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野口晴胤「平均化訓練」春秋社

August 30, 2019

野口晴胤(はるたね)「平均化訓練」春秋社 (2019/6/21)を読む。
勉強になった。いろいろ試してみたいと思うことがたくさん湧いた!

 

 

●2018/9/20:稲葉俊郎「ころころするからだ: この世界で生きていくために考える「いのち」のコト」春秋社
この本を同じ春秋社から出したこともあり、「平均化訓練」出版イベントの対談候補の相手としてご指名いただき、献本していただいた。なんと光栄なことか!」

 

 

 

 

野口晴胤(はるたね)さん。お名前を聞いてピンとくる方も多いと思うが、今では誰もが使う「整体」という巨大で深い世界を創始した野口晴哉(はるちか)先生(1911-1976年)のお孫さん。晴胤(はるたね)さんは1973年生まれなので3歳の時に晴哉(はるちか)先生が亡くなられた。晴胤(はるたね)さんは自分より6歳先輩なので、意外に世代が近いことに驚いた!

 

 

自分は、体のプロのわきまえとして、野口晴哉先生の著作はほぼ全部読んでいるし、尊敬もしている。
特に「治療の書」整体協会出版部(1969年)は時間があればよく読み返している愛読書だ。これは!と思う意識が開かれた研修医にプレゼントしたこともある。医療者が呼んでも医療倫理として勉強になる。

 

 

 

お孫さんである野口晴胤(はるたね)さんは、二代後だからこそ、強い影響を受けつつもほどよい距離感をとれていたのかもしれない。自分も同世代だからよく分かる。

もちろん、からだを扱い、からだという宇宙を探求するという意味では同じ領域の仕事をされているのだが、野口晴胤(はるたね)さんは「平均化訓練」を考案され実践されている。これがまた面白いものだ。

 

 

「平均化訓練」では、
1、背骨の動きを訓練する体操(楷書体、行書体、草書体)
2、平均化体操(全身の筋肉が連動する状態を作り出す体操)

この二つの動きを中心にしている。

 

その意義は、
1、背骨全体を動かす形や動きを意識的に学習し、背骨の運動からのアプローチで偏り運動を平均化させる訓練。
2、偏った緊張が自然に分散しようとする無意識の要求を引き出して、全身にくまなく緊張を行き渡らせる体操。

この二つの体操を行き来しながら、自分のからだの癖を戻すようにして、内部を平均化させていく。

 

たくさん緊張が起こる部分には疲労が蓄積され、運動に動員されない筋肉はさび付いて弱くなる。それは筋肉だけではなく、心や思考にもかかわってくるものだ。

 

こうした筋肉の「偏り」をうまく全身に流し、全身の緊張を「平均化」させるのが「平均化訓練」だ。

 

芸道などでの型稽古は、そうした「無意識運動の癖をそぎ落とすための訓練でもある」と、書かれていた。

 

●「全身に緊張が行き渡ると、ぶつかりはなくなり、磁石でくっつているような接点になる」
●「もし同じ要素や波長を持っている者同士が接点を持つことを「同調」と言うならば、喧嘩も一つの同調です。もちろん、調和している状態も同調です。
そういう意味では、同町にはぶつかりあう同調と調和的な同調の二種類があると言えるでしょう。どちらも接点を持ち、互いにコミュニケーションをしているのです。」
●「性格も、身体の運動の特性や筋肉の反応の仕方が過剰に積み重なっただけ。」
●「偏り運動が感受性の傾向とつながっている。」
●「偏り運動が濃くなると、より衝動的になる。」
●「禁止すると、要求で生まれたエネルギーが体の中で圧縮され、要求をかえって高める。
無意識の偏り運動傾向でパターン化され、繰り返される。」

 

 

こうした考え方に貫かれた平均化訓練は、二人でペアになったり、複数人でペアになり、押し合う(ぶつかりあう)ことで、そこに緊張を生み、そこから体が全身でバランスを取ろうとする内部の自発的な動きに任せ、からだの緊張を「平均化」させていく。


そして、内部で起きた「平均化」された体の状態を覚え、「形を作るのではなく、中身を作る」ようにして、体の緊張を全身で還流させていく。

 

なんとも面白い!
畳の上で、みんなで実践して試してみようと思った。

 

 

 

 

 

 

 


からだのことは、本当に奥が深く、常に学びと発見がある。自分は日々勉強している。


個人的に、どの方法論にも優劣がつけられない。どの方法も、独自の観点があり、素晴らしいからだ。

 

今後の医療は、からだやこころのあらゆる知恵を、方法論で限定したり、優劣を競ったり争ったり闘ったりするのではなく、すべてを実験し、実践できる「場」としての医療こそが、必要になるんじゃないかなぁ。


自分の課題は、どういう形で実現するか、だ。やはり、温泉の場が、まさにうってつけだと思うのだけど!!

 

 

野口晴胤「平均化訓練」春秋社 (2019/6/21)は、160ページなのですぐ読めます。きっと読破できるでしょう。同時に、深く味わって誰かと実験したいと思える本!

 

野口晴胤「平均化訓練」春秋社 (2019/6/21)

 

<内容紹介>
野口晴哉の整体法を受け継ぐ、身体訓練法「平均化訓練」とはどのようなものか。全身を連動させ、心と身体の十全な健康を実現する、驚異の実践とその哲学を初めて公開。

 

<内容(「BOOK」データベースより)>
“本当の健康”に目覚める。野口晴哉の整体法を受け継ぐ、身体訓練法「平均化訓練」とは。全身を十全に連動させて、心と体の健康を実現する、その実践と哲学にせまる。

 

 

 

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