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アンドリュー・ワイエス展@東京都美術館

  • 21 時間前
  • 読了時間: 3分

アンドリュー・ワイエス展@東京都美術館を見に行く。



アンドリュー・ワイエスは、20世紀アメリカの画家。

抽象画が流行った時代に、独自の「具象(写実)絵画」を貫いた人。


ワイエスは、アメリカ北東部のニューイングランド(メイン州など)を舞台に選んだ。

ニューイングランド地方は、南部と北部でガラリと雰囲気が変わる。

ボストンを中心とする南部は、ハーバード大学などの有名な大学が集まる学問の街で、ITやバイオテクノロジーなどの最先端の仕事が多く、富裕層が集まっています。

北部(メイン州、バーモント州など)は、一気に人口が少なく田舎になる。昔ながらの自然が豊かな一方で、大きな産業が育たず、最先端の経済から切り離されたような印象を与える場所とのことだ。



北部ニューイングランド(メイン州)にある古い家屋や乾いた草原は、近代化の時代に取り残されたものに見えるが、彼は風化していく古い建物に潜む生命力を細部まで緻密に描き出した。そこには、時を経たものへの深い愛が込められている。



微細な変化と光をもとめて彼はテンペラや水彩を使い、草の一本、窓枠の傷まで細かく表現している。季節の移り変わりや、時間による微細な変化が画面から漏れ出るように。




暗い室内から窓の外へ向けられた人物の視線は、静謐に光をもとめているかのように見えるし、光と影の強い対比は、見る人に深い物語を感じさせてくれる不思議な印象を与える。




ワイエスの絵には、人が描かれていなくても、そこに誰かがいたような気配(不在の存在感)が漂う。


たとえば、ついさっきまで人が座っていたような椅子、風に揺れるカーテン。

28歳で父親を亡くした経験から、彼の絵には常に「生と死」や「喪失感」の気配が美しく溶け込んでいるのだろうか。



見ていて感じたのは、ワイエスの水彩画や素描は、東洋の水墨画と重なる部分があること。

余白を大きく活かした構図、モノトーンに近い茶褐色・黒を基調とした色使い。色を多く使わないからこそ、見る人の想像力をかき立て、精神的な深みを生み出している。



出典を見て驚いたのは、「丸沼芸術の森」の所蔵が多かったこと。


丸沼芸術の森は、埼玉県朝霞市にある民間のアトリエ・芸術施設。1985年に丸沼倉庫の社長である須崎勝茂氏が、若い芸術家を支援するために設立。現代美術家の村上隆氏も、若いころにここのアトリエで過ごし、これまでに40人以上の芸術家がここから巣立っている。素晴らしい地道な活動だ。


若い芸術家たちが勉強するための「教材」としてアート作品を集めた結果、238点ものワイエス作品が集まっているらしい。


常設展はないようなので、企画展があるときにぜひ訪れてみたいと思う。



アンドリュー・ワイエス展は7月5日まで。一部写真可だったものもありました。ぜひ。




東京都美術館開館100周年記念

アンドリュー・ワイエス展

100th Anniversary of the Tokyo Metropolitan Art Museum

ANDREW WYETH Boundaries or Windows

会期2026年4月28日(火)~7月5日(日)




帰りは不忍池を歩く。


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