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猪熊弦一郎「美術館は心の病院」

坂本美雨さん、滝口明子さん(うらわ美術館)との

『猪熊弦一郎のおもちゃ箱』刊行+猪熊弦一郎展「猫たち」開催記念トークイベント&ライブ、

自分も参加者の一員ながら、めちゃくちゃ面白い鼎談だったー!!

話せば話すほど、猪熊さんがいかに素敵で偉大な方か、、、そして猪熊さんの思いを受け継ぐのは我々現代に生きる人たちなんだ、ということをつくづく痛感する時間でした。

直前に『猪熊弦一郎のおもちゃ箱』(小学館)という素敵な本を読みながら、あらためて感慨にふけりました。

というのも。 猪熊弦一郎氏が

「美術館は心の病院」

と願い、MIMOCA(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 Marugame Genichiro-Inokuma Museum of Contemporary Art)を作ったからです。 その言葉はいまも大事に保管されています。

まさに時代の先をみていたひと。 そして、自分もまったく同じ考え。 自分自身も、そうした思いを込めて、「いのちを呼びさますもの —ひとのこころとからだ」(アノニマ・スタジオ)を書きました。

美術館と病院、人間の健康を求める場所すべては、ひとつのものに統合されるべきだ、と心の底から思っています。

自分がこうして坂本美雨さんとの対談に呼ばれたのも、いのくまさんからの計らいだろうと自分は受け取りました。

猪熊弦一郎 「日本に美を分かる人をもっと増やしていきたい。美を分かる人こそ、平和を求める人だと思います。」 「絵画は独占するものではなくより多くの人を喜ばせ、みちびくもの、多くの人々のためになるべきもの」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ほぼ日刊イトイ新聞 いのくまさんのこと。

より

この言葉がコンセプトなんです。 ――「美術館は心の病院」。 猪熊は戦前パリに2年暮らし、 戦後はニューヨークに20年住んでいました。 西洋では街の真ん中に教会があって、 日曜日になると、教会に行って 疲れた心を癒し、また日常に戻ります。 美術館も同じような役割を 担っているのではないか‥‥ そんなふうに考えたんです。 日常とは違う空間でリフレッシュしてほしい。 そのためには、 人が気軽に来れるところでないといけない、 ということを言っていました。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

猪熊弦一郎さんの話を銀座シックスで話す、この運命の糸をひいているのは誰? と考えていたのです(もちろん、銀座シックス名キュレーターの中村翔子さんであるのは間違いないんですが!)

ふと考えて気づいて驚いたこと。

MIMOCA(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)を設計した建築家の谷口吉生さん。 まさにこの方がGINZA SIXも設計されている方ではないですか!

金沢にある瞑想的なすごい建築、鈴木大拙館の設計も谷口吉生さん。 →●金沢(March 22, 2017)

谷口吉生さんはMOMA(ニューヨーク近代美術館)の新館も依頼されていたり、なんともすごいお方です。

MIMOCA(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)は「心の病院」を目指して、猪熊さんと谷口さんが時には衝突しながらも同じ思いを共有して作られた空間。 GINZA SIXにも、きっとそういう願いが込められているんだと思います。 ウキウキ、ワクワクするような空間を。元気が出て希望が持てる空間を!

そんなこんなで、話はあちらこちらに飛びながら、猫の神話的な解釈や物語に登場してくる猫のイメージなどを話していると、あっという間に時間に!! せっかくなので当日の資料を。

(誰に頼まれたわけでもないのに、こういう資料を作るのが好きな自分)

最後には坂本美雨さんの美しい生の歌声まで聞けるなんて! 歌声にうっとりして、とろけるような時間を共有させてもらいました。 しかも多くの素晴らしい本に囲まれながら、至福の体験。

坂本美雨さんが歌う「かぞくのうた」、「星めぐりの歌」、、、生歌のアカペラは素晴らしかった。。

「星めぐりの歌」は宮沢賢治『双子の星』に登場する歌。

この前に、「猫」は異なる世界をつなぐ存在だ、という話をしたことも手伝って、美雨さんの歌声で一気に異世界に連れていかれました。

●「星めぐりの歌」/ 坂本美雨 with CANTUS (Music Video)【公式】

●S&B本生『わさびのはなし』(ここで歌われているのが坂本美雨さんの「かぞくのうた」 )

いやはや。贅沢で最高の時間でした。 空間が猪熊弦一郎Loveで包まれる。 好きな人の話をすること以上に楽しいことはない!

まさに、猪熊さんがそういうことをおっしゃっているんですよね。

「愛しているものをよく絵にかくんです。 愛しているところに美があるからなんです。」

みなさん、忘れないうちにBunkamuraの猪熊弦一郎展「猫たち」、見に行ってください!(ひえー、4月18日までー!)

ついでに、Bunkamura上にあるル・シネマで、映画「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」を見ると、感動のダブルパンチで失神寸前です!笑

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