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「北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2021」『工芸×Design 13人のディレクターが描く工芸のある暮らしの姿』稲葉俊郎×シマタニ昇龍工房

今年の9-10月に、「北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2021」があります。

北陸の工芸(伝統技術+未来)を中心にした大規模な展示です。

[特別展Ⅱ]『工芸×Design 13人のディレクターが描く工芸のある暮らしの姿』という企画があり、自分もそのディレクターの一人として出ます。稲葉俊郎×シマタニ昇龍工房です。



中田英寿さんとか原研哉さんとか皆川明さんとか、錚々たる方々が出られて、なぜ一人だけ医療職なのだ?!と突っ込まれそうですが、自分は自分なりの視点で伝統工芸の素晴らしさや本質を受け止め、生活に溶け込ませていく提案をしたいと思います。

自分だけ毛色が違いそうですが、そこは多めに見てほしいです。







長野は、「甲信越」地方の分類だと、山梨県・長野県・新潟県(甲斐、信濃、越後)の連合体として、関東・甲信越地方として呼ばれますが、北陸新幹線の観点で見ると、上信越・北陸地方として、北陸(新潟県、富山県、石川県、福井県)と一体として考えられます。つまりは、東京から見たときにはちょうど北陸とのあわいの場所が長野、でもあるわけですよね。

海のない山岳地域の長野は、8つの県に隣接していて8つの県境は長野県のみです(群馬、埼玉、新潟、富山、山梨、静岡、岐阜、愛知)。


そうした場所の特質を生かして、東京カルチャーと日本海の北陸カルチャーをうまく接続するような役割ができれば、と思います。



わたしは、「シマタニ昇龍工房」の島谷好徳さんとご一緒させていただきます。

手作りで仏教の「おりん」(正式には「鏧子(けいす)」という名前のようです)を作られているすごい技術を持った方です。

工房で実際の工程を見ましたが、耳と音だけを頼りにおりんの形を調えていく姿は、異次元の世界です。


職人の言葉で、「甲・乙・聞」の3つの音が存在していて、

「甲(カン)」の音は、打った瞬間に出る「カ~ン」と鳴る音。

「乙( オツ)」の音は、「ワ~ン・ワ~ン」鳴る中域の音。

「聞( モン)」の音は、最後まで鳴っている「モ~~~ン・モ~~~ン」という音。

この3つの音の波長(うねり)を整えていくのが、音の調整のようです。


古代から、この「音」だけを頼りに物体としての「おりん」(「鏧子(けいす)」)が作られ続けていると考えると、感動します。図面も何もなく、音の感覚しかないんですから。。。



ということで。

[特別展Ⅱ] はどういう展開になるかはまだ未知数ですが、[特別展Ⅰ]も、工芸的な美しさの行方 工芸+現代アート+アール・ブリュットという面白き企画。

9月10日から10月24日にかけての金沢を中心とする北陸の動きに、ご注目ください!




 


北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2021

9月10日(金)– 10月24日(日)

https://goforkogei.com/


[特別展Ⅱ] 工芸×Design 13人のディレクターが描く工芸のある暮らしの姿


本展では、13名のディレクターと北陸の工芸ジャンルを代表する13の工芸作家や職人がコラボレーションで制作を行い、コロナ以後に見直される暮らしの在り方をテーマに、デザイン化する工芸の潮流を踏まえた13通りの工芸のある暮らしの姿を提案します。展覧会では、陶芸、漆芸、金工、ガラス、和紙、染織の6ジャンルに焦点をあて、各チームがコラボレーション制作したプロトタイプ及びその制作プロセスの全貌を公開します。


参加チーム:稲葉俊郎×シマタニ昇龍工房、鬼木孝一郎×竹俣勇壱、シトウレイ×高橋悠眞、

secca×山近スクリーン、中田英寿×坂井直樹、中村弘峰×木田製陶所、原研哉×谷口製土所、

ブライアン・ケネディ×中田雅巳、細尾真孝×滝製紙所、皆川明×ピーター・アイビー、森岡督行×長田製紙所、

森義隆×富山ガラス工房、箭内道彦×東節子 (五十音順)

キュレーター:秋元雄史(練馬区立美術館館長)

会場設計:周防貴之(建築家)

期間:9月10日(金)~10月24日(日)

休場日:火曜(9/14,21,28,10/5,12,19)

開場時間:

sklo/午前11時~午後7時(石川県金沢市香林坊2丁目12−35)

Noetica/午前11時~午後7時(石川県金沢市下本多町6番丁40−1 2階)

入場料:有料(詳細7月上旬発表)





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