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Journal - 理想論Vol.14:対談:茂田正和×稲葉俊郎

2025/2/27:Journal - 理想論Vol.14:

対談:茂田正和×稲葉俊郎【前編】


後編は3月6日に公開されるようです。

(公開されました)



取材場所は軽井沢のKaruizawa Commongrounds内のSHOZO COFFEE KARUIZAWA。

セーターは横尾忠則さんと愛猫タマです。笑


ぜひどうぞ!





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□医療と芸術の接点をつくる

□科学と未科学の境界

□インスピレーションとゼロ状態

□身体の声を聴く


「型破り」という言葉は、この人を形容するためにあるのかもしれない。カテーテル治療という最新医療を専門とする一方で、医療の枠を広げ、芸術や伝統芸能などとの接続を通して心身の回復につなげる多彩な試みを行ってきた。医師の知恵と青年時代にのめり込んだアートへの深い造詣は、芸術祭の芸術監督という異例の抜擢を実現させた。

昨年、3度に渡った芸術監督としての役目を終えると、相前後して医者を辞した。そしていまはより社会に寄り添うかたちで医療と芸術の新たな可能性を模索しているという。そんな稲葉俊郎さんを家族で暮らす軽井沢に訪ね、伝統医療から東洋哲学、神道、さらに美容や恋との向き合い方など多彩なテーマについて語ってもらった。

医師、医学博士、作家、慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)特任教授

稲葉俊郎 氏(前編)

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The word ""out-of-the-box"" might be the best way to describe this man. While specializing in the latest catheter-based medical treatment, he has been involved in a wide range of activities to expand the boundaries of medicine and connect it with art and traditional performing arts to help people recover from their physical and mental health. His wisdom as a medical doctor and the knowledge of art he absorbed in his youth led to his unusual selection as the art director of an art festival. Around the time when he completed his role as the art director for the third time last year, he quit his career as a doctor. Now, he is exploring a new possibility of medicine and art in a way that is more closely connected to society. Visiting Dr. Toshiro Inaba in Karuizawa, where he lives with his family, we discussed a wide range of themes, including traditional medicine, Eastern philosophy, Shinto, and how to approach beauty care and love.

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@inabatoshiro

@masakazushigeta



——頭で考えるのではなく、身体が向かいたがっている方向に従えばいいということなのですね。

稲葉:身体が心地いいと思うところにしか答えはないんです。人との距離感においても、組織における居場所においても、このあたりなら心地いいなと思うところがあって、そこが当人にとっていちばん収まりのいい場所なはずです。快適さや心地よさのバランスを見極めながら社会のなかでの居場所を見つけていければ、必ずどこかにはまる場所、居心地のいい場所があるはずです。そのいちばん大事なところを面倒くさがって、ネットで検索して見つかればいいぐらいに思っていたら、なかなか深い穴から抜け出せないでしょう。  自分の常識や習慣をいったん解き放つためにも、転地療養みたいな試みが有効だと思っています。知らないところを旅したり日常から少し離れた場所を散歩してみたりするとか。



●【Web Media】2025/2/27+3/5:Journal - 理想論 対談:茂田正和×稲葉俊郎【前編】【後編】(Web:理想論





2025/3/5:Journal - 理想論 対談:茂田正和×稲葉俊郎【後編】


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稲葉:人間というのは異性の存在を介することでしか己の魂に出会えないということをユングが言っています。アニマやアニムスという概念です。魂は異性の姿で出会う、と。


じゃあ、自分の魂と出会うというのはどういうことでしょうか。それは自分が本当に求めているものに出会うことだと思っています。

異性という異なる存在と融合することで未知なる自分と出会い、自らを新たな次元へと引き上げてくれる。そうした本質的な変容によってこれまで何とも思わなかったものに新たな価値を見出すことも起こり得るでしょう。

いわば、これまでの世界が違った姿で立ち現れてくるようなものです。そのように恋とか愛を位置づけるべきで、ただの欲望の問題に矮小化してしまうと動物の交尾と同じになってしまいます。 


 いまの若い人たちは消費社会という流れのなかで欲望を消費することに飽きているように見えます。異性を自らの欲望の対象として見ることに価値を置いていないんじゃないでしょうか。

一方で世間のニュースを見るとそれとは逆の方向に流れている。

だからこそ若い人たちには恋をするとは人間の魂の問題だということをきちんと伝えないといけないと感じています。己の魂に向き合うために、人は恋や愛を必要とするのです。

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