和歌山県かつらぎ町:はなぞの温泉 恐竜ランド&極楽洞(小原洞窟)
- inaba
- 7月28日
- 読了時間: 4分
和歌山の旅の続き。
かつらぎ町の花園地区。高野山から車で10-30分程度の近い場所。高野山には世界中から巡礼の旅で人がごった返ししているが、ここはとにかく静か。
花園は特に温泉を売りにしているわけではなく。
高野山に供える花を採取する場所として、高野山の荘園として歴史を刻んできた。
花園という地名自体が高野山への供花に由来していているのだろう。ここで栽培されるコウヤマキ(高野槇)の円錐形の姿かたちは美しく、世界三大庭園木(ヒマラヤスギ、ナンヨウスギ(アローカリア)、コウヤマキの3種類)のひとつとされているらしい。
実は、熊本でわたしが育ったのも花園地区で(ちなみに。永遠のアイドル森高千里も同じ花園小学校!)、花園と聞くとインナーチャイルドが目覚める。
我が実家の花園地区は、加藤清正を祀る本妙寺に供える花を育てていた場所なのではないかと(たぶん)。いづれにせよ、「花園」という地名は、寺社仏閣や花を愛でる文化と深い関わりがある場所。
かつらぎ町の花園地区は「日本農業遺産」に認定されている。
「日本農業遺産」の理由は、物資調達が困難な山上の聖地である高野山を支えながら、高野山との結びつきのなかで暮らしを発展させてきた持続的な農林業システムの歴史。100を超える木造寺院を維持してきた「高野六木制度」と、花園地域の「傾斜地を利用した仏花栽培」、清水地域の「棚田の畦畔を利用した多様な植物の育成・栽培」による農林業システム。
確かに、こんな山の中で宗教都市として大勢の人が集う高野山を支えてきた歴史は素晴らしい。ただ、若い世代への継承が難しいのはどの地区も同じだろう。
歴史ある地を巡っていると、これまでの世界を支えてきたものが壊れていき、次の世界へとどういう形で移行していくか、そんなことを身体が無意識に考える旅であると思う。



ちなみに。
花園温泉は、「ナトリウム・カルシウム・塩化物冷鉱泉」(弱アルカリ性低張性冷鉱泉)。日帰り入浴施設を充実させれば、これだけ素敵なロケーションをもっと生かせるのになぁ。とも。花園という名前も素敵ですしね。



その代わり、花園地区はハナゾノベースなど、アウトドアキャンプ施設がたくさんある。広く流れの緩やかな川沿いのキャンプ場など、素敵な場所がたくさんあった。




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はなぞの温泉 花圃の里
和歌山県伊都郡かつらぎ町花園梁瀬779−1
和歌山県かつらぎ町。
花園エリアに珍スポット「小原洞窟 恐竜ランド&極楽洞」がある。
ここは、昭和40年まで採掘が続いていた鉱山跡の洞窟。
海順というお坊さんが滝行の際に金鉱を見付け、江戸時代の村人たちがノミを使って掘り始めたのが始まり。ただ、金はあまりとれず、銅しかとれなかったらしい。
閉山後、この鉱山をどうしようか考えた結果、特に恐竜の化石が出たわけではないけど、恐竜で町おこしを!と考えた人たちの創意工夫で「小原洞窟恐竜ランド」が誕生した。






花園エリアは、高野山まで近く、空海のお弟子さんたちが拓いた地区でもある。10世紀ごろから仏教文化が栄え、修行の地でもあった小さな秘境。
恐竜ランド内は湿度90%。外は30℃以上あるのに中は13度で一定で涼しい。洞窟は思った以上に長く深く、30分くらいは中にいた気がする。山を掘った先人たちは本当にすごい。
洞窟内にはなぜか恐竜がいる。「極楽洞」なので極楽と地獄をテーマにした箇所もある。恐竜+地獄極楽という異世界の組み合わせが珍スポットの理由。






この地で即身仏になられた海順というお坊さんの説明もあり、一人で行くのは怖い。即身仏は、人間の魂を山に移す作業でもあるので、山自体に人間の魂が宿り、人間の活動やカルマを見守っている。ここで鉱山を掘り続けた人たちの思いも感じ、厳かな気持ちになる。








涼しい、こわい、面白い、ぞっとする、楽しい、・・・色々な感情を体験できる珍スポットであるのは間違いない。
お薦めしたいようなできないような、不可思議な場所。話のネタに一度は行ってみてください。
洞窟の後は、温泉でしっかりと色々なものを洗い流しましょう。
「小原洞窟 恐竜ランド&極楽洞」
〒643-0611 和歌山県伊都郡かつらぎ町花園梁瀬1020


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