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近藤良平×永積 崇『great journey 3rd』@横浜赤レンガ倉庫1号館

近藤良平さん(コンドルズ)と永積崇さん(ハナレグミ)による『great journey 3rd』。

ふたりの天才が本気でじゃれあい、遊びあい、たわむれあい、困らせあい、追い詰めあい、それを最後には創造へと開花させる、音楽と踊りの宴。

永積崇さん(ハナレグミ)の芸達者ぶりには本当に驚く。 ちょっとした文章とメロディの断片を、鼻歌のように奏でながら音楽へと昇華させる。 そこには子供がじゃれあうような自由で楽園のような世界が広がる。

近藤良平さん(コンドルズ)の問いかけや謎かけが崇さんを追い詰めていく。追い詰められたデッドエンドのような場所で、万事休すか!と、観客も息を飲む。そこで崇さんは忍者がバック転するように未知の回路を発見し、その回路から音楽へ、ダンスへと共に創造する共創空間へと変化させていく。

共創空間の現場ではシリアスなときもあるが、基本的には公園の砂場のように自由な時間が流れている。見ている人も同じ砂場で遊びたくなる気にさせてくれる。

 

「幸福」という言葉は中国からやってきた漢語で、日本語では『さち』という言葉が古くから、縄文時代くらいにはあったらしい。

『さち』の『さ』は、「栄える」意味、『ち』は「霊力」のこと。 つまり、『さち』は「増殖していく力」、「増殖・増幅してエネルギー」のことで、植物の新芽が先端に増えていくような生命の様相のことでもある。

つまり、人間にとっての『さち(幸福)』とは、どんどん増えて増殖していくイメージだ。

それは個人の生命が続いていくこと(延寿福来、心身健全、無病息災、家内安全・・・)を基礎としていただろうし、世代を超えて生命が続き栄えていくことだったり(子孫繁栄)、財産が増えていくこと(商売繁盛)だったりしただろう。だからこそ、資本主義の時代では人はお金が増えることに血眼になったりする。そこに増殖するイメージをこそ見るから。

でも、究極の「増えていくこと」は、ゼロからイチが起きる瞬間、つまり、無から有が生まれてくる瞬間だ。

それは、まさに生命の世界であり、同時に芸術の世界なのではなかろうか。

私たちの脳の中では、常に「無から有」が、何かしらの創造が起き続けている。それが、生きるという全体像のことだ。

近藤良平さん(コンドルズ)と永積崇さん(ハナレグミ)による『great journey 3rd』で展開される二人の「さち」多き世界を見ていると、二人が出会うことで、「無」から「有」が生まれ、どんどんと何かが増殖していく。そうした光景に、わたしたちは心を奪われて魅了されているのではないかと思う。それこそが、わたしたちの「さち(幸い)」であるから。

横浜赤レンガ倉庫で行われるめちゃんこ楽しい舞台。 ぜひみなさん、見に行ってほしい!

去年の『great journey 2nd』から今回まで、二人の内部に増殖してたまったものがマグマのように噴出している感じ!

→こちらは去年の感想!

来年はまた別の形で、ふたりの『さち』の増殖が、豊作の実りとして見れるのでしょう。すでに楽しみにしている。自分も「さち」多き一年を送りたい。

春分の日は、冬から春へと、貯めていたエネルギーが花開いていくように、エネルギーの向きが転換していく重要な季節に見れて、光栄だった。

 

【公演日時】2019 年3 月21 日(木・祝)16:00  3 月22 日(金)19:30 3 月23 日(土)16:00★   3 月24 日(日)16:00(★は未就学児観劇可能公演(有料:2,000円)) 【 会  場 】横浜赤レンガ倉庫1号館 3F ホール https://akarenga.yafjp.org/event/greatjourney_2019/

近藤良平(コンドルズ)×永積 崇(ハナレグミ)『great journey 3rd』

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