top of page

「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」@森美術館

六本木ヒルズの森美術館に「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」を見に行く。

いろんな未来都市のイメージや、機械と人間との共生など、多数の展示があった。 それなりには面白かったが、あまりかきたてられるものはなかった。自分のイメージの枠外にあるものはなかった。正確に言えば、頭は興奮したが、心はあまり動かなかった。

なぜかなぁ、と自分なりに考えてみたところ、そこに「人間の気配」「生命の気配」があまり感じられなかったからかなぁ。そして、巧妙に「自然」が隠され排除されているような気さえした。

「あたま」の世界ではなく、「こころ」や「からだ」の世界へとシフトしていきたい。

未来都市は大量のエネルギー消費型社会としても描かれていたが、そもそも、地球上でエネルギー保存則が働くので、消費したエネルギーは熱エネルギー含めてどこかに移動していく。それは局所的な大気の変化を起こして、局所的な異常気象として顕在化する。そうしたこともエネルギーの循環も含めた未来都市のイメージを見たかった。

いろんなバイオテクノロジーアートもあった。

たしかに、先端科学技術は、哲学よりも技術がどんどん進化しているから、人間的なものもあれば、非人間的でときどきぞっとするものもある。

そのあたりは使う人間がちゃんと手綱を握らないと、人間と技術との関係性が失われるんだろうなぁ。。

そうなると、 「では、あなたはどうするのか?」 と、なる。

自分も2020年からは、新しい都市や街のビジョンを具現化しながら、仕事と暮らしと遊びと芸術と儀式が一体化するようなライフタイルを選択してきたいな、と改めて思う機会にもなった。

自分への推進力として働く、という意味でも、自分はどこに向かいたいのか、という問いを掻き立てられる意味でも、こういう美術展は自分にかなり意味があるものだ。形になると、より強いリアリティーを持って、自分に問いとして迫ってくるから。

手塚治虫の原画や諸星大二郎の原画もあり、彼ら漫画家の存在は自分にとって大きな救いで、光明だった。

 

未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか 豊かさとは何か、人間とは何か、生命とは何か

2019.11.19(火)~ 2020.3.29(日)

森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

テクノロジーの発達は、いま、私たちの生活のさまざまな側面に大きな影響を与えようとしています。近い将来、人間は多くの判断を AI(人工知能)に任せるようになり、AIが人類の知能を超え、私たちの社会や生活に急激な変化をもたらす「シンギュラリティ」が到来すると言われています。また、ブロックチェーン技術は、社会システムに新たな信用と価値を作り出し、多様なバイオ技術は、食や医学、そして環境に多大な影響を与えることになるでしょう。私たち人間が身体機能を拡張させ、いま以上に長寿を享受する時代もそう遠くない話なのかもしれません。そうした急激な変化がもたらす未来は決して明るいものだけではないかもしれませんが、私たちは、少なくとも20-30年後の未来のヴィジョンについて考えることが必要なのではないでしょうか。それは同時に、豊かさとは何か、人間とは何か、生命とは何かという根源的な問いにもつながるのです。

本展は、「都市の新たな可能性」、「ネオ・メタボリズム建築へ」、「ライフスタイルとデザインの革新」、「身体の拡張と倫理」、「変容する社会と人間」の5つのセクションで構成し、100点を超えるプロジェクトや作品を紹介します。AI、バイオ技術、ロボット工学、AR(拡張現実)など最先端のテクノロジーとその影響を受けて生まれたアート、デザイン、建築を通して、近未来の都市、環境問題からライフスタイル、そして社会や人間のあり方をみなさんと一緒に考える展覧会です。

https://www.mori.art.museum/jp/

bottom of page