

平等院と『あの世』
萬福寺と同じ宇治にあるので、世界遺産にもなった平等院にも訪れた。素敵な空間だった。 この鳳凰堂と周りの庭園は、はるか西の西の西の果てにある極楽浄土(あの世)と、そこに誘ってくれる阿弥陀如来とを観想(イメージ化)するために造られている。 ...


John Lennon「Walls And Bridges」(1974年)
John Lennonのアルバム「Walls And Bridges」(1974年)。 改めてLPで見ると、本当に作りが凝っている。John Lennonが超絶的なアーティストであることが分かる。 このアルバムを聞くたびに、エルトンジョン、オノヨーコの顔がちらちらと浮かぶ...


謎と謎による結合
村上春樹さんに『セロニアス・モンクのいた風景』新潮社 (2014年)という本があるように、春樹さんはモンクの音楽が好きだ。 「頑固で優しく、偏屈だけど正しい――モンクの音楽は、いつも大きな謎だった。演奏も振る舞いも「独特」そのもの。しかし、じっくり耳を傾ければその音楽は聴く...


Pete Seeger『We Shall Overcome Complete Carnegie Hall Concert』(1963)
Pete Seegerの『We Shall Overcome Complete Carnegie Hall Concert』(1963)を聴く。 1963年のCarnegie Hall でのLive録音のレコード。生の興奮と渦が伝わってくる。 ピート・シーガー(Pete...


泉鏡花記念館 金沢蓄音器館
金沢での旅にて、いろいろな合間に村上春樹さんの「騎士団長殺し」を読みふけった。現実と小説が入り混じるくらいに深く。 金沢では、泉鏡花記念館にも立ち寄った。 というのも、春樹作品のmagic realismには、泉鏡花の世界と極めて近いものを感じていたからだ。...


金沢
循環器学会で金沢に行ってきた。 金沢は食が豊かで、文化や芸術や伝統工芸の層も厚く、素晴らしい都市だ。 加賀藩の前田家が江戸に住んでいた跡地が東大本郷キャンパスで、赤門もその名残だ。だから、いつも前田家とのつながりは感じてる。...


いのちの渇きを
3/12日曜は、自分が主催する日本最古の医学書『医心方』(984年、編集:丹波康頼、現代語訳:槇佐知子)の寺子屋勉強会の最終日だった。 1年間で年間計画を立てて、現代語訳をされた槇佐知子先生を講師にお招きし、全30巻(33冊)を1年間かけて読んだ。1冊につき500‐600...


Pink Floyd「Meddle(邦題:おせっかい)」(1971年)
ピンク・フロイドの「Meddle(邦題:おせっかい)」(1971年)を聞き直す。 オープニングのインストゥルメンタル「One of These Days(吹けよ風、呼べよ嵐)」では、風の音が20数秒流れて、不思議なベース音が鳴り響き、意識のスープを攪拌させる。この曲は、アブ...


論語 「楽(音楽)」と「礼」
自分は音楽が好きだ。 音楽を聴きながら生活していることが多い。 論語を読んでみると、音楽はひとをつなげる働きがあると書いてある。 確かに、どんな人とでも、音楽を聴くと新しい場がつくられ、その場にいる人は一体感を感じることができる。 ただ、それだけでは不十分だとも書いてある。...


レコードの重さと大きさ
レコード聞いていると、本当に音楽って素晴らしいなぁとつくづく思う。レコードリストをチェックしなおしていたら、音楽の渦に飲み込まれて音の愛に溺れる。 古書の世界もそうだが、音楽の世界も古いものに素晴らしいものが埋もれている。足しげく通わない限り絶対に出会えない。身体を動かさな...