映画「僕が跳びはねる理由」 公開中!

2か月近く前に書いたことの再掲ですが、再度映画のアナウンスを。

→●January 23, 2021:映画「僕が跳びはねる理由」(原作:東田直樹、監督:ジェリー・ロスウェル )



海外で制作された東田直樹さん原作の映画「僕が跳びはねる理由」ですが、4/2金曜から日本上映がはじまっているようです。

自分も、この映画へのコメントを提供しています。


映画は試写段階で見させていただきましたが、映画館!の空間で見ることができておらず。

実際に映画館で上映を見に行かれた方から、会場の写真を送っていただきました!


映画の公式HPには、稲葉以外にも東ちづるさん、オダギリジョーさん、などのコメントも追加で載っています。







東田直樹さんに関しては、

稲葉俊郎「いのちを呼びさますもの —ひとのこころとからだ」(アノニマ・スタジオ、2017年)

でもご紹介しています。



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東田さんのテキストを読んでいると、彼の言動や思いが一塊となり時空を超えて伝わってきて、感動します。



一般的な教育システムに入ることを拒絶された人がいます。

融通の効かない現代の教育システムからは、規格外の存在は否応なくはじかれてしまうのです。


ただ、通常の画一的な教育システムに入らなかったからこそ、自分たちのコトバや表現を探し出す必要に迫られることになりました。短期的には不幸のように見える事柄も、長期的に別の角度から見ると幸運だ、ということもあるのです。短期的に見るのか、長期的な視点で見るのか。


誰かのコピーではない自分自身の深いコトバの鉱脈を掘り出さざるを得なかった人たちこそが、結果的に内なる鉱脈へと到達するのです。

その全体のプロセスにこそ、僕らは感動しているのだろうと思います。

誰のものでもない自分のコトバを話しているという事実に。


向かい風を追い風に逆転させて、人生を真っすぐ生きているという事実にこそ。




人は、自分自身のコトバを発するようになると、極めてシンプルで素直になるのかもしれません。

そんな東田さんの素直なコトバに、何か原始的な生命記憶が揺り動かされるようです。



いまだ発するコトバを持たなかった幼少期。

言葉を覚えてこの世界を説明できたような錯覚を持つ前の幼少期。

すべてが未知の世界で、何も分からず、何も分かった気にすらならなかった幼少期。


驚きと感動に満ちた幼少期の日常の世界にこそ、東田さんのコトバが連れて行ってくれます。


何かに美しさを感じると言う事は、赤ん坊の時、幼少期の時、、、、自分が初めて光や水や風と出会ったときの驚きの瞬間に立ち返り続ける、ということだとも思うのです。








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東田直樹『自閉症の僕が跳びはねる理由』より

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(「手のひらをひらひらさせるのはなぜですか?」という質問に対して)

「これは、光を気持ちよく目の中に取り込むためです。

僕たちの見ている光は、月の光のようにやわらかく優しいものです。

そのままだと、直線的に光が目の中に飛び込んで来るので、あまりに光の粒が見え過ぎて、目が痛くなるのです。

でも、光を見ないわけにはいきません。

光は、僕たちの涙を消してくれるからです。

光を見ていると、僕たちはとても幸せなのです。

たぶん、降り注ぐ光の分子が大好きなのでしょう。

分子が僕たちを慰めてくれます。

それは、理屈では説明できません」

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「僕は飛び跳ねているとき

気持ちは空にむかっています。


空に吸い込まれてしまいたい思いが

僕の心をゆさぶるのです。


空らに向って体が揺れ動くのは

そのまま鳥になって

どこか遠くへ飛んでいきたい気持ちになるからだと思います。


どこか遠くの青い空の下で

僕は思いっきり羽ばたきたいのです。」

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「そばにいてくれる人は、どうか僕たちのことで悩まないでください。

自分が辛いのは我慢できます。

しかし、自分がいることで周りを不幸にしていることには僕らは耐えられないのです。

思いはみんなと同じなのに、

それを伝える方法が見つからないのです。」

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(「どうして水の中が好きなのですか?」という質問に対して)

「僕らは帰りたいのです。

ずっとずっと昔に、人がまだ存在しなかった大昔に。

自閉症の人たちは、僕と同じようにそう考えていると思います。

生物が生まれて進化して、なぜ陸に上がって来たのか、人になって時間に追われる生活をどうして選んだのか、僕には分かりません。

水の中にいれば、静かで自由で幸せです。

誰からも干渉されず、そこには自分が望むだけの時間があるのです」

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時代が大きく動いている今、どんな立場の人でも尊厳を持って生きていける社会とは何か?

そうした社会基盤自体が問われていると思っています。


多くの皆様に見ていただければ嬉しく思います。

どうぞよろしくお願いいたします!




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●原作:東田直樹『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール、角川文庫、角川つばさ文庫)

●翻訳原作:『The Reason I Jump』(翻訳:デイヴィッド・ミッチェル、ケイコ・ヨシダ)

●監督:ジェリー・ロスウェル

●プロデューサー:ジェレミー・ディア、スティーヴィー・リー、アル・モロー

●原題:The Reason I Jump/2020 年/イギリス/82 分/シネスコ/5.1ch/字幕翻訳:高内朝子/字幕監修:山登敬之

●配給:KADOKAWA

第36回サンダンス映画祭 ワールド・シネマ・ドキュメンタリーコンペティション部門 観客賞受賞 第39回バンクーバー国際映画祭 長編インターナショナルドキュメンタリー部門観客賞&インパクト大賞 W受賞 第36回国際ドキュメンタリー協会賞(IDAアワード) 作品賞・監督賞ノミネート 第26回放送映画批評家協会賞 ドキュメンタリー映画賞撮影賞ノミネート 第43回デンバー映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞受賞 第15回ローマ国際映画祭 最優秀外国語社会派映画賞受賞

→■映画「僕が跳びはねる理由」公式HP

https://movies.kadokawa.co.jp/bokutobi/

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●4/2(金)公開 映画『僕が跳びはねる理由』本編映像解禁<言いたいことが言えない生活を想像できますか?>











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