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人生を生き抜く物語

ネプチューンの名倉さんが、うつ病で2カ月休むとのこと。 周囲の見立てでは、去年の頸椎椎間板ヘルニアの手術が、影響を与えたとのことだ。

からだとこころ、こころとからだはつながっている。 というか、同じものと考え方がいい。それを東洋では身心一如と呼んでいた。

生きているだけで、からだにもこころにも色々なダメージがあるだろう。

人生とは、そうした困難をなんとか乗り越えながら生きていくプロセスそのものだが、「あたま」の支配が強すぎると、からだやこころは、寝ている時(「あたま」の支配から抜け出す生命の知恵だ)しか、「あたま」から自由になれなくなる。

「あたま」は、文明を生み出した人類の特徴そのものだが、「からだ」「こころ」を置き去りにすると、それは時に諸刃の剣となる。

今年の9月頃に出る予定の本(NHK出版 学びのきほん)に、このあたりのことをいままさに書いている最中。一般向けに分かりやすさを工夫した。実際の話は、とても響く。

うつ病も、こころの自然治癒力がギリギリで働いたと考えた方がいい。 うつ病も、恐ろしく不安な面もあるかもしれないが、からだ・こころ・いのちの側面から見ると、そこには必ずいい面もある。その両方をこそ、大切にしてほしい。

うつ病を含め、からだを持って生きている以上、病は誰にでも起こりうる。

では、どうやってそこを乗り越えていくか。

そのとき、やはり医者の説明や診療も大事だが、そこを乗り越えた人たちのリアルな言葉もとても参考になる。暗闇の中で、少しでも見通しがたつ。

そこには、一人一人筋書きのないドラマがある。

Yahoo!ニュース 特集 病とともに」は、とてもいいシリーズだ。

弱さを公表した人たち。それこそが強さなのだ。 弱さと強さとは表裏一体で、強さは弱さが支えている。どちらか一方だけでは脆い。

最新の科学的な知識を取り込むことも大事だが、自分はこうした一人一人の物語をこそ大切にしている。 それは科学が対象外として扱うことができない、人生を生き抜いた物語の豊かさと真実とがあるから。

うつ病でのお二人の記事(将棋棋士・先崎学さん、漫画家・田中圭一さん)を、ご紹介。

 

盤面の駒の動きが全く頭に入らない――。昨年初夏、将棋棋士・先崎学九段は混乱の中にいた。うつを発症していたのだ。アマチュアですら簡単に解ける詰将棋も解けない。「もう将棋は指せないかもしれない」。そう思い詰めることもあった。かつて「天才」とたたえられた棋士の、喪失から復活までの軌跡を追う。(ノンフィクションライター・崎谷実穂/Yahoo!ニュース 特集編集部) https://news.yahoo.co.jp/feature/1181 --------------------

■「初めて経験するストレスでしたね。映画で将棋界を盛り上げようという明るい打ち合わせをした後に、崩壊した組織の立て直しについて出口のない議論をする。精神的に不安定にもなりますよ。さらに、対局の前日にまでイベントや取材が詰め込まれるなど、忙しさも異常でした」 ■「よく、うつになった人に『うつ病になるなんて、弱いからだ』『ただ怠けているだけじゃないの』という見方をする人がいますが、それは間違いです。怠け者と決めつけられて、余計に追い込まれ、病状を悪化させるうつ病患者はたくさんいます。先崎さんのように、過酷な勝負の世界で戦ってきた『強い人』でも、多忙や種々のストレスなどの引き金があればうつ病になる。誰でもなりうる病気なんです」 ■「会いに来てくれるだけでもうれしかったけれど、『みんな、先崎さんを待っています』と言われるのが本当にうれしかった。うつの治療中は、刺激を避けるために世間と隔絶されている。誰にも必要とされていないという気持ちになるんです。だから、人に好かれている、尊重されているということが分かると安心します」 ■「うつの治療としては、そんなに頭を使っちゃいけなかったのかもしれません。でも、私は将棋でうつを治したという気持ちが強くあります。1局指すだけで疲れてぐったりしてしまうのですが、それでも将棋をやれたこと自体が大きな自信につながっていった。社会復帰に近づいているという感覚を得られたんです」 ■「倒れる前は、対局も相当気合を入れて臨み、他の仕事もバリバリこなして、今が一番脂が乗っている時期だ、くらいに思っていたんです。でも1年ブランクがあくと、急に年を取ったような感じがしました。壮年から老年になったような。いや、もともと将棋の棋士としては、40代後半はピークを過ぎてへこたれてくる年なんですよね。なんといっても、勝てなくなりますし。脂が乗っているという感覚のほうが、錯覚だったのかもしれません」

 

漫画家の田中圭一(55)は、40代なかばから原因不明の不安や恐怖にさいなまれるようになった。うつ病と診断されてから、症状が消えて安定するまで実に10年。「この経験を伝える義務がある」とルポ漫画『うつヌケ』を上梓した田中が、「うつトンネル」の中で苦しんでいる人たちに伝えたいことは――。 (ノンフィクションライター・西所正道/Yahoo!ニュース 特集編集部) https://news.yahoo.co.jp/feature/600

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■「うつの原因は、会社を辞めればいいのに決断できず、『俺は何もできないダメ人間、会社のお荷物だ』と自分を責めたことだと気づいたのです。不安や不眠は体が発する『警告』だった。それを無視して自分を攻撃し続けたことがうつを呼んだわけです」 ■脱出するには、その逆、自己肯定をすればいいというアドバイスも書かれていた。つまり、口に出して自分を誉めて自己暗示をかける。効果的なのが朝、目覚めた直後。そのときは潜在意識と顕在意識の壁が曖昧になっているので、言葉が心の奥に届きやすいのだという。 ■田中は本に書かれていたことを実行してみた。すると、効果は3週間後に現れた。笑う時間が増えたのだ。気分は前向きになり、連日さいなまれていた未来への恐怖と不安は次第に軽減。2カ月後には、「陽射しが気持ちいい」と感じられるようになった。同じ頃、リストラを宣告されるが、落ち込むどころかチャンスと捉えられ、希望する会社に再就職することができた。 ■興味深かったのは、あるライターの話。人から必要とされることがうつ脱出のポイントだと言っていたのだ。大槻ケンヂの「うつの最中は、ライブがすごく救いになった」という証言と重なる。田中自身も、なぜつらい中でも漫画をやめなかったのかといえば、達成感を味わえ、自分が必要とされていることを実感できたからだった。それによってうつの重症化を食い止められた部分もあったという。 ■「実際には、薬や医者で治っている人がけっこういることがわかった。治ったら、あまり書き込みはしないような気がするんですよね。ですから、あまりネットのレビューなどに惑わされないようにしてほしいし、できる限り自分で正しい情報を集めて判断することをおすすめします」 ■うつのトンネルに入ってしまっても抜け道はある、入りそうになってもそれを避ける方法がある――そう思えるだけでも、気分が軽くなる。

 

うつ病以外にも、「Yahoo!ニュース 特集 病とともに」にはたくさんの素晴らしい記事があります。

こういうInterviewを、自分ももっとしたいなぁ。

https://news.yahoo.co.jp/feature/1181

この見た目が私の武器。インスタグラマー大学生・彩さんが決めたこと(2018/7/18(水))インスタグラマー・彩 単純性血管腫 https://news.yahoo.co.jp/feature/1022

「娘が20歳になるまで生きると決めた」――40代で3度のがんと闘った起業家の闘病哲学(2018/3/20(火))起業家、オーシャンブリッジ ファウンダー 高山知朗 悪性脳腫瘍、悪性リンパ腫、急性骨髄性白血病 https://news.yahoo.co.jp/feature/914

「地獄の底」に希望の光――アルコール依存、女性の軌跡(2017/12/14(木))「ダルク女性ハウス」代表 上岡陽江  https://news.yahoo.co.jp/feature/831

彼女がかつらを脱いだ理由――円形脱毛症と向き合って(2017/8/22(火))聖心女子大学 特別研究員 吉村さやか https://news.yahoo.co.jp/feature/726

「がんと闘う姿を見せたい」――元プロレスラーは再びリングへ(2017/7/31(月))元プロレスラー 垣原賢人 https://news.yahoo.co.jp/feature/702

乾癬を公表して“ポジ転” 「もう、見た目にとらわれない」(2017/7/8(土))モデル 道端アンジェリカ https://news.yahoo.co.jp/feature/670

「再び、自分らしく」――難病を公表した政治家の胸中(2017/5/18(木))衆議院議員 原口一博 骨形成不全症 https://news.yahoo.co.jp/feature/609

伏し目がちだったアイドル―――斜視を乗り越えて(2017/4/22(土))アイドルグループ「仮面女子」 神谷えりな https://news.yahoo.co.jp/feature/588

「再び、ピッチに−−」 骨肉腫闘病を支える2つの「心の杖」(2017/3/5(日))大宮アルディージャ アンバサダー 塚本泰史 https://news.yahoo.co.jp/feature/530

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