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小川糸『ライオンのおやつ』 ポプラ社 (2019)

November 29, 2019

小川 糸さんの『ライオンのおやつ』 ポプラ社 (2019/10/8)を読んだ。


喫茶店で読みながらポツポツと涙が落ちて号泣しながら読んだので、隣にいる人は何事かと思っただろう。笑

 

 

 

 

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<内容紹介>
人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。
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35歳の女性が人生の最後を求め、瀬戸内の島のホスピスに行く。
そこでは自分の人生の振り返りを行い、今を生きる人たちとの対話があり、生きるとは何か?死とは、死者とは?そういう生命をかけた対話がある。

 

小説という器は、本当に広範なものをそのままに受け止めることができる器なんだなぁ、と改めて。

小説は、あらすじを聞いて内容を把握するためのものではなく、儀式のように「時間」こそが必要であって、「読むために必要だった時間」と交換するように、自分の身体の組成が深く組み変わるものなのだなぁ、と改めて感じた。

速読という頭のペースではなく、ゆっくりゆっくり本を深呼吸するように、じんわりじんわり体内へ深く取り込むように、体のペースを大切にして読む。瞑想のように「時間」の贅沢な使い方。

 

 

心身が外に出したい感情や情動が、水滴となって体外へ溢れ出ていく。ダムの放流のように、どこかに溜まった水は、定期的に排出を行わないと決壊してしまう。

 

 

小説を読んで泣いたのは久しぶりだったなぁ(漫画はよくあるのだけど)。

 

とにかく、読んでほしいとしかいいようがないです。
自分は、がん診療に将来を志す後輩の研修医にも何人も薦めました。

 

 

似顔絵セラピーや、音楽療法士、食や語り、、、、いろんなことが描かれています。

人生を後悔なく生きる事は、最後の最後まで、誰にも課されている人生を貫くテーマなのだと思います。

 

 

すべては、「いま」やりたいことを存分にやり尽くすこと。

そんな風に1日1日を燃焼して充実して生きていくことの積み重ねが、結果として人生になる、ということなのかもしれません。

 

 

 

読後、本書と極めて似た体験がある自分も、幼少期の深い体験を小説という形で何か昇華?成仏?させたいなぁ、という気持ちが沸々と沸き起こってきました。


生と死とは、深い場所でリンクしていて、生は死を支え、死は生を支えているのだ、と。

 

ディケンズの『クリスマス・キャロル』の中でも、スクルージーの心が溶けたのは、生者にとっての死者の意味が浮かび上がってきたからだった。つまり、死者の目からこの世界を見ることができたとき、人間の硬い心は溶けていく、ということだ。生命の全体性を取り込むことは、きっとわたしたちの人生を豊かにして勇気づけてくれるのだ、と思う。

 

生命の全体性を取り込むことは、きっとわたしたちの人生を豊かにして勇気づけてくれるのだ、と思う。

 

 



 

ぜひ、お読みいただきたい!

 

『ライオンのおやつ』公式サイト
⇒ https://www.poplar.co.jp/pr/oyatsu/

 

 

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