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緑色の目をした怪物(green-eyed monster)

November 5, 2017

学会での出張は、合間に行う読書の時間こそ至福だ。
金沢に循環器学会で行ったときの記憶も、泉鏡花を読み込んだ記憶とレコード屋に行った記憶しかない。

 

ちなみに、出張中の博多駅にて、

エヴァ新幹線に遭遇。なんだか嬉しい。

「500type-eva」っていう企画みたいです。

 

 

移動中、エヴァを観たり、シェイクスピアの「オセロウ」を読んでいて、「緑色の目をした怪物(green-eyed monster)」の存在を、ふと思い出した。
村上春樹さんの短編「緑色の獣」(『レキシントンの幽霊』収録)も、シェイクスピアのオマージュなのか。

 

 

 

自分は中学生のころ、「嫉妬」という感情が何なのか、なぜこうしたものが沸き起こり、自分を動かそうとするのか、不思議であり怖かった。
「嫉妬」を感じている自分、その発生のメカニズムを、勇気をもって考えてみたことがある。
それは、ヘッセが「地獄から脱する最良の方法は、地獄の真ん中を走り抜けることだ」(意訳。しかも出典不明)とどこかに書いていたことを思い出したから。

 

 

嫉妬の感情には、自分がほしいものを他人が持っていることに対する葛藤で、自分や他者に攻撃的になる防衛反応が含まれている。
そして、独占欲や支配欲が人間の深い場所に眠っていて、独占できない現実に対しての葛藤やストレスからも自分や他者に攻撃的になる状態でもある。
独占欲や支配欲は、「愛」という感情と混同することが多く、だからこそ話はややこしくなる。

 

 

そういうメカニズムが見えてから、あまりそうした感情に左右されることはなくなった。
独占欲や支配欲とは、どこからやってくるのだろう。本当に心のからくりとは、不思議なものだ。

それは生命に内在するメカニズムだろうから、「自分」の全体像に気づくために、いい側面もあるのだろうが。

 

 

現代社会は、こうした嫉妬の感情や、支配欲、独占欲、こうしたものに刺激を与え、活性化させ、ひとを動かす術に巧みである。解く方法を失った魔術のように。

 

そうした中で確固として個を強く保って生きていくためには、「自分」を入り口にして、人間とは何なのか、その本質を知らないといけない。

 

 

シェイクスピアの「オセロウ」を読見直しながら(引っ越し後、手元にあったもので)、そんなことを中学生なりに考えていたことを、ふと思い出した。

 

 

嫉妬とは、緑色の目をした怪物のようなものだよ、と。

 

 

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O, beware, my lord, of jealousy ! 
It is the green-eyed monster which doth mock 
The meat it feeds on 

お気をつけ下さい、将軍、嫉妬というものに。 
それは緑色の目をした怪物で、ひとの心をなぶりものにして、餌食にするのです。
シェイクスピア「オセロウ」より
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