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レコードと後姿

1歳になると、指差しができるようになる。 1歳と1本指が呼応しているのが本当に不思議だ。誰もが通ってきた道。

指の扱いがうまくなると、いろいろと興味が拡大するのか、この前までは岩波文庫を取り出して遊んでいたが、最近はレコードを取り出して遊んでいる。

先日、選ばれた出されていたレコード4枚は、美空ひばり、モーツァルト、ジャクソン5、沖縄民謡、で、渋く味のあるいい選曲だ。

『ひばり世界をうたう』。美空ひばりさんが1964年に出したレコード。カンツォーネ、ロシア民謡、ラテン、スコットランド民謡など・・を唄う。レアなレコード。「禁じられた遊び」、「アヴェ・マリア」はほんとうに素晴らしい。歌い手はかくあるべき、とでもいうような。

『モーツァルト:弦楽四重奏 全曲』(バリリ四重奏団)は、11枚組のボックスセット。呼吸をするようにつくられた、いい作品ばかり。

ふんづけているのは、

『帰ってほしいの』(原題:Diana Ross Presents The Jackson 5)、ジャクソン5が1969年に発表したファースト・アルバム。高校生のころから何度も聞いた。

『黒潮のうた 民謡沖縄』。安里屋ユンタなど。民謡はレコードに限る。

自分が出したり入れたり、あちらに移動したりこちらに移動させたり・・・延々と繰り返している。 背中越しにその風景を見て、いつも不思議だったことだろう。

熱心で夢中になっている後姿を見ていると、まるで自分を見ているようだ。

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