top of page

こちらの世界にエールを送っている

前回の内容で思い出したこと。

佐藤初女さんしかり。 他にも、志村 ふくみさん、石牟礼 道子さん、辰巳芳子さん、、、

みなさん、いい顔をしている。いい具合に年齢を重ねている。 芯だけが固いが、それ以外はやわらかく、フワフワだ。

こうした人生の先輩から、もっと学ぶことがある。

「いのちのエール - 初女おかあさんから娘たちへ」中央公論新社(2015年) ----------- <内容紹介> 森のイスキア・佐藤初女さんとの15年にわたる交流の中で得た「気づき」と「変化」。 そして、いまを生きるすべての女性に伝えたい「暮らしと祈り」。 自分という檻から解放されていく魂の軌跡を描く、書き下ろしエッセイ。 2014年11月に行われた佐藤初女さんとの対談「深き森の語らい」も収録。 -----------

3年前に出た本。

飾らない二人の女性の素直な対話。

ランディさんのまっすぐな感性と、朴訥と凛とした初女さんとの言葉のキャッチボール。

ランディさんの率直な言葉に、他の人では引き出せない初女さんの色んな表情が見えました。素晴らしかったです。

初女さんは周囲には動じず、淡々と同じ日々と行動とを過ごされています。

ただ、初女さんは日々の中に常に「展開」がある、と。

自分が日々「展開」されるよう、小さな驚きや発見や成長を自己発見して噛み締めながら、暮らしていたようなのです。 そうした小さい変化の中で自分自身の微調整や手入れをしているから、周りの影響を受けずに、愛と信念を持って「おむすび」を握られているのかもしれません。

「おむすび」という言葉の中には(おにぎりではなく)、<人と人をむすぶたべもの>ということが含まれている。だからこそ、初女さんは「おむすび」という言葉を好んで使っていました。おかげさまで、自分も「おむすび」と言うようになりました。笑

初女さんはとても自由な人。怖れがない。 いまの社会で、怖れをもたず生きている人はとても少ない。と、ランディさんは言う。

今は亡き初女さんの生きざまは、多くの人に影響を与えています。 「森のイスキア」という響きの中に色々な人が多くのことを感じたはずです。 この本は、その初女さんの晩年の生活を記した貴重な本です。

森のイスキアの佐藤初女さんは、<心の御柱>のような存在でした。見えない世界で精神的な支柱になられていた方だと思います。 初女さんはもうこの世におられませんが、「森のイスキア」という実践は、各自それぞれが自分の居場所で受け継ぐものなのでしょう。

初女さんと定期的に会い、対話を重ねる事でランディさんが変化していく様子を、率直に表現している姿に、とても清々しいものを感じました。 読書体験を通して、自分の中の何かが改変されたような感じです。

本が好きではない人にもきっと読みやすくて素敵な本です。

----------------------------- (初女さん)「こうして、透明になって、いきものはいのちを捧げてくれているのね。 それをいただくことで、わたしたちのいのちとなっていく。 不思議ねぇ、いのちが移し替えられる時、みんな透明になっていきます。」

----------------------------- 何度でも何度でも、くじけることなく、心を優しさと慈悲に向けていくこと。 それを「暮らし」のなかで実践してきたのが初女さんだったと、この十五年間を通して気付き、 その姿に触れながら、自分もそのように努めている。 ----------------------------- できるとか、できないとかではなく、そう「する」と決めて、「する」だけのこと。 できる、できないは頭が決めること。 ----------------------------- 誰であれ、その人が信念に基づいて生きて行動していることには、心からのエールを送り、励まし、愛情を持って見守っていればいい。 それ以上のことを、人は他者にたいして、できない。

人は死を迎える時、次の世代にそのいのちを渡そうとする。何らかの形で。

それを受け取るか受け取らないかは、生きている人の自由意思にゆだねられている。

-----------------------------

 

だれかが誰かにわたし、だれかが受け取ったもの。そしてそれをさらに私たちが受け取ること。

佐藤初女さんからランディさんが受け取ったシンプルなことは、

<自分を信じる>ということ。 自分を信じることがベースとなり、相手を信じることにつながる。

自分を信じ続けることができなければ、相手を信じ続けることは難しい。

<自分を信じる>とは簡単なことのようだが、実践は難しい。 言葉というのは、単独で存在するものではなく、誰から届いたか、そのルートこそが大事なのだ。

適切なルートを経ないと、ドアは開かない。

亡くなった方は、この世を見守り、こちらの世界にエールを送っている。

亡くなった方を味方や先生と思い敬意を持ち関係性を持つか、関係のない存在として何も考えずに生きていくか、、、、

故人との関わり方で、人生は大きく変わりうると、思う。

bottom of page