川崎市岡本太郎美術館
3日に1日(年間120日)の頻度でオンコール当番をしていると、ぜんぜん遠くにいけない。
今日は久しぶりに休みでオンコールもなく、川崎市岡本太郎美術館に行ってきた。 10か月の寿太郎くん(太郎さんが名前にも入り込んでいる)にも本物の絵を見せたかったからだ。
この美術館は生田緑地の中にあり、自然の中を抜けていくと美の殿堂がある。 美術館に入るまでの体験が実に素晴らしい。
自然という完璧な美の世界を通り抜け、自然が人間という美を生み出し、なぜその人間が美を生み出すのか、宇宙が入れ子上の構造であることを体験させてくれる。
数ある美術館の中でも、こんなにロケーションの素晴らしい美術館はほとんどない。 ぜひとも行っていただきたい。
太郎愛に関しては、自分の単著「いのちを呼びさますもの」(アノニマスタジオ)の中でも少し触れました。 岡本太郎の素晴らしさを語ると止まらなくなりますが、、、、。
岡本太郎は絵を売らなかった。 その代わりに、パブリックアートに力を入れて、生活の中に美を届けた。誰もが触れることができるものを届けた。
晩年、彼の生まれである川崎市に、岡本太郎美術館を作る構想が出た。 川崎市の職員は、岡本太郎に絵を売ってください、何度も頼みに行ったらしい。
でも、彼はかたくなに断った。 絵は売るものではないのだ、と。
何度もお願いに上がる川崎市の職員に、太郎さんも折れた。 そしてこう言った。 「絵は売らない。絵は売り物ではないからだ。だから、すべての絵を寄付する。」
なんとかっこいい人だろう。
こんな人、他にいるでしょうか。
出口に鎮座する太郎さんパネルでもミーハーに写真撮りました。
左から、太郎、(太郎の影)、寿太郎、俊郎、太郎、です。
最高の一日。わが家族は全員大興奮。
美術館の中で、岡本太郎作の椅子のところだけでは写真を撮っていい、とあった。
喜び勇んで、妻に撮ってもらった。
アップで撮った時は分からなかったが、ひいて撮ってもらったら、あら、太郎さんが覗いているではないですか。 「きみたち、ちゃんとわたしのバトンは受け取ったのかね?」
太郎さんはこうも言っています。 「写真というのは、偶然を偶然でとらえて、必然化することだ」と。