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「身心変容と医療/表現~近代と伝統 先端科学と古代シャーマニズムを結ぶ身体と心の全体性 (身心変容技法シリーズ3)」(日本能率協会マネジメントセンター)

3/23に、ものすごい本が出ます。

ものすごい、というのは、本の分厚さと存在感がすごいからです。


●【Book】2021/3/23:「身心変容と医療/表現~近代と伝統 先端科学と古代シャーマニズムを結ぶ身体と心の全体性 (身心変容技法シリーズ3)」(日本能率協会マネジメントセンター):稲葉俊郎「未来の医療と身心変容」「日本最古の医書『医心方』に見る身心変容」「体育と教育と医療」(→Amazon







もともとは、身心変容技法研究会という、宗教、文化人類学、藝術、音楽、舞踊、医学・・・あらゆる領域を「身心変容(体や心を変容させる)」技術という視点で見直してみよう、という研究会で、自分も大いに共感して参加していました。


鎌田東二先生という徳の高い天才研究者?宗教者?を縁の行者(役行者)として、多くの人が集う研究会でした。

最初は京都大学 こころの未来研究センターにて、鎌田先生が京大教授を退官した後は、後任の地である上智大学のグリーフケア研究所にて。

自分も医師としてよりも、一人の研究者として参加させてもらいながら、多くの学びを得ました。

最終年度は科研費Aもとりながら、毎年論文を書き上げました。






今回の大著(624ページ!)には、自分の論文が3つ収録されています。

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●第2章 多様な医療における身心変容技法

「未来の医療と身心変容」

稲葉俊郎(軽井沢病院副院長・総合診療科医長/医師・医学博士)


「日本最古の医書『医心方』に見る身心変容」

稲葉俊郎(軽井沢病院副院長・総合診療科医長/医師・医学博士)


「体育と教育と医療――オリンピックの可能性」

稲葉俊郎(軽井沢病院副院長・総合診療科医長/医師・医学博士)

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自分も改めて読み直しながら、熱い研究会だったんだなぁ、と思い出しました。



疫病の流行で、あらゆる社会基盤が更新されている時代に、あらためて宗教や医療の原点を考え直すためにも、とっても刺激的ないい本ですので、ぜひお読みいただければ。


3月23日発売です。

個人では買えないー、という方は、ぜひ地元の図書館に購入依頼を出して、図書館にも置いてもらいたい本です!


ぜひお読みください~!





















(以下、Amazon紹介ページより)

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【内容紹介】

身心変容技法研究は、

京都大学名誉教授の鎌田東二氏を研究代表者として、

「心の荒廃」が社会問題となり、未来のグランドデザインは描けない現代に向けて、

2011年にはじめられた科研費による研究である。


身心変容技法とは、

「身体と心の状態を当事者にとって望ましいと考えられる理想的な状態に切り替え、

変容・転換させる知と技法」

であり、古来、宗教や芸術、武道、芸能など諸領域で編み出されてきた。


研究は、この時代状況から抜け出ていくための宗教的リソースないしワザ(技術と知恵)として、

この「身心変容技法」に着目。


具体的には、


・神秘思想における観想

・仏教における止観や禅や密教の瞑想

・修験道の奥駆けや峰入り、滝行

・合気道や気功や太極拳


などの各種武道・芸道等々があり、

それらさまざまな「身心変容技法」の諸相(特色)と構造(文法)と可能性(応用性)を、

文献研究・フィールド研究・実験研究・臨床研究の手法により総合的に解明する。


そして現代を生きる個人が、

自分に合ったワザを見出し、活力を掘り起こしながら、

リアルな社会的現実を生き抜いていくことに資する研究成果を

社会発信することを目的としている。


この「身心変容技法シリーズ」は、それら研究の成果を、

専門家、研究者の枠を超えて、より多くの読者に届けるべく、企画された。


●心と身体の変容の伝統、技術、価値を現在の私たちの生き方に生かしていくこと。

●身心変容技法というものが、個人の在り方を根本的に変容する可能性を持つもので、

新しい生き方を考える現在に必要な学びであること。

●現在が、新しい生き方の要請される人類史的な転換点にあることにあり、そのヒントとなること。


これらの問題意識が、身心変容技法シリーズにまとめられた学問研究には通底している。


本巻では、新型コロナウィルスの感染拡大で苦しんでいるさなか、

医療や癒し、臨床にかかわるさまざまなヒントを提供する論考を集めた。


瞑想の科学と、身心変容技法の事例研究の両面を含み、

それらを臨床的に統合、総合しようという試みである。


本書を通して、生きる力の源泉に触れ、生の指針を得ていただければ幸いである。



【目次】

●序章

「医療と身心変容技法の原点と展開」

鎌田東二(京都大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所特任教授/研究代表者)


●第1章 マインドフルネスと統合医療

「マインドフルネスと認知行動療法」

熊野宏昭(早稲田大学人間科学学術院教授/臨床心理学・行動医学)


「統合医療の観点からの負の感情の浄化と霊的暴力」

林紀行(仁泉会病院医員/内科・精神科)


「マインドフルネスの彼方へ」

井上ウィマラ(マインドフルライフ研究所:オフィス・ラクダ主宰)


●第2章 多様な医療における身心変容技法

「未来の医療と身心変容」

稲葉俊郎(軽井沢病院副院長・総合診療科医長/医師・医学博士)


「日本最古の医書『医心方』に見る身心変容」

稲葉俊郎(軽井沢病院副院長・総合診療科医長/医師・医学博士)


「体育と教育と医療――オリンピックの可能性」

稲葉俊郎(軽井沢病院副院長・総合診療科医長/医師・医学博士)


「自律性療法(心身医学)と後期シェリングの神話と啓示の哲学」

濱田覚(京都大学大学院教育学研究科教育科学専攻教育学講座(教育哲学)博士後期課程)


「現代日本手技療法――脊椎操法の実証的研究へ向けて」

藤守創(哲学博士(パリ第1大学))


「東洋医学治療と音――気滞、お血を動かす音」

中田英之(練馬総合病院漢方医学センター長/産科婦人科・漢方医学)


「峨眉丹道医薬養生学派の気功と武道における身心変容技法研究」

張明亮(峨眉丹道医薬養生学派十四代伝人/中医師・気功家)


●第3章 心理療法と精神医学と神経科学

「心理療法における暴力の浄化とその危険――ユングの体験から」

河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター教授・センター長/ユング派分析家・公認心理師)


「音楽療法における身心変容の諸相――医学・トランス・強度」

阪上正巳(国立音楽大学教授・精神科医/音楽療法研究)


「「畏敬の念」は攻撃行動を生ずるのか」<? br> 野村理朗(京都大学大学院教育学研究科准教授/教育認知心理学)


「神経科学と身心変容――分子・神経回路から世界史まで」

松田和郎(日本老人福祉財団京都ゆうゆうの里診療所所長/朝日大学歯学部非常勤講師)

「分子生物学的視点からみた外的ストレスと恒常性維持」

古谷寛治(京都大学放射線生物研究センター講師/生物分子科学)


●第4章 音楽・知覚・演技と身心変容技法

「声の力と意識変容体験」

町田宗鳳(広島大学名誉教授/比較宗教学)


「ヒルデガルトの音楽と言葉――声を発し、記す身体」

柿沼敏江(京都市立芸術大学名誉教授/音楽学)


「ディープ・リスニングと身心変容技法――ポーリン・オリヴェロスの体験を通じて」

藤枝守(九州大学名誉教授/作曲家)


「記憶・知覚・身体への芸術的アプローチ――inter-Score/行為を誘発する装置としての記譜」

高橋悟(京都市立芸術大学美術学部教授/構想設計)


「俳優からパフォーマーへ――グロトフスキの〈否定の道〉」

松嶋健(広島大学大学院人間社会科学研究科准教授/文化人類学・医療人類学)


「風聞の身体、名もなき実在論――奄美群島の宮澤賢治」

今福龍太(和光大学特任教授/文化人類学)


「〈あわい〉の身心変容技法」

安田登(能楽師・ワキ方(下掛宝生流))


「無心のケアのために――断片ノート」

西平直(京都大学大学院教育学研究科教授/教育人間学・教育哲学・臨床教育学)


「現象学から創発学へ――一九九〇年以降フランス哲学における「生ける身体living body」の誕生」

ベルナール・アンドリュー(パリ大学スポーツ科学部教授)/訳・奥井遼(同志社大学社会学部教育文化学科助教)


●第5章 芸能とシャーマニズム

「チベットの宗教と身心変容技法の社会性」

小西賢吾(金沢星稜大学准教授/文化人類学)


「韓国シャーマニズムの「巫病」に見る身心変容」

金香淑(日本大学文理学部講師/文化人類学・比較文化論)


「女性の心の病とアンダイ儀礼」

アルタンジョラー(京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程在籍/シャーマニズム・民俗医療研究)


「神事芸能と身心変容技法――国風の歌舞(春日大社社伝神楽と神楽歌)」

木村はるみ(山梨大学教育学研究科准教授/舞踊学)


「「癒しのわざ」の現場から――治病・除災儀礼からたどる九州の「行者文化」」

加藤之晴(駒澤大学総合教育研究部非常勤講師/宗教学・シャーマニズム研究)


●終章

「社会のなかの仏教と仏教身体技法――正法理念から見た仏教の倫理と身体」

島薗進(上智大学グリーフケア研究所所長/宗教学)


「新たな医療の領域と精神文化に根ざしたケア――孤立化の時代における地域文化資源」

島薗進(上智大学グリーフケア研究所所長/宗教学)

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