びえい白金温泉 白ひげの滝@北海道美瑛町
- 7月24日
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美瑛町にある白金温泉にも足を運んだ。

美瑛町は、北海道のほぼ中央(大雪山国立公園のふもと)で、「日本で最も美しい村」連合にも加盟している町。
白金温泉は標高約600メートルの山麓にあり、「杖忘れの湯」と称される名湯。
1950年に湧出した際、当時の美瑛町長が「泥の中から貴重なプラチナ(白金)を見つけた思いだ」と喜んだことからその名が付けられたらしい。実際にプラチナが出ているわけではないけれど、水の美しさはそのイメージをつたえている。
泉質: ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性中性高温泉)
溶存物質総量(ガス成分を除くミネラル濃度)も5,200mg/kg(5g/L)と非常に豊富な成分を含んでいる。


日本の温泉基準「溶存物質量1,000mg/kg以上」を大きく超えているけれど、体液の浸透圧(約8,800mg/kg)よりは低いので分類は「低張性中性高温泉」となる。
陰イオンの硫酸イオン(SO₄²⁻)が多いので、肌の脂分を洗い流してすべすべにする美肌効果や、血管拡張での血行促進効果が強い。
陽イオンのカルシウムやマグネシウムが多いので、硫酸塩の組み合わせで、鎮静効果や炎症抑制効果が強まっていて、これが「傷の湯」や「杖忘れの湯」と呼ばれる強力な鎮痛効果の源になっているようだ。
鉄(Fe2+/3+)は約3.5mgと含有量はわずかにもかかわらず、かなり鉄分の感じが強い。鉄分が空気に触れて酸化して白金温泉特有の「ほんのり茶褐色(うぐいす色)」の濁り湯へと変化しているから、この微量要素がどれだけ人体に影響を与えているかと思うと、不思議でならない。いかにミクロ世界に支えられているかと。
成分濃度が濃いので、温泉が空気に触れて温度が下がると、溶けきれなくなったカルシウムや鉄などの成分が浴槽の縁や床に結晶になってびっしり固着する。
浴槽の芸術「石灰華」である。
成分が濃厚な本物の温泉である証拠。
「湯の花」や「石灰華」など、日本人が温泉の中にも「花(華)」を見出していくのは、世阿弥が能楽を「風姿花伝」として花のメタファーで捉えたのと同じ。
身体の中の植物性臓器(植物世界)とシンクロすることで、ミクロコスモスとしての人体と、マクロコスモスの宇宙との照応を、温泉に浸りながら感じていたのかもしれない。
露天風呂も巨石が多くて気持ちよかった。
露天風呂は、大自然のエネルギーを「五感」を通して身体に直接取り込み、自然界の要素(地・水・火・風)と自分自身を一体化させることで心身を調律するための先人の優れた知恵。
北海道は温泉大国。最高ですね。名湯、ぜんぜん回れないほどたくさんあります。
びえい白金温泉
森の雫 RIN
(旧:大雪山白金観光ホテル)
〒071-0235 北海道上川郡美瑛町白金
泉質:ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉(低張性中性高温泉)
泉温: 51.7℃
pH値: 7.0(中性)
(加水・加温・循環なしの源泉かけ流し100%)

びえい白金温泉 森の雫 RINから、徒歩2分で名所「白ひげの滝」まで行けた。

白金温泉に溶け込んでいるアルミニウムが美瑛川の水と混ざり合って、微細粒子(コロイド)となり、太陽光が青い光を散乱させて「白ひげの滝」や「白金青い池」などのコバルトブルーを生んでいる。
まさに白金温泉の溶存成分が人間にも溶け込み、土地にも溶け込み、様々な化学変化を起こしている。
地層の割れ目から湧き出た地下水が、岩肌を伝って白い髭のように美瑛川へ流れ落ちる姿は美しかった。
白い川底がさらに青さを引き立てている。
太陽の光(白光)は、虹の7色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)がすべて混ざったもので、通常の水が青色(水色)に見えるのは、波長の長い「赤い光」を吸収することで、吸収されずに残った「青い光」が底から跳ね返ってきて、水や海は青く見える(水色って不思議な名前)。
「白ひげの滝」ではアルミニウムが生み出す小さなコロイド粒子に、波長の短い青い光だけが次々とぶつかり散乱して、水中で四方八方に広がることで、より深い青色に見える。
光の強さ、光の入る方向など、あらゆる自然条件で「青」の違いが変化し続けているとすると、今見ている「青」は永遠に訪れない一回限りの「青」なのだろうし、美瑛のコバルトブルーは、「太陽の光+火山+鉱物+水」の融合芸術とも言えるのかな。
ここは十勝岳の噴火、火山噴火が作った滝でもあり(溶岩層の割れ目から染み出た滝)。
横尾忠則さんも、滝を絵画のテーマにしていた。
地球の存在を実感としてありありと感じる旅こそが、まさに湯治の醍醐味でもある。
「世界がどのようであるかということが神秘なのではない。
世界が存在するというそのことが、神秘なのだ。」
ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』


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