

岡本太郎「忘れられた日本―沖縄文化論」(1961年)
岡本太郎の「忘れられた日本―沖縄文化論」(1961年)。 古代の息吹きと霊性とが、岡本太郎の器を介して溢れだす素晴らしい本だ。 1961年当時の本は写真も多いが、文庫版では多くが省略されていて残念だ。 1961年の時点で、既に日本の古層は失われつつあり、その断絶を岡本太郎は...


「坂本龍一設置音楽展 Ryuichi Sakamoto async」ワタリウム美術館
ワタリウム美術館に行き、「坂本龍一設置音楽展 Ryuichi Sakamoto async」を体感してきた。 そこは音楽でもあり、空間芸術でもあり、美術でもあった。 そうしたカテゴライズが意味をなさないほどの、生命や芸術の母型をも感じさせる素晴らしい時間と空間の体験だっ...


同時代の物語
医療において、重要なのは「読む」力だと思う。 表層に惑わされずに、その深層で起きているプロットから真の全体像を読み取る力。 自分は「読む」力は、文学や物語や芸術から学んだ。 なぜなら、奇蹟はしばしばマイナスの形で生じるが、読む力のある者にとってそれはプラスに転じるからだ。...


塙保己一とヘレンケラー
「萬福寺 宝蔵院」の記事を書いた。 →●萬福寺 宝蔵院(京都 宇治)(April 4, 2017) そもそも、なぜ「萬福寺宝蔵院」を知ったかというと、ヘレンケラーが最も尊敬する塙保己一が、この版木を参考にして大偉業を果たしたらしい、と聞いたことから自分の興味が始まった。...


萬福寺 宝蔵院(京都 宇治)
先日、京都の宇治にある萬福寺宝蔵院に行った。 ここには「鉄眼版一切経版木」全6956巻があり、吉野桜に手彫りで彫った6万枚にも及ぶ膨大な版木がおさめられている。 400字詰め原稿用紙のフォーマットの最初ともされ、日本の印刷技術のパイオニアでもあり、日本で明朝体を始めたルー...


謎と謎による結合
村上春樹さんに『セロニアス・モンクのいた風景』新潮社 (2014年)という本があるように、春樹さんはモンクの音楽が好きだ。 「頑固で優しく、偏屈だけど正しい――モンクの音楽は、いつも大きな謎だった。演奏も振る舞いも「独特」そのもの。しかし、じっくり耳を傾ければその音楽は聴く...


一条真也『儀式論』
一条真也さんの『儀式論』弘文堂 (2016/11/8)を読みました。 ----------------- <内容紹介> 「儀式とはなにか」を突き詰めた渾身の大著! 人間が人間であるために儀式はある! 結婚式、葬儀といった人生の二大儀礼から、成人式、入学式、卒業式、入社式と...


泉鏡花記念館 金沢蓄音器館
金沢での旅にて、いろいろな合間に村上春樹さんの「騎士団長殺し」を読みふけった。現実と小説が入り混じるくらいに深く。 金沢では、泉鏡花記念館にも立ち寄った。 というのも、春樹作品のmagic realismには、泉鏡花の世界と極めて近いものを感じていたからだ。...


金沢
循環器学会で金沢に行ってきた。 金沢は食が豊かで、文化や芸術や伝統工芸の層も厚く、素晴らしい都市だ。 加賀藩の前田家が江戸に住んでいた跡地が東大本郷キャンパスで、赤門もその名残だ。だから、いつも前田家とのつながりは感じてる。...


浦沢直樹の漫勉
NHKで不定期に放映される『浦沢直樹の漫勉』は毎回欠かさず見ている。 自分にとって永遠のスーパースターである漫画家のみなさんの日常に迫る素晴らしい番組。 浦沢さんがナビゲートするからこそ、過酷なプロ漫画家を生き抜く同士としての光の当て方がすごい。...