河原啓子「長寿と画家 ──巨匠たちが晩年に描いたものとは?」フィルムアート社 (2019)
東大書籍部で見つけた本。面白い。
河原 啓子「長寿と画家 ──巨匠たちが晩年に描いたものとは?」フィルムアート社 (2019/7/26)
横尾忠則さんの対談集「創造&老年 横尾忠則と9人の生涯現役クリエーターによる対談集」SBクリエイティブ (2018年)もとても面白くて(80歳以上同士の対談集なのです)、「老いと創造」を考える最高の素材だった。横尾さんの対談本「創造&老年」は新刊「からだとこころの健康学」(NHK出版)最後のブックガイドにも紹介した。
河原啓子さんの「長寿と画家」は、画家が亡くなる直前の絵や言葉に焦点を当てている。 ゴヤ (82歳)、ターナー (76歳)、ドガ (83歳)、モネ (86歳)、ルノワール (78歳) 、ムンク (80歳) 、マティス (84歳)、ルオー (86歳)、ピカソ (91歳)、シャガール (97歳)、伊藤若冲 (84歳)、葛飾北斎 (88歳)、横山大観 (89歳)、熊谷守一 (97歳)、岡本太郎 (84歳)・・
みんな長寿だなぁ。しかも常に前進し続けた人たちばかり。
もちろん、世界に誇る横尾忠則さんも83歳でまだ現役で進化の途中とのことで、未来は明るい。
老いという全員の未来に関して、とても勇気をもらえる本だと思う。
やはり、一番の強敵であり、同時に一番の仲間・同士が自分自身そのもの、ということなんだろうなぁ。自分は、時に敵でもあり時に味方でもあり、自分そのものでもある。
========== ゴヤ (1746年3月30日 - 1828年4月16日) 82歳没 「おれはまだ学ぶぞ」
モネ (1840年11月14日 - 1926年12月5日) 86歳没 「絵を描くことはどうしてここまで辛いのか」
ドガ (1834年7月19日 - 1917年9月27日) 83歳没 「何も完結しなかった」
ムンク (1863年12月12日 - 1944年1月23日) 80歳没 「死を自覚したい」
マティス (1869年12月31日 - 1954年11月3日) 84歳没 「うまくいかなくても満足できる」
葛飾北斎 (1760年10月31日 - 1849年5月10日) 88歳没 「この道の改革者になる」
熊谷守一 (1880年4月2日 - 1977年8月1日) 97歳没 「石ころ一つとでも十分暮らせる」
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