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風の旅人編集長 佐伯さんから 

尊敬する佐伯剛さんから、新著「いのちの居場所」につき、とっても光栄な感想を書いていただきました。純粋にうれしいです。佐伯さんの文章を読むだけで、凛とした爽やかな気持ちになりました。

すごい考察に、うなります・・・・。


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風の旅人編集長 佐伯剛

@kazesaeki

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「いのちの居場所」稲葉俊郎著は、世界中が新型コロナウィルスというミクロの生命体との付き合い方で大騒ぎになっている現代において、医療従事者から発信された、もっとも優れた、そしてもっとも重要な、言葉のアウトプットだと思う。


2022-08-24


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●【Book】2022/6/26:稲葉俊郎「いのちの居場所」(扶桑社)(→Amazon




 


佐伯さんは、わたしにとっては特別な位置づけにある雑誌「風の旅人」を立ち上げられた方。学生時代、神保町の三省堂で手に取った時、あまりの質の高さに驚き、電気が走りました。 写真の質にまず驚き、「こういう写真を見たかったのだ!」と、すべての写真に驚きました。 写真だけではなく、白川静さん、養老孟司先生、茂木健一郎さん・・・など、高い次元で文章を書く人たちが勢ぞろいして文章を寄せている。この雑誌を作った人は何者なんだ?!と思ったのを覚えています。

結果、後で知ったことは、佐伯さん自体は出版業界の人ではなく、ユーラシア旅行社という独自の旅を提供する場に所属していた方で、縁もコネもない中で自分の審美眼だけで書き手や写真家を選び、ひとりひとり口説いていった独立独歩の方なのだ、ということ。












佐伯剛さんに並ぶような人で思い出すのは、無言館の窪島誠一郎さん。窪島さんも、どこの助成金も受けずに美術館を運営し、画家の野見曉治さんと日本中の戦没画家の遺族の家を一軒一軒回って、遺作を集め続けた人。それは現代社会へのアンチテーゼとしての表現そのものだったとも思います。



こうした二人に共通しているのは、ものを見る深さ、です。本質を見抜く審美眼と、人生をかけて貫く生きざまこそに、わたしは衝撃を受け、同時に尊敬してます。



わたしが何を書きたいのか、その本質をしっかり受け止めて感想を書いていただき、本当にありがたく思っています。

受けの良い売れやすい本ではなく、ほんとうに時代が求めている本、わたしが切実に書きたいと思える本を、臨床で忙しい中で、血反吐を吐くようにして(苦笑)、書き上げた本なので。

「いのちの居場所」もぜひおよみいただければ!



ちなみに。 今佐伯さんが出されている「Sacred World 〜日本の古層 〜」という本も凄まじい本。




神社を含めた日本の古代の聖域が、向こう側からやってくるような質感でとられた写真です。ピンホールカメラでの写真はすごいです。デジタル技術との質の違いに驚きます。古代の日本人が直感的にとらえていた「カミ(神様)」の存在を、佐伯さんの直感と論理で探求していく姿勢もすさまじく、鳥肌立ちます。わたしもこの写真集をよく眺めるようにしながら読み込んでいます。 こちらもぜひお読みいただきたいです。





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