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バッハ・コレギウム・ジャパン「メサイア」@軽井沢大賀ホール

先週は、軽井沢大賀ホールにて、バッハ・コレギウム・ジャパン「メサイア」を観てきました。

大賀ホールはどこから見てもステージがとてもよく見えて、構造が素敵です。


「メサイア」はヘンデルが1741年に作曲したオラトリオで、キリスト降誕の預言からその復活までを描いています。


●Royal Choral Society: 'Hallelujah Chorus' from Handel's Messiah





第三部で復活と永遠の生命が歌われた時に、ふと頭に浮かんだことは、キリストの「いのち」が、人類の「いのち」に重なり、そのことを復活と呼んだのだ、と思いました。つまり、物理的な肉体の再生よりも、キリストの「いのち」が、生きている者の「いのち」へと入り込み、そうした「いのち」が持つ神秘的で奥深い本質そのものを歌っているのでは、と。


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ちょうど、その前日がFM軽井沢「今こそ永遠」の最終回の収録だったのですが、そこでは、5人目のビートルズとしてのサトクリフの死と、ビートルズの中へのいのちの再生の話をしました。


画家でもあったジョンの親友、若きサトクリフは、ビートルズデビュー直前に22歳で突然死してしまいます。ただ、彼のいのちは「死して成れ!」(ゲート)というかのように、ビートルズの中に入り込みます。ビートルズメンバーも、追悼の思いを隠しません。

「With the Beatles」(2作目)のジャケット写真はまるで遺影のように闇から浮かぶ写真ですが、これはサトクリフが亡くなったことを聞いた時、彼のアトリエで闇の中の光が差し込む瞬間に撮影されたジョンやジョージの写真がモチーフになっています。「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」(8作目)のジャケット写真の左上には若きサトクリフの写真が載っています。

その後のビートルズからは、あらゆる形でサトクリフの命を感じるのですね。お前はここに生きているよ、と言わんばかりに。 

サトクリフの「いのち」は、ビートルズの楽曲に深く染み入り、そのことこそがビートルズやジョンの音楽に深みや陰影、翳りとしての美を与えているのではないかと、前々から感じていたのです。


そうしたことと、ヘンデルの「メサイア」を重ね合わせながら聞きました。うした啓示を軽井沢という土地で感じ、バッハ・コレギウム・ジャパンのオラトリオを聞いてほんとうに素晴らしいものでした。宗教的な体験としての音楽を改めて感じた瞬間でした。















軽井沢も雪がとけてきました・・・

水がこういう形態に形を変える、ということ自体が、不思議でしかないですね・・・。





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