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Web記事:tempo2 :稲葉俊郎「人生の虚と実」

Fujitsu Global フリー冊子である『tempo2』ですが、なかなか冊子として見ることがなかったかもしませんが、自分の記事だけWeb公開になりましたので、よろしければどうぞー。

Web



自分の他にも、俳優の満島ひかりさん、独立研究者・森田真生さん、ISSEY MIYAKEデザイナーの近藤悟史さん、能楽師の有松遼一さん、花屋・みたてさん・・・など、とっても面白い方の面白い記事が目白押しで、現物探して読んでほしいなぁ。


Webの取扱場所を見ると、東京だと、お友達の野村友里さんがやっているeatrip soil(東京都渋谷区神宮前5-10-1 表参道GYRE 4F)なんかいいんじゃないでしょうか?! 長野だと、本・中川さん(〒390-0803 長野県松本市元町1-3-27)しか扱っていない!涙


あ、そういえば軽井沢病院の待合室には、置いてありますので(自分が投稿した記事がある雑誌も読めるよう、色々置いてあります)、そちらで読んでもらってもいいですー。笑




cf.

当時の記事

●February 18, 2021







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「虚と実」というテーマを聞いて頭に浮かんだのは、頭を「虚」、体を「実」とした人間のメカニズムのことでした。体をリアルな「実」だとすると、多くの困り事は脳内で作り上げた「虚」の世界に振り回されていることが多いのです。虚と実の差異が拡大するほどに体や心が病気になり、それにより復元力が働きます。体がタフな人は人間関係のトラブルとして顕在化してきます。ただ、そのトラブルの実体は、自身の頭と体の関係の歩調があっていないことが多く、医師の仕事としては、患者さんの絡まった糸をほぐすような仕事をしている気がします。


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人間が生まれて、生きて、死ぬ。このサイクルが、人生の全体性です。すべてはこの全体の一場面です。大きく見ると生命の流れそのものです。失敗のようでも成功のようでも、あらゆる〝今〟の積み重ねは、このサイクルの一コマです。常に人生の全体性に立ち返りながら、では、その人はどういう人生を送りたいのか。それを真剣に考えることが、人生という作品だと思います。


例えば40歳の人が生まれてからこれまでの40年を振り返ると、今までの人生は脈絡がなくバラバラな気がするかもしれません。ただ、自分のすべてを冷静に検証し、再接続していく勇気があれば、次の40年の向かう先が浮かび上がってきます。カウンセリングにおいても、そうした心のプロセスの中で治癒が起きるわけですが、その時に一番ブレーキをかけているのも、やはり頭の世界です。頭が強固に作り上げた理屈や概念や価値観。理論武装された虚像です。頭は合理化に長けています。自分の頭を説得し納得させる理屈作りに長けているのが、その人自身の頭なんです。自分自身が自分の頭に騙されてしまうのです。

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