の意識が山の奥にまで拡張していく。肉体という器の中に入っている意識体のようなものが伸びたり縮んだり、濃くなったり薄くなったりしながら、山の奥にまで広がっていく感覚になるから不思議だ。
これは脳内の「角回」や「側頭頭頂接合部」の感覚統合のバグで引き起こされる脳内現象と、脳科学的に片づけてしまっていいものだろうか。
実際、音が水輪のように広がっていき、大気中の水輪が天空に吸収されていく。目を瞑り、じっと聞いていると、空に響く鳥の音も共鳴して調和していることまで感じられる。空にも多様な音が溢れているが、しっかり聞いていなかったことを。


「やまびこ」は単なる音の物理現象とも表現されるが、声が返ってくるのは「山の神様(山の精霊)」が返事をしてくれているからだと考えられ、その正体を「山彦」という神様や精霊と呼んでいた。
「こだま」は、音の響き以上に、「樹木に宿る精霊」や「山の神仏の応答」という宗教的・詩的な意味合いがさらに強い言葉。樹木には霊魂(Anima)が宿り、声が返ってくる現象を「木の霊(こだま)」と呼んだ。
音を単なる物理的な空気の振動と考えるのではなく、「やまびこ(山彦)」や「こだま(木霊)」という自然界の応答、自然界との対話と考えていくと、それは単なる音ではなく、万物のいのちとの深い対話になる。そして、そのCall&Responseは、Animaとの対話であり、自分の中のAnimaまで呼びさまされる。
「Anima(アニマ)」は、ラテン語で「生命」「魂」「息」を意味していたが、これが現代の「アニメーション(命を吹き込まれたもの)」 や「アニマル(動物・生き物)」 の語源となっていると考えると、Animaは今も私たちの社会を動かす命の力としてしっかり働いているのだろう。

エバレット・ブラウンさんから頂いたギフトに感謝。今も思い出すだけで、音の響きが身体に蘇る。
「五大に皆響きあり、十界に言語を具す、六塵悉く文字なり、法身は是れ実相なり」
(空海『声字実相義』)
地球・宇宙のエレメントであるを5つの要素(地・水・火・風・空)は、すべて真理の「響き(バイブレーション)」が備わっている。この世界のあらゆる音、生き物の声、風の音や川のせせらぎさえも、すべて宇宙の本質(大日如来)が語りかけている言葉(文字・教え)である。
ほんとうのことば(真言)を唱えることは、自分という小さな楽器を宇宙の波長に同期(synchronization)・同調(tuning)させる行為なのだろう。




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