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nimai-nitaiの衣服

  • 執筆者の写真: inaba
    inaba
  • 4月16日
  • 読了時間: 4分

4月15日には御代田のlagom(MMoP)にて廣中桃子さん(nimai-nitai代表・デザイナー)の話を伺った。


「NIMAI NITAI(ニマイニタイ)」という名前の由来は、生きとし生けるものすべてにやさしく思いやりのある インドの神(nimai(ニマイ))と、その兄(nitai(ニタイ))が由来。インドと日本が兄弟のような関係でモノづくりをしていきたいという想いが込められている。


●【Talk Event】2025/4/15(Tue):11:00-12:00.「アートと福祉と地域(1)」ゲスト:廣中桃子さん(nimai-nitai代表・デザイナー)聞き手:稲葉 俊郎(医師)、司会/聞き手:須長檀(konst代表理事・デザイナー)@lagom(MMoP)(長野県北佐久郡御代田町馬瀬口1794-1 MMoP内)(申し込みWeb





私たち夫婦はnimai-nitaiの大ファンだ。


nimai-nitaiでは、糸一本からインドで手づくりを行っている。手作りで作られた糸をはじめとして、手作業で糸を織り布にして、植物などの自然素材で染める。そこに刺し子をして、糸のライン自体がデザインとなる。この全工程をインドの手作業で行うことで、インドの女性たちの就労支援につなげている。貧しい地区では男性も月200円くらいの現金収入で暮らしているとのことだ。


女性も自分でお金を稼ぐことで、誰かの顔色をうかがわずにお金を使うことができる。そのことが自尊心やほこりにもつながる。


糸からすべて手作りでつくられた衣服は、それだけでオーラをまとっている。そこに廣中さんの素敵なデザインが入り、色々な人の力の結集が調和の光をまとう。





私も妻もファッション業界にはかなり目が肥えている方だけど、そのすべての工程を経て届けられる衣服は、質が違う。オーラをまとっている、としか言いようがないものになっている。


廣中さんが起業されたきっかけは、学生時代にインドのブッダガヤ(ブッダが悟りを開いたところ)を旅した時に、その村で暮らす人たちの生活に衝撃を受けたから。学生時代の感性は素直だ。私も、今の仕事の原動力は、こどものころ、学生のころ、まだシステムに絡み取られていない時期の違和感が元になっている。


もちろん、インドで就労支援をしながらビジネスを行うのは容易なことではない。廣中さんはあまり悲壮感もないし、神経質でもないように見える。だから、目の前にある課題をひとつひとつ淡々と乗り越えるようにして、前へ前へと進んできたのかもしれない。自分たちがやってあげているんだ、という上から目線の視点は微塵も感じられないし、ただ共感した仲間とどうやって困難を乗り越えるのかを同じ視線で共に考える。出会いによって生まれた関係性を元にして、そこから課題を乗り越える発想が生まれてくる。





2009年にnimai-nitaiとしてスタートして、一本の糸からすべてを手作りでつくることからはじまったブランドは、2025年にはこうして素敵な洋服を日本に届けるまでになった。


インドでは、手つむぎ・手織りによって作られてきた生地を総称してカディと呼ぶ。ガンジーがインド独立のため「自らの衣服は自らで作る」と考えて行動し、イギリス製の機械織り製品に対して独立を果たすきっかけになった。カディによってインドが独立したように、貧困から自立するためのカディプロジェクトとして、糸を紡ぐ仕事場を、その土地にある素材を使って村人とともに建設されている。


ブッダガヤでのブッダ、糸車をひくガンディー。

偉人たちから受け継いだ霊性が、衣服には魂として宿っているかのようだ。場所には、霊性が宿るもの。







nimai-nitaiの新作を購入させていただいた。自宅で妻とじっくり衣服を見ながら対話が生まれる。糸を見て、刺し子を見て、ひとつひとつ生活をかけて命をかけてつむがれた衣服。ひとつひとつの工程に思いを馳せるようにして衣服を見た。こうした祈りのような衣服をまとうだけで、大切に衣服を着たいと思う。抜い手さんたちの顔が浮かんだ。






nimai-nitaiさんの新作はlagom(MMoP)で実際に手に取って見れるので、ぜひ実物を見ていただきたいし、手に触れて布そのものの優しい質感を感じてほしい。近江八幡にも常設展が開かれたばかりですので、そちらでもぜひ。







作り手の思いを届けるトークイベント「アートと福祉と地域」の第2回目は、ポンナレット @ponnalet_hayamaの江波戸玲子さん、中村夏実さん。


を開催しますアートが生み出す価値、福祉との交差点、地域が動き出す姿をテーマに、独自の地域を開拓しリアルタイムに活躍するゲストを迎えて対話します。ポンナレットは、ラオスやカンボジアの手織り布を用いて、オリジナルの着尺や帯などをデザインするブランドです。ブランドの始まりから、現地の職業訓練センターや工房とのつながりを築いてきた経緯まで、実際の現場の写真も含めてお話を伺います。トークイベント「アートと福祉と地域(2)」を開催します


日時:5月23日(金)11:00-12:00

会場:lagom @lagom_miyota (長野県北佐久郡御代田町)

参加無料(定員20名・事前予約制)

ゲスト:ポンナレット @ponnalet_hayama

江波戸玲子さん、中村夏実さん

聞き手:稲葉俊郎(医師・作家 @inabatoshiro )

司会/聞き手:須長檀(konst代表理事・デザイナー)





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