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伊豆白濱神社 三嶋大明神 火山信仰 エリアーデ『永遠回帰の神話』

  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

伊豆白濱神社へ。


伊豆ノ国最古の宮(2400年以上の歴史)とされる。

三嶋大明神の后神(伊古奈比咩命(いこなひめのみこと))を祀ることから縁結びや安産、女性の守護神としても信仰を集める。

『日本後記』では、女神の荒ぶる力で火山活動や天変地異が起こったため、力を鎮めるために祀ったことが起源らしい。







「三島大明神(三嶋大明神)」は、山の神・海の神である「大山祇命(おおやまつみ)」を指す神名。古くから火山信仰とも結びついている。

源頼朝が挙兵の際に祈願した三嶋大社(静岡県三島市)も、富士山や箱根山などの火山活動が活発な地域だからこそ、火山信仰とも関係がある。




現地で『三宅記』(みやけき)という面白い話も聞いた。



三島大明神が伊豆の島々を次々と造り出す物語と、三宅島を拠点とした開拓伝承が記された書物。

「三嶋大明神」(事代主神?とされる)が、天竺(インド)から日本へ渡来し、伊豆の海に島を焼き出した(噴火させて島を作った)という「噴火造島神話」が中心。

天竺(インド)由来というのは、おそらく仏教の起源と神道とを結びつける神仏習合(本地垂迹説)の影響ではないかと思う。



三宅島では壬生家(みぶけ)が神職を世襲してきた。

三嶋大明神が富士山にいた際、駿河舞の芸に秀でた「壬生御館」という人物に出会う。三嶋大明神は壬生(みぶ)家に三宅島で神を祀ることを命じ、三宅島で三嶋大明神の神主家(祭祀を司る家系)の祖となったらしい。



壬生家が2年に一度行う富賀神社大祭も面白いお祭りだ。

島内の神社に1泊ずつしながら反時計回りに全島を巡る。お神輿をかつぎ6日間かけて、三嶋大明神が島々を生み出した神話を再現する。



祭りというハレ(非日常)の時間で、ケ(日常)とハレ(非日常)とを接続させる。


宗教学者のエリアーデ『永遠回帰の神話』を思い出す。



神話的な「始源の時(Origin)」を儀礼で反復し循環的な時間を生きることで、混沌から秩序を見出す、と述べていた。

現実の出来事は「祖型(アーキタイプ)」と呼ばれる神話的な出来事の模倣・反復だからこそ、過去の混沌を清算し祓うことで世界を再創造し「聖なる時間」へ立ち戻る、と。



「三宅記」のように小さな一族が守り続ける古代の時間は、現代的な視点で見るとよくわからなくても、地球の原初の風景、光と水、石と砂、人間の予感すらない風景に一体化すると、立ち現れてくる時間間隔。

それは温泉に入る時間・身体感覚とも一致する。



鳥居の向こうに海が見える。

鳥居の向こうは現実の続きなのか、それとも異界なのか。






空間を額縁のように区切ることで、見えざるフレームが見える。そのことで、自分の中にある見えざるフレームも見える。


枠の中に安住することは安心で快適だが、大きな視点から見ると閉じ込められて幽閉されているとも言える。

フレームは時に見えなくて隠されているが、場所や時間に応じて見えるようになる。人間が認識すると、波が満ちて引くように、フレームはまた消えてゆく。




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