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いのちの音に耳を傾ける

年末年始はこどもの看病で、自分のためのことは何一つしない時間だった。

そのおかげで、年末年始も意識が内側へと向き、そもそも自分自身という存在ともつかず離れず存在している生命という場。その根源に触れながら思いを馳せ、年を過ごす貴重な時間だった。

子どもの回復力、復元力もすごいもので、人間はこうして常に再生を繰り返しているのだな、、、と。

いのちの働きの上に、わたしたちの小さい自我がぽっかりと島のように浮かんでいる。

その自我は、離れ小島のようでもあり、群島のようでも、ひとつの大陸のようでもある。色々なイメージが頭に浮かんでは消えた。

年末年始に唯一観たテレビが、大みそかの紅白。子供が寝入ってからひっそりと。

群を抜いて素晴らしかったのが、米津玄師さん「Lemon」。 もととも、ドラマ「アンナチュラル」が、昨年ベストのドラマだっただけに、そこで使われていたこの歌は素晴らしかった。 音楽だけではなく、空間の演出も、そして天才ダンサー菅原小春さん!!(みとれた・・・)の起用もすばらしいセンスとメッセージ性。

米津玄師さんはミュージシャン、シンガーソングライターでありながら、同時にイラストレーター、映像作家でもあり、高木正勝さんのようなすごいポテンシャルを持っていることを感じる人だ。 今後は、そうしたこどものような総合力こそが求められる時代になりそうだ。

 

子供と遊んでいるとなかなか映像は観ないが、音楽には耳を傾ける。

ここ最近とびぬけてすごいな、と思って聞いているのは、LP(エルピー)とLaraaji(ララージ)。

LP(エルピー)は、ローラ・ペルゴリッジの略だが、通称LPとして活動している。ニューヨーク出身で現在はロサンゼルスを拠点に活動しているシンガー・ソングライター。女性だが両性具有のような新しい存在。メロディーラインはポップでありながら、疾走感のあるボーカルと口笛が本当に素晴らしく。

●LP - Lost On You [Official Video]

 

Laraaji(ララージ)は、ワシントン・スクエア公園で演奏していたところをブライアン・イーノに発見され、1980年に「Ambient」シリーズの第3弾で表舞台に出てきた。ただ、そうした音楽シーンのことは無視して、常に瞑想的な曲を作り続ける煙のような人物だ。

LARAAJIの演奏する民族弦楽器は、チター(ツィター)と、ベル、カシオトーンのシンセ、テープ録音など。ゴスペルでありマントラである声質。70-80年代のニューエイジ、アンビエントというジャンルに位置づけられるのかもしれないが、そこを越えた、東洋的でコズミックなひろがりを感じる。 こんなに多彩な音を出せるのは、驚異的だ。

●Laraaji - Celestial Music (1978-2011) (full album)

●米津玄師 MV「Lemon」

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