エゴンシーレ展@東京都美術館
エゴンシーレ展。
デッサンの艶かしい曲線は、視覚的というよりも、触覚や味覚的であって、指で触れた、舌で舐めた、そんな感覚をイメージを媒介にしながら造形化したような感じ。ゾクゾク、ソワソワ、キリキリ、と体が共鳴した。
絵を介して伝わる不安底な感情はパーソナルなものというより、その時代を生きるものの集合体の感情のよう。だからこそ受けるインパクトが強い。生身の肉体を鏡のようにして、時代を身体に刻印するかのように書き上げる。筆力と観察力や感性。そうしたものが圧倒的な人物であった。
わたしはシーレの絵から、かなしみ、のような感情を強く受けた。それは、もののあはれ、のような世界でもあった。




東京都美術館 2023年1月26日[木]ー4月9日[日]


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