橋杭岩 空海と天邪鬼 未完成の美
- 6月13日
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本州の最南端は、和歌山県串本町にある「潮岬(しおのみさき)」。
東京の八丈島と緯度が近い。
東京(竹芝)から八丈島へのフェリーは、南下して片道11時間くらいかかる。その同じ緯度に陸路で行けると考えると不思議。




本州最南端の碑から、「橋杭岩」までは車で約10分ほど。
和歌山県串本町にある国の天然記念物「橋杭岩」には、弘法大師(空海)と天の邪鬼が「一夜で海に橋を架けられるか」を賭けたという伝説が残っている。


熊野を旅していた弘法大師空海は、紀伊大島へ渡る手段がなく困っている住民のため、海に橋を架けようと思い立った。
「天の邪鬼」と賭けをすることになり、協力して巨岩を海に並べ始めた。
手際の良い空海が橋の杭(岩)を並べ終えそうになり、負けを恐れた天の邪鬼は「コケコッコー」と鶏の鳴き真似をして朝が来たと見せかけた。
すると、空海は本当に朝が来たと思い込んで作業を諦め、その場を去ってしまったため、現在のように橋の「杭」に似た岩柱だけが海に一列に残された。
という、すごく面白い話。
河合隼雄先生だったら、ユング心理学や深層心理学の視点から読み解いてくれそうだ。
空海と天の邪鬼は、心の中の葛藤か。
「一晩で橋を架ける」という過酷な目標(自己実現)、完璧を求める理性(空海)と、それに反発してブレーキをかけようとする本能(天の邪鬼=シャドウ)のバランスで、私たちの心(未完成の美)は保たれている、ということなのだろうか。
天の邪鬼の「コケコッコー」は、心が完璧を求めすぎて自己崩壊を防ぐための無意識の防衛機制か。
「天の邪鬼に一杯食わされた」という失敗が描かれることで、「未完成」であることへの心理的救い、未完成の絶妙なバランス。そうした象徴とも思える。
伝説や昔話は、心の柔軟体操、思考実験の素材。







いづれにしても、この奇妙な岩のバランスと自然が作り出した絶妙なコンポジションを体験しているだけで、無意識の心がうごきだすんだろう。
1000個以上の巨石はすべて橋杭岩の残骸らしい。大津波で崩落した津波石。
地質学の解説では、約1500万年前に堆積岩の地層へマグマが貫入し、その後柔らかい泥岩部分が波に浸食されて硬い流紋岩だけが直線状に残ったものとされている。




橋杭岩の表面に見られる規則的な四角形(格子状)の模様や、サイコロのようにカクカクとした四角い割れ目は、地質学で「方状節理(ほうじょうせつり)」と呼ばれる。
マグマが冷却される際にできた自然のひび割れ。
この綺麗な四角い割れ目は、人智を超えた存在がノミで加工した石材のように見えるから不思議だ。







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