愛知県芸術劇場×DaBYダンスプロジェクト 鈴木竜×大巻伸嗣×evala『Rain』@新国立劇場
新国立劇場で愛知県芸術劇場×DaBYダンスプロジェクト 鈴木竜×大巻伸嗣×evala『Rain』のダンス公演を観る。
原作:サマセット・モーム『雨』の小説を下敷きにしている。
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Rain
原作:サマセット・モーム『雨』
イギリスの小説家・劇作家サマセット・モーム(WilliamSomersetMaugham/1874-1965)により、1921年に発表された短編小説。感染症により南の島に閉じ込められた医師と宣教師夫妻たちが宿泊先で出会ったのは、品性下劣で信仰心のない一人の女性であった。雨が降りしきる閉鎖空間で過ごすなか、それぞれの人物の価値観の違いから生まれる心情や軋轢、そして予想外の結末が描かれる。
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ダンス、美術、音楽が静かな火花を放つようにぶつかり合い、空間の場の力により不思議な調和を生み出す舞台。
雨の中での閉鎖空間、その内と外が主題となる。
ダンサーは雨の一粒一粒の水粒子の挙動のよう。
時には小さきものを飲み込み、一体化しながら、いづれまた交わりを経て分離する。
闇の舞台の中で照らされる光は、出口を指し示す希望の光でありながら、闇に慣れたものには時に光は眩しく目を背けたくなる両儀的なものだ。
人と人とが分かりあうためには、ときには強い衝突が必要となり、場の内と外とを行き来するからこそ、異なるものも交わりあい、その後に別れたとしても、何かしらの化学変化を起こしうる。
ダンサーのしなやかで柔らかい身体性が水のメタファーを喚起する素敵な舞台だった。
<作品クレジット>
演出・振付: 鈴木竜 (DaBY)
舞台美術: 大巻伸嗣
音楽: evala
出演: 米沢唯(新国立劇場バレエ団)、
吉﨑裕哉、木ノ内乃々、土本花、戸田祈、畠中真濃、牧野李砂、Ikuma Murakami
(以上DaBYレジデンスダンサー)
アンダーキャスト: 堀川七菜 (DaBYレジデンスダンサー)
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