リスニングルーム by OJAS@パティーナ大阪
- 1 日前
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音による新しい空間の勉強のためリスニングルーム by OJAS@パティーナ大阪を見学。
パティーナ大阪は大阪城と難波宮跡という2つの歴史遺産の間に位置していて、緑に包まれた静寂の中、大阪城が時を超えて現出していた。
ニューヨークを拠点に活躍するアーティスト デヴォン・ターンブル(別名 OJAS)が、アナログ・オーディオの没入型スペースとしてのリスニングルームを創っている。


音を中心にして作られた空間設計。没入する瞑想的な空間。温泉の温浴空間ような音浴空間。
音浴空間に温泉を融合させれば「温音浴」空間になるのかもしれないと妄想は広がる。
西洋音楽の方向性と違って、東洋の音楽の歴史は、精神的な静寂や意識の探求などを含めた、ノイズを含んだ音そのものの探求の歴史が含まれている。尺八、琴、笛、笙、シタール、チベタン・シンギングボウル・・・・など。祭りなども含めた伝統音楽の中にも。
東洋の音楽と西洋の音楽の決定的な違いは、音をどう捉えるかという哲学の違いとも言える。それは東洋医学と西洋医学の違いで重要なのは生命哲学にあることととも似ている。
東洋では、ひとつの音の中に含まれる「倍音(音の響き)」や「ノイズ(かすれ、震え)」こそを重視する。一音の深みのようなもの。一音だけで、情景や感情を表現しようとする。
一方、西洋では複数の音を同時に鳴らして和音(ハーモニー)の美しさを追求する。音の重なりを重視する。音そのものはノイズの少ないものであることが求められる。
東洋では、演奏者の「呼吸(密息など)」に合わせてリズムが伸び縮みする。伸縮する間が重視される。「間」。音のない空間や時間こそが音楽の命となる。それに対して、西洋では規則的に進む「一定のリズム」が基本。大勢で合奏する共通ルールも発達しやすい。
また、東洋では風の音や虫の声と同じように、その場の空気感に合わせて音が生まれる。演奏者の解釈が大きな役割を果たす。即興と流れを尊重する。一方、西洋では建築物のように、緻密な計算でメロディや対位法が組み立てられる。作曲家の意図を正確に再現することが重視される。緻密な設計の尊重。
足し算の美(音を積み上げる)の西洋音楽に対して。引き算(一音を磨き上げる)の東洋音楽。
こうしたことは、尺八奏者・作曲家である中村明一さんによる『日本音楽の構造』(アルテスパブリッシング)でも、日本の伝統音楽からJ-POPまでを貫いた集大成的な刺激的な本から大きな学びを得た。

大阪城を瞑想的な気分で見つめて、音浴空間に身心を委ねながら、西洋と東洋が探求してきた音の世界を夢想する。音の中に音のない世界を感じながら。人間の身心や魂をどう捉えるのか・・・という歴史とも関わるし、それは未来にも影響する、、、そうしたことが頭の中に浮かんだり消えたりして、その揺蕩う(たゆたう)ような空間が至福だった。




パティーナ大阪から見える夜の風景も美しく。







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