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ピアニスト高橋望さん バッハ

ピアニスト高橋望さんのピアノを聞きに行かせてもらった。

ショパンもベートーヴェンももちろんすごかったのだが、なんと言ってもバッハがすごかった。 簡単に言うと、彼は天才だと思った。

平均律クラヴィーア曲集(Well Tempered Clavier)を数曲聞いたのだが、全身に鳥肌が立った。はじめてこうした生の旋律を聞いた。 そこにはまるで自我がなく、リヒテルやグレングールドとは全く違う旋律だった。

民藝のように自我がない美を持つ平均律クラヴィーア曲集。 自我が透明だからこそ透けてくる不思議な音色。

今までもバッハは好きだったが、高橋さんの解説や思いやピアノを聞き、さらに一段深い理解へと到達できたような気がした。本当に素晴らしい体験。

平均律クラヴィーア曲集(Well Tempered Clavier)は、24の調性全てを揃えたはじめての曲集。

すべての基礎や土台となる調性で、あらゆるパターンによって音楽の基本構造の全体像をはじめて提示した、ということだろう。

長調として、 ハ長調、嬰ハ=変ニ長調、 ニ長調、 変ホ長調、 ホ長調、 ヘ長調、 嬰ヘ=変ト長調、 ト長調、 変イ長調 、 イ長調、 変ロ長調、 ロ=変ハ長調

の12種類。

短調 として、 ハ短調、 嬰ハ短調、 ニ短調、 嬰ニ=変ホ短調、 ホ短調、 ヘ短調、 嬰ヘ短調、 ト短調、 嬰ト=変イ短調、 イ短調、 嬰イ=変ロ 短調、 ロ短調

の12種類。

平均律クラヴィーア曲集(Well Tempered Clavier)では、全ての調に前奏曲とフーガがあるので、合計で48曲あることになる。

24の調性全ての全体像を表現するという取り組みは、

ショパンの「前奏曲集」 Op. 28、スクリャービン の「24の前奏曲」 Op. 11、ショスタコーヴィチの 「24の前奏曲」 Op. 34・・・など、色々な人がこの壮大な取り組みを受け継いでいる。今世紀では坂本龍一さんとクリスチャン・フェネスの「flumina」がに唯一らしい。ここにも坂本龍一さんからバッハへの尊敬の念が感じられる。誰かが受け継いでいくからこそ、その本質は伝えられていくもの。

音楽家というのは、不思議に何か関係のある作曲家が存在すると思う。

いのちを受け継ぐ、というのはそういうことだ。

ということで、家にあるグレン・グールドのCD boxやレコードを改めて聞き直しています。笑 

平均律クラヴィーア曲集、という存在自体を、もっと自分なりに研究してみたい。

中古レコードも見つけてきたので、改めて聞いている。

いま、高橋望さんは平均律クラヴィーア曲集の全曲録音もされている。完成が楽しみだ。

みなさんも、高橋望さんのピアノを聞いてほしいです。

2018年1月20日(土)には、ゴルトベルク変奏曲2018を東京文化会館小ホールでされます。是非行きます!応援します!

●Glenn Gould-J.S. Bach-The Well Tempered Klavier (HD)

●J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻 BWV 846-869 / キース・ジャレット

●スヴャトスラフ・リヒテル / J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻

●[HD] Bach's Goldberg Variations [Glenn Gould, 1981 record] (BWV 988)

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