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9/20(sat):13:00-(終演後、After talk出演):THEATRE MOMENTS「遺すモノ~楢山節考より~」@シアターグリーンBOX in BOX THEATER(池袋)​

  • 執筆者の写真: inaba
    inaba
  • 9月4日
  • 読了時間: 3分

9/18-9/21の期間で、THEATRE MOMENTSの「遺すモノ~楢山節考より~」という素晴らしい芝居の再演があります!@シアターグリーンBOX in BOX THEATER(池袋)​


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私は9/20土曜13時公演を観に行きつつ、そのアフタートークに登壇して、この舞台の素晴らしさについて共に語ります。


普段、芝居を観ない、演劇とか見たことない、と言う人にはぜひぜひお薦めです。

ネットが台頭してデジタル情報が溢れる中、劇場に足を運び、肉弾戦のように生身の人間がバチバチと芝居をする波動を全身で受け止めることは、人生の中でもきっと素晴らしい体験になると思います。


私は、舞台芸術を心から愛していますし、舞台芸術に寄与するみなさんを心から尊敬しています。


コスパ思想が台頭する昨今。芝居や演劇は、コスパ思想と真っ向からぶつかる考え方、生き方でもあり、岡本太郎の対極主義にもつながるカッコいい生き方です。短期的コスパ思想からすこし離脱する頭休めのためにも、生の演劇を見に来てください!!

(私もコスパ無視して、このために軽井沢から伺いますー。)


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THEATRE MOMENTS(シアターモーメンツ)のXより

@THEATRE_MOMENTS

9月3日

『遺すモノ〜楢山節考より〜』上演10周年記念公演

アフタートーク第一弾

20日(土)13時公演のアフタートークに

【稲葉俊郎さん】が来てくださいます!

ぜひ観にいらしてください

稲葉俊郎さんのプロフィール↓↓↓

公演チケット↓↓↓

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こちら、2019年1月(もう8年前!)に観劇して感激したときのReview記事です。

●January 27, 2019



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(上記より)

二作目は【遺すモノ~楢山節考より~】。

もちろん、深沢七郎の名著「楢山節考」を下敷きにしている演劇。

「楢山節考」は、ある意味で安楽死がテーマになっていて、医学部の学生時代に読んだときはピンとこなかったが(養老先生が強く推薦されていたので)、いまこうして演劇として見て、はじめて深く刺さった。

「70歳になった老人は、聖なる楢山に行く」という因習がある村の話だ。

それは名前を変えた「おば捨て山」でもあるのだが、よくよく時代背景を見ると、山の合間で閉鎖した村、貧しい時代、だれもが食べ物が十分にない時代、その閉じた小さい村の生態系を維持するためには、70歳以上の老人には死んでもらうしか食料を確保する手段がなかった。暗い影を持つ過去の日本のリアルな話だろう。村での盗みは、村人から半殺しにされる掟があったり、狭い村社会には、その村独自のしきたりや掟や因習がある。祭りも。 それもすべて、村の秩序や生態系を維持するため。

70歳以上の老人が山で死ぬ掟(しかも息子が連れて行かなければいけない)がある村の死生観を支えているのは、生まれ変わりの死生観。おばあさん、おじいさんは、孫として生まれ変わってくる。だからこそ、死ぬことは自分のためであり、息子のためであり、孫の命のためである。それが村全体の生命のためである。そうして命は引き継がれてきた。そうした命の生まれ変わりの死生観があるからこそ、成立しうるギリギリの風習だったのだろう。

子どものこと、親のこと、食べることが不十分でなかった極限状態で命をつないできた時代の話。思わず何度も泣けた・・。

「楢山節考」を深沢一郎の小説で読んだ時よりも、演劇で見たほうがグサリと刺さった。

おそらく、それはあまりに古い日本のしきたりや因習が、想像できないくらい時代が急激に変化したからだろう。演劇では言霊の力もあり、一気に過去の時代に自分が連れていかれる。祭りの描写もリアルだった。

そうした暗い負の過去の上に現代の幸福がある、ということは忘れてはいけないと思った。

この演劇も、使う小道具は四角い大小のフレームだけですべてを表現していて、かなり見事な演出だった。

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■【Theater Talk】2025/9/20(sat):13:00-(終演後、After talk出演):THEATRE MOMENTS「遺すモノ~楢山節考より~」(第37回池袋演劇祭参加作品)@シアターグリーンBOX in BOX THEATER(東京都豊島区南池袋2-20-4)​:(Web)(cf.「遺すモノ~楢山節考より~」9/18-9/21)(THEATRE MOMENTS Web)

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